糖尿病とお酒の関係/血糖値を下げる作用
お酒を飲むと血糖値が下がることがわかっています。
だからといって、血糖値を下げるために、飲酒をするのは危険です。
血糖値が上がると血中の糖が血管内壁に激しくぶつかり血管内壁を痛めます。
この状態が続けば、血管がボロボロになります。その結果、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こすリスクが3から5倍に上がります。
お酒が血糖値を下げる仕組みを知っておきましょう。
アルコールの血糖値の上昇を抑える作用
アルコールは、肝臓からのブドウ糖を出にくくして血糖値を下げる作用があります。
アルコールは肝臓に運ばれ分解されますが、アルコールの分解にはブドウ糖が使われます。
宴会などで、多量のお酒を飲んだあとラーメンやお茶漬けなどの炭水化物を食べたくなりますが、これはアルコールを分解するためにブドウ糖が消費され、糖質を含む炭水化物が食べたくなるからです。
しかし、飲酒には注意が必要です。
注意1
まず、アルコールを飲む時にはつまみとして、料理を食べることになります。アルコールを飲んでいる時は副交感神経が優位になっていますので、食欲が高まり、食べ過ぎる傾向があります。
注意2
アルコールの処理でブドウ糖が消費されて血糖値が下がっても、炭水化物であるラーメンやお茶漬けを食べて寝ると一晩中、血糖値が高い状態が続くことになります。
注意3
つまみの料理を殆ど食べずにお酒だけを飲んでいる場合は、肝臓でのアルコール分解にブドウ糖が消費され続けるため、血糖値が下がります。
しかし、糖尿病で薬を飲んでいると血糖値が下がり過ぎて低血糖症を招き非常に危険な状態になる可能性があります。
糖尿病患者の飲酒の指針
わが国では糖尿病患者の飲酒は原則的に禁止されています。ある一定条件を満たしている場合に限り、上限量を定めて許可される場合もあります。
その条件とは、「良好な血糖制御が長期間出来ている」、「合併症がない若しくは軽度」、「脂質代謝異常がない」、「肝臓及び膵臓疾患がない」などです。
アルコールは、焼酎のお湯割りで一杯、日本酒は一合程度でほどほどにしましょう。
お酒は昔から百薬の長といわれている通り、ほどほどなら健康効果を期待できますが、度を過ぎれば健康被害をもたらします。
血糖値を上げない食べ方
食事の時に野菜を先に食べることで、野菜の食物繊維がブドウ糖の吸収を阻害して血糖値の上昇を緩やかにします。
糖尿病は認知症リスクを高める
また、糖尿病と認知症は深い相関関係があることがわかっています。
糖尿病患者は健康な人に比べて認知症を発症するリスクが4.6倍も高まることがわかっています。