認知症の予防 しっかり睡眠・運動習慣・乳製品の摂取
老廃物の「アミロイドベータ(アミロイドβ)」が脳に蓄積するとアルツハイマー型認知症を発症することが分かっています。
突然に認知症になるわけではなく、発症する20年も前から記憶の機能を司っている脳の海馬がだんだんと萎縮していきます。
その結果、最終的にアルツハイマー病を発症します。
20年かけて認知症が少しずつ進行するのです。
例えば、70歳で発症した場合は、50歳ころからその前兆が始まります。
この20年の長い期間があるから予防法を選択する事が可能なのです。
認知症予防にウオーキング運動を習慣化
ある程度の負荷をかけることがポイントです。
最大心拍数の6から7割り程度強さの運動が適切です。
アメリカ合衆国ペンシルベニア州 ピッツバーグ大学の研究で、週に三回、一回に30分から40分程度の少し息が弾む程度の運動を継続すれば、認知症の予防に効果があることが報告されています。
「研究調査では、60歳から80歳の高齢者に一年間、ウォーキングを続けてもらい、運動を継続することで記憶を司る海馬の体積が大きくなったと報告しています。」
認知症の予防には運動の継続が大きな効果があることがわかりました。
継続的な運動が難しい人は、細切れでも良いので歩く機会を増やすことを勧めています。
「歩くスピードが遅い人は認知症リスクが高い」
歩くスピードが遅い人は、認知症を発症する可能性が高い事が分かっています。
カナダのオンタリオ大学の研究では、歩く速さと認知機能の相関性を調べたところ、二年間の調査期間中に歩く速さが遅い人ほど認知症を発症するリスクが高く、認知症を発症すると更にスピードが遅くなったと報告しています。
「歩く速さと認知症の関係と原因」
脳の前頭葉が関係していて、前頭葉が傷ついたり、血流が悪くなると、歩く速度が遅くなることが分かっています。
前頭葉は、記憶や体のバランスをとる機能を司っている場所です。
物忘れが多くなった頃に歩く速度が遅くなった場合、認知症が進んでいる可能性があります。認知症の予備軍と呼ばれています。
歩く速度の目安
歩く速度は一分間に36メートル、時速に変換すると2キロメートルです。
認知症になっても速く歩くことが出来れば歩いた方が良いようです。
オランダのラドバウド大学の睡眠不足と認知症の関係
十分な睡眠をとっているグループよりも、徹夜グループの方が脳に老廃物アミロイドベータが多い事を突き止めました。
脳が活発に働くとアミロイドベータが作り出されますが、睡眠中には外に排出されます。
徹夜グループでは、アミロイドベータが増え続け、アルツハイマー病になる可能性が高まる事が解明されました。一回の徹夜でもアミロイドベータの増加が明確に現れました。
徹夜は記憶の定着にも支障をきたす事が分かっています。
一例として、学生の一夜漬けで試験に臨んだ場合、そのときの試験は出来ても記憶が定着しないため、時間が経てば忘れてしまうという結果が出ています。
睡眠は、細切れでは記憶の支障が現れるため、一定の時間継続して睡眠することが重要です。
乳製品が認知症を予防する効果
福岡県久山町では、60 〜70代の住民約千人を15年間追跡調査した結果、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品が認知症の予防に効果があることが分かりました。
習慣的に乳製品を摂取している人は、認知症が3割も少ないことが分かっています。
更に、高血圧や糖尿病予防を予防し運動を習慣化している人は5割も低減することが分かりました。
医師によると、乳製品に含まれているタンパク質、ビタミンB群、ミネラル、カルシウムが認知症予防に効果があるとしています。
牛乳であれば一日コップ一杯、ヨーグルトでは一皿程度で効果があるようです。
また、乳製品と和食を中心とした食事が効果を上げています。
お米のご飯を少なめにして、魚や海藻、野菜、玉子ダイズ、バランス良い食事を心がけましょう。
認知症予防のポイント
★十分な睡眠をとる
★ウォーキングなどの運動を習慣化
★乳製品と和食中心の食事
★糖尿病や高血圧などの生活習慣病を予防する
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