アディポネクチンダイエット


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糖尿病の予防に必須のアディポネクチン

 

アディポネクチンは、1995年から96年にかけて日本やアメリカの有名大学の教授をはじめとした研究者が相次いで発見した内臓脂肪細胞から分泌されるホルモンです。

 

日米の共同研究により、アディポネクチンは糖尿病を直接的に抑制する作用を持っていることが突き止められました。

 

そして日本の研究者が、世界で始めてアディポネクチンの受容体を発見しました。

 

 

アディポネクチンが長寿遺伝子を活性化

 

アディポネクチンの研究をしているのは、東京大大学院教授の門脇孝氏でアディポネクチンが筋肉細胞内で長寿遺伝子「サーチュイン」を活性化させる働きがありことを突き止めています。

 

それにより生物の生命に関連がとても深い細胞小器官であるミトコンドリアを増やすとともに、その働きを向上させ間接的に長寿につながると報告しています。

 

アディポネクチンは、食事制限の負担が少なくても血糖値や糖尿病の合併症をコントロールできるという夢のような糖尿病治療薬に結び付く可能性を持っていることが分かりました。

 

現在、糖尿病の薬として用いられている、ピオグリタゾンはインスリン抵抗性の改善薬ですが心不全の人には投与できません。

 

インクレチン作用を強めるための「DPP−4阻害薬」は血糖値の抑制が不十分である欠点があります。

 

アディポネクチンによる新薬に向けての研究開発に注目が集まっています。

 

以前の日本と米国の共同研究で、糖尿病疾患の多い米国の部族であるピマインディアンの中で、太っていても糖尿病にならない人はアディポネクチンの脂肪細胞からの分泌量が多いことが分かり話題になったことがありました。

 

アディポネクチンが発見されて16年程になりますが、栄養過多になり脂肪が増えすぎると体を防御するホルモンであるアディポネクチンが分泌異常となります。

 

平成24年8月30日にクローズアップ現代で放映された「糖尿病の"常識"が変わる」の放の内容を要約した「不治の病から完治する糖尿病へ」です。ご参考にしてください。

 

脂肪細胞が太るとアディポネクチンの分泌が減る

 

アディポネクチンは、脂肪細胞からしか分泌されません。

 

しかしながら、内臓脂肪を蓄積した人ではアディポネクチンの分泌量が低下するという不思議な現象があります。

 

そして研究を進めるうちにアディポネクチンの分泌量の少ない人ほど糖尿病や動脈硬化などの症状が多いことが分かってきました。

 

一般のホルモンやサイトカインなどに比較して大量に体内に存在しているアディポネクチンは、その量が低下することで病気に繋がるということは、特定した病気ではなく、普遍的に必要なホルモンといえます。

 

その事を裏付ける研究結果も多く発表されています。

 

心筋梗塞の手術の後にアディポネクチンを投与することで、心筋の保護技能が向上することも分かっています。

 

アディポネクチンは、糖尿病や動脈硬化の改善効果だけでなく、高血圧、炎症、がんなどの予防因子としての可能性が明らかになってきました。

 

   

アディポネクチンの分泌が減るとがんや糖尿病のリスクが高くなる

 

アディポネクチンと糖尿病の密接な関係 

 

「アディポネクチン」ちょっと発音し辛いし、覚え難い単語ですね。

 

二つに分けて覚えたら如何でしょうか?

 

 「アディポ」が「脂肪」で、「ネクチン」は「くっつく」という意味のようです。

 

さて、糖尿病ですが、膵臓のβ細胞が破壊してしまうことで、膵臓からインスリンが出なくなってしまい発症するのが1型糖尿病で子どもの頃に発症することが多い病型で、中高年の方にも認められることがあります。

 

 2型糖尿病は全体の約9割を占めていますが、この型は家系に強くあらわれる事から遺伝が強く関係しているといわれています。

 

他にも暴飲暴食に起因する肥満、日常の運動不足、ストレス、加齢などの複数要因でインスリン分泌が低下したり、インスリンの働きが低下して発症することがあります。

 

中年以降の発症例の多くは2型糖尿病です。

 

アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるホルモンであり、内臓脂肪が増加すると脂肪細胞からの分泌される量が少なくなります。

 

 
アディポネクチンは内臓脂肪を燃焼させる

 

更に、アディポネクチンはインスリンの働きを促進して糖尿病を防ぎ、高血圧による血管の傷を修復して動脈硬化を防ぐ働きがあります。

 

アディポネクチンが低い人は普通の人の3倍、アディポネクチンの高い人の9倍も糖尿病発生率が高いことが山形大学の研究でわかっています。

 

日本人には、遺伝的にアディポネクチンの分泌量が少ない人が一定割合いるといわれていますが、一方で対処法もあります。

 

日常に運動の習慣を持つことです。走ったり、重いものを持ち上げたりする必要はなく、生活の中でウォーキングを取り入れるだけで効果が出てきます。

 

最近の遺伝子レベルの研究により、大豆タンパク質に、アディポネクチン合成を増やしてくれる効果があることがわかってきました。

 

日本食である「煮豆・納豆・豆腐」などの昔ながらの食事に効果があるということです。

 

 加工した赤身肉などの動物性たんぱく質の継続的な摂取は、死亡率を高めるという研究結果が発表されています。
 
 たんぱく質を摂るなら、動物性たんぱく質よりも大豆製品などの植物性たんぱく質を多く摂取し、動物性たんぱく質は青魚や鶏肉を摂取すると良いようです。
 

アディポネクチンには沢山の特色があります。世界中の研究者が健康維持の効果に大変注目しています。

 

 

アディポネンチンの健康効果

 

@コレステロールの正常化

 

A肥満の予防・改善

 

B動脈硬化の予防

 

C糖尿病の予防・改善

 

D高脂血症の改善

 

Eがん予防し退治

 

F脳卒中の予防

 

G心筋梗塞の予防

 

H高血圧を予防・改善

 

I脂肪肝の予防・改善

 

J老化を遠ざける

 

そして、世界中でも大きな医療問題となりつつある生活習慣病、メタボリックシンドロームの中心的存在としても注目される超善玉物質です。

 

アディポネクチンは、筋肉や肝臓にある酵素の一種『AMPキナーゼ』を活性化させることが分かってきており、この酵素『AMPキナーゼ』が脂肪酸を燃やすことで代謝が進み、糖尿病などが抑えられることが分かってきました。

 

糖尿病や肥満の悪化を防ぐため、脂肪酸を燃やす運動療法が広く行われていますが、この酵素を活性化できれば、高度の肥満や病気で運動が出来ない患者にも、同じ効果が期待できると見られています。

 

 

アディポネクチンでがんや糖尿病を予防

 

アディポネクチンの分泌が増えると生活習慣病を予防できる 

 

アディポネクチンは人の寿命を決める重要因子です。

 

アディポネクチンは体の脂肪組織にある脂肪細胞より分泌されるホルモンです。

 

約45年前に日本をはじめ世界各国で発見され研究が進められました。アディポネクチンには、生活習慣病を予防する働きがあります。

 

@ 糖尿病予防改善(糖を取り込む)

 

A 高脂血症予防改善(脂肪を燃焼する)

 

B 高血圧予防改善(血管の拡張)

 

C 動脈硬化(傷ついた血管を修復する)

 

D 腫瘍細胞に対してアポトーシスを働きかける

 

 

がん細胞にも効果があるアディポネンチン

 

がん細胞にアディポネンチンが結合するとがん細胞を死滅させる一種の抗がん剤の働きがあることが解明されています。

 

マウスに人の胃がん細胞を移植して、アディポネンチンを注射したところ、がん細胞の大きさが10分の1に縮小したと報告されています。

 

特に肥満と関連性が高い、大腸がん、乳がん、腎臓がん、すい臓がんなどはアディポネンチンによる予防効果が期待されています。

 

また、アディポネンチンの数値が低い人は、乳がんや大腸がんの発症率が高いという研究結果も発表されています。

 

アディポネクチンが体内に存在する濃度は、体脂肪率が増加すると反対に減少します。

 

また、男性より女性のほうがアディポネクチン値が高く、年齢により変わることが分かっています。

 

 

長寿の人にはアディポネンチンが多い
 

慶応大学医学部の調査結果によれば、100 歳以上の人と若い女性の血中アディポネクチン値を比較したところ、100 歳以上の人は、若い女性の人より約2 倍アディポネクチン値が高かったのです。

 

アディポネクチンが人の寿命を決める重要因子であることの証しです。

 

「男性はウェスト85cm」、「女性はウェスト78cm」を超えるとアディポネクチン値が平均より低くなります。

 

身長の高い人も低い人も一律にウエストの大きさを決めてしまうのては不合理で、最近では「ウエストが身長の半分以下」という基準が主流です。

 

 

体脂肪率は、男性の場合は一般的な標準値が15-20%です。

 

女性の体脂肪率は20-25%ですが、男性の場合25%以上、女性の場合30%以上になると体内のアディポネクチン値が平均より低くなります。

 

アディポネクチン値が、平均より低くなると、「糖尿病・高脂血症・高血圧・動脈硬化」などの生活習慣病にかかりやすくなります。

 

その例があります。沖縄は、戦後長寿県として不動の1位をしていまたしが、2000年に陥落して26位に落ちてしまいました。

 

 

沖縄にみる肥満の怖さ

 

これを「沖縄クライシス」や「沖縄ショック」と呼んでいますが、なんと65歳以下の約半数が肥満となったのです。

 

体脂肪率が増えたことで糖尿病や高血圧などの生活習慣病が増えて死亡率が増えたのです。

 

沖縄に肥満の人が増えた原因は、アメリカからマクドナルドなどのファストフードが上陸したため、脂肪分の多い食事に代わってしまったためとみられています。

 

本来、沖縄の人はサツマイモを主食にしていました。ご存知のようにサツマイモには豊富な食物繊維やビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています。

 

若い人を中心に食事内容が欧米化へと一変しました。そのうえ沖縄には鉄道が通っていないため、車での移動となり、体を動かす機会も少ないのです。

 

このことが原因となって肥満の人が増えて寿命が短くなったといわれていますが、アディポネクチンの分泌も減少したと考えられます。

 

東京にマクドナルドが初めてオープンしたのは、沖縄に遅れること十数年後です。

 

多くの研究者が沖縄クライシスが「日本クライシス」となるのも時間の問題と危惧しています。


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