老人性認知症の予防進行対策


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抗コリン作用薬はアルツハイマー病のリスクを高める

 
米国シアトルの研究グループが発表したところによると、風邪や胃潰瘍、頻尿、抗パーキンソン病などの治療薬に含まれている「抗コリン作用」を持つ薬にアルツハイマー病などの認知症のリスクを高める可能性があるそうです。
 
「抗コリン作用」とは、神経伝達物質のアセチルコリンを阻害する作用の事です。
 
アセチルコリンによる神経伝達の阻害は、副交感神経系の作用を抑えます。
 
交感神経が有利になり、心拍数の増加、唾液分泌が悪化、口渇、認知機能低下などの症状が現れます。
 
実際に「抗コリン作用」を持つ薬を服用すると一時的に記憶力の低下、課題処理能力の低下などの認知障害が起こることが分かっています。
 
薬の服用を止めれば正常に戻ります。
 
米国シアトルの研究では、認知症およびアルツハイマー病の発症と、抗コリン作用の薬の服用を調査したところ、抗コリン作用の薬を長期間にわたって多く使用するほどアルツハイマー病などの認知症のリスクが高くなっていることが分かりました。
 
特に高齢者の場合は、抗コリン作用薬のリスクを認識すべきで、長期間にわたっての服用は最小限にする努力が必要としています。

 

抗コリン作用薬

 
抗コリン作用薬の代表的な薬として「アトロピン」や「スコポラミン」がありますが、薬の名前の一部に「トロピ」がありますので抗コリン作用薬と判断することが出来ます。

 

◎潰瘍治療薬

 
 ・ピレンゼピン

 

◎頻尿治療薬

 

 ・プロピベリン
 ・オキシブチニン

 

◎鎮痙薬

 
 ・プロパンテリン
 ・ブチルスコポラミンン
 ・イプラトロピウム

 

◎抗パーキンソン病薬

 
・トリヘキシフェニジル(商品名:アーテン)


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