亜鉛不足がアルツハイマー型認知症の原因の一つ
米国のアルツハイマー型認知症は現在600万人、2050年には1500万人に増加すると推測されています。
アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬は、開発されているものの、改善する治療法はまだ解明されていません。
カリフォルニア大学神経学のデイル・ブレーデセン教授は、アルツハイマー型認知症は代謝状況によって次の3種類のタイプがあると報告しました。
1.炎症性
炎症性タイプは、C反応性タンパク質(CRP)や血液中のアルブミン/グロブリン比などの炎症マーカーが増加する。
2.非炎症性
非炎症性タイプは、これらの炎症マーカーは増加しないが代謝異常がある。
3.皮質性
比較的若い人で見られ、上記の2つのタイプより脳の皮質が広範に影響を受けている。
初期には記憶障害はなく、計算障害や失語症などを伴うため誤診されやすい傾向がある。
アルツハイマー病に関連する遺伝子を持たない人に多いく、著しい亜鉛不足を特徴とする。
研究グループによると、アルツハイマー型認知症は、一つの原因、一つの病気ではないかもしれないという疑念が長い間あったそうです。
生活習慣を変えて認知症を改善
アルツハイマー型認知症の原因の一つとして代謝異常が解明されつつあり、血糖値に関わる「インスリン抵抗性」や「ホルモン不足」のほか、「高ホモシステイン血症」と呼ばれる血液中のアミノ酸の異常に高い状態が関係しているようです。
ブレーデセン教授は、初期のアルツハイマー型認知症の人を対象に、「ライフスタイル」、「運動」、「食事の変更」などの生活習慣を変え、代謝機能の改善を促して認知機能の改善に導いたと報告しています。
以上の代謝異常によるタイプの分類で、より的確な治療法につながる可能性が期待されています。
「記事参照元」
アルツハイマー病には3タイプ、亜鉛不足も特徴と関連
関連ページ
- 認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)/接し方・対応
- 認知症の人とは、注意したり本人を否定せずに大らかに接することが大切です。認知症には様々な症状がありますので、症状ごとの接し方も知っておきましょう
- 歯周病と糖尿病の認知症リスク研究報告/FAQ
- 生活習慣病は認知症のリスクを高める可能性が指摘されていますが、歯周病や糖尿病が脳内のアミロイドβを増やして認知症を発症、進行させることが分かってます
- 血管性認知症は高血圧や糖尿病などによる脳卒中が原因
- 血管性認知症は生活習慣病によって脳内の血管が損傷を受けて破れたり、梗塞を起こして脳細胞が死滅して認知症の原因とになります。生活習慣の改善が必須です
- 認知症検査「コグニスタット」「MMSE」「ADAS-J cog.」
- 認知症には様々な種類の検査が開発されています。検査には40分程度がかかる検査もあり熟練が必要です。主な検査のご紹介します。
- レビー小体型認知症の症状と治療、介護の注意点
- レビー小体型認知症は診断が難しい認知症です。症状は幻視や妄想が周辺症状として起こります。症状や薬、介護の注意点をご紹介します
- 認知症の予防 しっかり睡眠・運動習慣・乳製品の摂取
- アルツハイマー型認知症の予防には、 十分な睡眠とウォーキングなどの運動習慣、そして乳製品の摂取が効果があります
- アルツハイマー病の原因に暴飲暴食の食習慣や生活習慣
- アルツハイマー病の原因に暴飲暴食の食習慣や生活習慣が影響していることがわかってきました。インスリン分解酵素はアルツハイマー病の原因物質アミロイドβを分解する働きがあります
- 認知症にインスリン投与治療 アメリカの最新研究
- アメリカの最新研究では、脳のエネルギー不足がアルツハイマー病の原因になっていることを突き止めました。インスリン投与により認知症を改善する研究がすすんでいます
- 40歳から認知症予防に効果のある食べ物・運動
- 老人性認知症は40歳ころから脳の老化が始まります。認知症予防に効果のある食べ物・運動のご紹介です
- ココナッツオイルはアルツハイマー病の改善効果
- アルツハイマー病には特効薬は見つかっていませんが、生活習慣を変えることで予防や進行を抑制することができます。ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸にアルツハイマー病の改善効果があります
- 抗コリン作用薬はアルツハイマー病のリスクを高める
- 逆に抗コリン作用薬はアルツハイマー病のリスクを高める可能性があります
- 老人性認知症のips最新研究と予防運動コグニサイズ
- 老人性認知症は認知症のips最新研究で予防法や新薬開発が始まりました。また、タブレット端末で容易に認知症のチェックや危険度がわかるようになります。゜また予防運動にはコグニサイズ
- 高齢者のセックスの習慣は認知症予防に効果
- 生活習慣を変えることで予防や進行を抑制することができます。高齢者のセックスの習慣は認知症の予防に効果があることが分かりました
- 認知症の予防に3D映像 五感を刺激し記憶力に効果
- 認知症の予防に3D映像が効果、五感を刺激すれば記憶力が増すことが解明されています
- 長寿者は慢性炎症が低くテロメアが長い
- 長寿者は慢性炎症が低くテロメアが長いことが判明しました
- 要介護の手前フレイルを予防・改善することが重要です
- 要介護の手前の状態をフレイルといいますが、この状態を改善することが大切です。習慣的な運動やたんぱく質の摂取、オーラルフレイルにならないようにすることも大切です
- アミロイドβを流して排出する良質な睡眠が最も重要
- 脳内のアミロイドβの蓄積を防ぎ流して排泄を促すのは良質な睡眠が一番大切です。適度な運動や緑黄色野菜やアーモンドなどのナッツ類のマインド食も有効です
- 軽度認知障害(MCI)を歩く速さで見極める
- 軽度認知障害(MCI)を歩く速さでみきわめることができます。歩く速さが大切です
- MCI(軽度認知症)は治せる/症状と検査と食物・運動・薬
- MCI(軽度認知症)では歩く速度が遅くなります。食べ物や運動、記憶機能改善トレーニングで健常レベルに回復できることが分かっています。認知症の疑いがあれば「ドネペジル」が処方されます。
- 肉食系は海馬を萎縮させ認知症のリスクを高める研究結果
- 食事を肉食系から野菜系に変えて認知症を予防しましょう
- 缶詰でDHAとEPAを摂取、認知症と動脈硬化を予防
- 缶詰でDHAとEPAを摂取して認知症と動脈硬化を予防しましょう
- カカオポリフェノールはBDNFを増やし認知症改善
- カカオポリフェノールには「BDNF」を増やし認知症改善する作用があることが解明されています
- 記憶は海馬から大脳皮質へ移動し定着/神経新生を活発に
- 記憶は海馬から神経新生を介して大脳皮質へ移動して定着します
- 助けて!きわめびと 池田義博さんの記憶力アップ大作戦
- 「人の名前が覚えられない」、「覚えてもすぐに忘れてしまう」といったことでお悩みではありませんか。覚える事を絵にすることで記憶を定着させることができます。
- 飲み込み力を鍛えるトレーニングと食べ物/40代から誤嚥予防
- 加齢とともに口や喉の筋肉も衰え食べ物や唾液を飲込む力が低下します。40代から意識して飲込み力を高めるトレーニングと飲込む反射を高める食べ物もご紹介します