「プラズマ乳酸菌」の免疫向上機能
プラズマ乳酸菌の正式名称は「ラクトコッカス属ラクティス菌JCM5805株」といいます。
この菌株は、ブルガリア菌に属する株でヨーグルトなどをつくる際に牛乳に混ぜる種菌で多糖体を多く産生して独特の風味をもたらす特徴があります。
プラズマ乳酸菌は免疫機能全体の司令塔的な役割を担っている「プラズマサイトイド樹状細胞(pCD)」を活性化する働きが確認されています。
「ラズマサイトイド樹状細胞」が活性化すると、ウイルスやがん細胞の増殖を抑制する効果がある「インターフェロンα」だけでなく、「インターフェロンβ」や「インターフェロンγ」の3種を大量に産生する働きがあることが解明されています。
これらのインターフェロンが活性化すると自然免疫系のマクロファージやNK細胞、樹状細胞などの自然免疫系が活性化して体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を攻撃して排除します。
また、マクロファージや樹状細胞には貪食作用の他にも「抗原提示作用」といって、獲得免疫であるヘルパーＴに対して抗原(ウイルスや細菌などの異物)の情報を知らせて他の免疫系の働きを高める仕事もしています。
特に抗原提示の能力が強い樹状細胞が活性化すると「成熟樹状細胞」にレベルアップして、抗原提示の能力が高まり、獲得免疫のヘルパーＴ細胞やB細胞に対して非常に効率の良い抗原提示機能を発揮します。
樹状細胞は、全身に分布していますが、存在する場所によっては名称が異なっています。
例えば、皮膚ではランゲルハンス細胞と呼ばれ、皮膚に何らかの原因で細菌感染が起こったとします。
すると、樹状細胞は細菌を取り込んでリンパ節に移動して両手にあたるMHCクラスⅡに抗原の断片(たんぱく質)を突き出してヘルパーＴ細胞やB細胞に抗原提示をして抗原の情報を伝えます。
これらの免疫系は自然免疫と呼ばれ、生まれながらに備わっている免疫細胞であり、非特異的と言って、有害物を発見すると片っ端から攻撃を仕掛ける特徴があり、頼りになる免疫細胞です。
「R-1乳酸菌」の免疫向上機能
R-1乳酸菌の正式名称は「ラクトバチルス・ブルガリクス(OLL1073R-1)」といいます。
この菌株は、免疫を司るマクロファージやナチュラルキラー細胞で知られているNK細胞などの自然免疫を活性化させる「インターフェロンγ」の産生を促進させる機能が解明されています。
マクロファージは体内にウイルスや細菌などの侵入してくると貪食(片っ端から食べる)して分解する働きがあります。
マクロファージについてはこちらで詳しく解説しています。
マクロファージを活性化する方法
NK細胞は異物に攻撃されたがん細胞などを殺傷する免疫の殺し屋です。
NK細胞を活性化させる方法
隣接する二つの地域で行った実験では、R-1乳酸菌を使ったヨーグルトを摂取したグループは、牛乳を飲んでいたグループより風邪をひきにくくなることが確認されています。
具体的には、保育園・幼稚園から中学校までの児童・生徒を対象に給食でR-1乳酸菌を摂取してもらい、隣の市の牛乳を摂取した児童・生徒のインフルエンザ罹患率を比較したところ、R-1乳酸菌の摂取組の方が約10分の1程度に抑えられたことを同町内の医師が発表して話題になりました。
R-1乳酸菌はインフルエンザウイルスを攻撃するマクロファージやＮＫ細胞などの自然免疫を活性化する作用があることで多くの医師が推奨しています。
プラズマ乳酸菌とR-1乳酸菌の免疫作用の違い
プラズマ乳酸菌とR-1乳酸菌やその他の乳酸菌との最も大きな違いは、プラズマ乳酸菌は免疫システムに直接働きかける事で免疫力を向上させる機能が高い点です。
つまり、プラズマ乳酸菌は殺菌効果や免疫力を司る白血球の一種で自然免疫の「マクロファージ」や「プラズマサイトイド樹状細胞」に対して直接的に働きかけをする点が他の乳酸菌と大きく異なっています。
また、プラズマ乳酸菌はマウスによる試験は「アンチエイジング作用」と「寿命延長効果」も確認されています。
平成27年4月から「新機能性表示」制度ではサプリメント等で効果効能が実証されたものは明確に効果効能を表示できることになりました。
自然免疫系の免疫細胞が活性化することで、ヘルパーＴ細胞やB細胞などの獲得免疫系(生後に身に付く免疫細胞)も活性化することが解明されており、全体的に免疫機能が向上することになります。
「プラズマ乳酸菌」や「R-1乳酸菌」は免疫作用の向上が実証されており、免疫を高めて日々の健康を維持するために取り入れてみてはいかがでしょうか。
専門用語:「マクロファージ」
白血球の1種で生体内をアメーバの様に活動する遊走性の食細胞で侵入したウイルスや細菌などの異物を捕食して消化する。
非特異的に働く。
マクロファージを活性化する方法
専門用語:「ナチュラルキラー細胞（NK細胞）」
細胞傷害性リンパ球の1種。
特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要な働きをする。
特異的に働く。
NK細胞を活性化させる方法
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