みかんのオレンジ色の成分が糖尿病など予防
農研機構果樹研究所と浜松医科大などのチームは、10年間約千人の規模での疫学調査を実施したところ、みかんに含まれている「βクリプトキサンチン」の血中濃度が高いほど「糖尿病」や「非アルコール性肝機能異常症」などの疾患リスクが低下すると報告しました。
実際には温州ミカンの産地である浜松市の三ケ日町地域で住民健診時に被験者を募って、30歳から70歳の男女1073人を対象に10年間調査を実施しました。
「βクリプトキサンチン」は、温州みかんに多く含まれるオレンジ色素カロテノイドで、血中濃度との関係を統計的に分析しました。
具体的な調査結果として、毎日3個から4個食べるレベルの血中濃度の人は、毎日は食べないレベルの人と比べて、糖尿病の発症リスクが57%、非アルコール性肝機能異常症は49%、脂質代謝異常症は33%も低かったと報告しています。
マウスを使った実験でも、「βクリプトキサンチン」を投与したマウスは、肝臓の炎症抑制や脂肪細胞でのエネルギー消費促進などの働きがあることが分かったと報告しています。
研究者は、果物は糖分を気にして食べない方が多いのですが、果物の糖分は危険因子ではなく予防因子であることを明らかになったとしています。
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