老人性認知症の予防進行対策


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40歳から認知症予防に効果のある食べ物・運動

 

40歳から認知症予防 

 

加齢による脳の機能低下は個人差はありますが40歳頃から始まり60歳頃から症状が現れます。
 
認知症の研究は世界的に行われていますが進行を完全に止める薬は見つかっていません。
 
遅くとも40歳代からの減塩による高血圧予防が大切です。高血圧の人は正常血圧の人に比べて認知症にかかるリスクが2から3倍も高いいわれています。
 
高血圧を予防することで認知症の危険性を格段に下げられることがわかっています。
 
高血圧は血管事故の原因になります。脳で起こる血管事故は脳卒中ですが、脳卒中を起こすと認知症を起こすリスクが大幅に高まります。
 
また、イワシやサンマなどの青魚に含まれているオメガ3系脂肪酸に分類される必須脂肪酸の一系統である「DHA」や「EPA」が認知症の予防と進行を抑制する効果があるとして注目されています。
 
脳の機能低下の入り口である40歳位から肉を中心とした欧米食を野菜や魚、大豆製品などに改善しましょう。
 
認知症の原因には大きく2つのタイプがあり、その1つが脳血管の障害により充分な栄養や酸素が供給されずに起こる「血管性認知症」です。
 
もう1つが脳の神経細胞が死滅して減少することで起こる認知症で、これは「アルツハイマー型認知症」として広く知られています。
 
日本人の多くがこのアルツハイマー型認知症ですが以前から欧米でも研究されていますが、まだ有効な治療薬はまだ見つかっておりません。

   

認知症予防のための生活習慣

 

認知症予防の前提となるのが脳を健康に保つことが大切です。
 
このためには良質な睡眠とバランスの取れた食生活、またストレスをためない生活習慣が重要とされています。
 
認知症予防は運動と食事が有効であることが実証されています。

 

認知症の運動効果は高い

 
運動することで、皮膚や血管、臓器など、体を若々しく保つ若返りホルモンの分泌が高まることが解明されています。
 
若返りホルモンの一つである成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されることが知られていますが、ウオーキングなどの下半身の運動をすることで成長ホルモンの分泌が高まります。
 
また、長寿の人には多く分泌されているといわれる「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)」は、副腎皮質から分泌される若返りホルモンで一部が男性ホルモンのテストステロンと女性ホルモンのエストロゲンに変化します。
 
このDHEAには記憶力を高めて、アルツハイマー型認知症を予防して免疫力を高め、骨量を増やして骨粗しょう症、性的な欲求を高める働きがあることが解明されています。
 
これらのホルモンは運動することで簡単に分泌量を増やすことが可能です。
 
また、毎日ウオーキングなどの軽い運動を生活に取り入れることで認知症の原因になるβアミロイドタンパク質を分解する酵素が分泌されることが解明されています。
 
運動は血行が改善されるため脳内血流が促進されます。また記憶を司っている海馬の細胞を増加させるので認知症の予防に有効です。
 
ウオーキングのコースを変えるなどの工夫をして脳へ刺激を与えましょう。
 
高血圧や肥満等も認知症の要因になりますので、認知症の運動効果は高いと言えます。
 

 

認知症予防のための食生活

 
認知症予防のための食生活 
 
イギリスでは、政府が主導した高血圧対策として大がかりな減塩政策を行い、心臓病や脳卒中の死亡率の大幅な減少に加えて認知症の有病率を大きく下げることに成功しています。
 
塩分の過剰摂取が高血圧をまねき、高血圧が原因で脳卒中が増加し、脳卒中が原因で脳への血液が滞って認知症を起こします。塩分の摂取量を少なくすることがとても重要です。
 
九州大学が15年間にわたって行われた調査研究で、食生活の傾向と認知症と発生率に深い関係があることがわかっています。
 
野菜や海藻、魚介類、大豆製品、乳製品を継続して食べている人は、あまり食べない人と比較すると30%以上も認知症の発生率が低いことが判明しています。
 
◎野菜や海藻類
 緑黄色野菜やナス、トマト、ワカメ、昆布、メカブ、モズクなど。
 
◎飲料
 緑茶、紅茶、ブラックコーヒーなど。
 
◎植物油
 オリーブオイル、エゴマ油、アマニ油など。
 
◎大豆製品
 納豆、豆腐、豆類
 
◎魚介類
 アジ、サンマ、イワシなどの青魚

 

認知症予防の食生活では、アルコールや糖質や脂っこいものを控えて、薄味にすることが有効です。
 
長期間にわたるお酒の多飲習慣がある方は脳の知的や判断を司る前頭葉を中心に、頭頂葉や小脳、間脳などを侵して認知症のリスクを高めます。
 
お酒は適量であれば血行を改善して認知症の予防効果を期待することが出来ます。厚生労働省の健康日本21では、お酒適量とは日本酒では1合程度、ビールでは500cc程度とされています。お酒はほどほどにしましょう。
 
最近では、認知症予防に抗酸化物質が注目されています。

 

脂質の仲間に不飽和脂肪酸がありますが、特に青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸(n−3系脂肪酸)のDHA・EPAが認知症の予防効があることが分かっており、魚の摂取量が多いとアルツハイマー認知症の予防効果があると報告されています。
 
オメガ3系脂肪酸(n−3系脂肪酸)は、多価不飽和脂肪酸の一種で認知症予防に効果があります。
 
α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン(DPA)酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがあります。

 

EPA、DHAが豊富に含まれる青魚を食べましょう

 
EPA、DHAが豊富に含まれる青魚 
 
100g中に含まれる量(mg)

 魚名

EPA  

 DHA

合計

マグロトロ    

1288

2877

4165

養殖ハマチ    

1545

1728

3273

サバ    

1214

1781

2995

養殖マダイ    

1085

1830

2915

ブリ   

899

1785

2684

イワシ    

1381

1136

2517

サンマ     

844

1398

2242

ウナギ    

742

1332

2074

ハモ     

509

1508

2017

タカベ    

612

1305

1917

ニシン    

989

862

1851

サワラ    

480

1189

1669

イボダイ    

371

1018

1389

サケ    

492

820

1312

アジ    

408

748

1156

ニジマス    

238

845

1083

日本食品脂溶性成分表(科学技術庁資源調査会編)より


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