知って得する車の知恵袋

やさしく、分かりやすい「残価設定ローン」

 

残価設定ローンの特徴 

 

自動車のローンの種類に残価設定ローンがあります。
 
残価設定ローンとは、ローンの返済期間を決める際にローンの支払い期間終了後の車の残価を設定し、その分はローンに含めないため毎月の返済額と金利を低く抑えることができるタイプのローンです。
 
最初に設定した残価を評価額が下回ったときは、差額が発生する場合もあります。
 
残価設定ローンは、一般に残価据え置きローン、残価設定クレジット、残クレなどと呼ばれています。
 
残価設定ローンのメリットやデメリットなどをご紹介します。

 

「目 次」

 

 1. 残価設定ローンの特徴

 

 2. 残価設定ローンのメリット

 

   2-1. 毎月の支払いが少ない

 

   2-2. 金利が低い

 

 3. 残価設定ローンのデメリット

 

   3-1. 金利負担は結果的に大きくなるケースも

 

   3-2. 契約が満了する3年後又は5年後に下記の判断を迫られる

 

     3-2-1. @新車への代替え

 

     3-2-2. A現金一括返済又は再ローン

 

     3-2-3. B車両の返却

 

 4. 残価設定ローンの注意点

 

 5. オープンエンド方式とは

 

   5-1. 残価設定ローンは車両保険の加入すること

 

 6. メンテナンスパックが付与されるローンも

 

 7. 欧米型の借り換えローンも普及

 

 8. 任意保険一体型ローンも

 

 

残価設定ローンの特徴

 

新車を購入する時に、多くの人が現金で一括支払いにするか、それともローンを利用するか選択に迷うようです。
 
昔は、原因一括支払いが圧倒的に多かったのですが、残価設定ローンの普及が進み、利用率がかなり高くなっています。
 
「残価設定ローン」は新車を購入する際のローンの種類の一つですが、「残価設定クレジット」、「残価設定プラン」、「残クレ」などとも呼ばれています。
 
残価設定ローンは90年代後半から輸入車に採用された経緯があり、その当時は「リース型ローン」と呼ばれていました。
 
契約期間満了の3年後又は5年後の車の残価(残存価値)を設定し、新車の購入総額からその残存価値を引いた残りの金額に対してローンを組む方法です。
 
残価設定ローンの大きな特徴は車の所有権は自分ではなくディーラーであり、リース契約と同様で借り物となります。
 
残価設定ローンでは月々の支払いは少なくなりますが、契約の満了時に「車の返却」、「新車への代替え」、「再ローン又は現金で清算して乗り続ける」の3つから選択をしなければなりません。

 

 

 

残価設定ローンのメリット

 

1.毎月の支払いが少ない

 
車両価格から残価が引かれているので月々の支払い額が少なくなります。
 

2.金利が低い

 
ディーラーが指定する残価設定ローンでは従来のローンよりも金利が低くなる事があります。
 
本来、残価設定ローンは顧客の囲い込みのために設定されたローンで継続的に自社ブランドの車を購入してもらうために金利を低く設定しています。
 
契約期間の支払いが終了し残価に対してローンを組む場合も同率の低い金利が据え置かれるケースが多いようです。
 
下表の「残価設定ローン」と「通常ローン」の比較は、三菱自動車のウエブサイトに掲載されている比較シミュレーションです。
 
元金430万円でのローンの比較をしています。
 
車種:「三菱アウトランダーPHEV Gプレミアムパッケージ」
総額:4,869,214円
頭金:  569,214円
元金:4,3000,00円
 

ローンの種類

残価設定ローン

通常ローン

金利

2.90%

6.80%

初回支払額

48,286円

82,851円

月額支払い

50,100円×48回

81,700円×49回

ボーナス支払い

100,000円×10回

100,000円×10回

最終回支払い額

1,257,000円

0

残価率

約27%

ローン手数料

410,086円

786,151円

支払総額

5,279,300円

5,655,365円

 

 

残価設定ローンのデメリット

 

1.金利負担は結果的に大きくなるケースも

 

従来のローンと金利が同率もしくは余り差がない場合は金利の支払いが大きくなります。
 
残価設定した金額も借り入れ残高に含まれるため毎月の返済額が少ない残価設定ローンでは金利負担が大きくなります。
 
残価設定ローンでは通常のローンよりも金利が低く設定される場合もあり、ディーラーによって借り入れ条件が異なります。
 
高い金利を提示されたら交渉によって低くできる余地があります。

 

2.契約が満了する3年後又は5年後に下記の判断を迫られる

 

@新車への代替え

 

「残価と査定が同額の場合」
 
基本的には契約の当初にディーラーが設定した残価と車の価格が同額と査定されれば「車をディーラーに返却して契約満了」になります。
 
あらたに車を購入する場合はローンを組むか一括で購入するかを選択します。
 
審査はありますが再度、残価設定ローンを組むことも可能です。
 
 
「残価が不足した場合」
 
残価設定ローンには契約時に車に条件がつけられています。
 
その条件と異なる場合には追加の支払い義務が発生します。
 
その条件とは次の項目です。
 
▼走行距離制限
 
ご存じのように車の価格は走行距離に左右されます。
 
よって残価が設定される際に走行距離の上限が設定されています。
 
ディーラーごとに異なりますが、おおむね3年で上限が3万6千km、5年で上限が6kmくらいです。
 
月に換算すると約1000km〜1300kmです。
 
設定された距離をオーバーした分は違約金として1km当たり5〜15円の支払い義務が生じる場合があります。 
 
▼車体の損傷
 
契約期間中に車に傷やへこみ、車内の汚れや臭いなどの許容範囲が決められており、範囲内に収まれば、例え中古車相場が暴落しても設定した残価は保証されます。
 
しかし、許容範囲を超えると追加支払いが必要です。
 
また、車を改造した場合は元の状態に戻して返却しなければなりません。
 
大きな事故では返却が出来なくなり大きな負担を強いられることもあります。
 
このようなリスクを軽減するため、殆どのディーラーは契約時に車両保険への加入を条件にしています。
 
この様に残価設定ローンでは、走行距離制限を超えたり、車体や車内に損傷や汚れなどがあれば追加の支払いが発生する可能性があります。
 
ただし、日本の残価設定ローンの大部分は「クローズドエンド方式」を採用しており、ディーラーは顧客との長いお付き合いを大切にしたいため当初設定した残価で収まるように努力する傾向があります。

 

A現金一括返済又は再ローン

 
契約満了時に車に乗り続けたい場合は、契約当初に設定した残価の金額を一括で支払うか、分割で支払うかのいずれかの選択を迫られます。
 
もし、分割を希望する場合は審査を受ける必要があります。
 
残価設定ローンの金利が相当に低い場合はメリットも考えられますが、さもなければ金利の分が従来のローンよりも支払いが大きくなる可能性があります。
 

B車両の返却

 
車を返却して契約終了です。走行距離上限の範囲内に収まり、車体の損傷も範囲内であれば追加の支払いもなく車を返却して契約満了となります。

 

 

 

残価設定ローンの注意点

 

残価設定ローンの注意点 

 

契約期間中の途中で車を買い取りなどで処分しようとしても、月々の支払いが少ないため買い取り額で残高を整理することができない可能性があります。
 
残価設定ローンの契約時に設定された残価維持のための利用規定を詳細に理解しておく必要があります。
 
日本の残価設定ローンの大部分は「クローズドエンド方式」を採用しており、中古車の相場に変動があっても影響されず残価を保証されるタイプです。
 
ディーラーもお客様を継続して確保したいため、大きな修理などがなければ追加の支払いを求めることはありません。
 
従来のローンと比較すると残価設定ローンはディーラー設定によっては金利が大幅に低くなるケースもあります。
 
どちらを利用するか選択するときは実際に契約期間の利息の支払い額を計算し、将来的なことも勘案してどちらが得かを総合的に比較検討する事をおすすめします。
 
具体的には月々の支払いやボーナス併用などの年間の支払額と期間などを総合的に検討しましょう。
 
あくまでも「残価」は未返済分の借金に充てられるだけです。
 
また、次の項目で取り上げているように、運転状況によっては残価よりも小さな金額でしか査定されずに追加の支出が求められる場合もあります。
 
主に米国で採用されている「オープンエンド方式」では車の市場価値が上昇し当初に設定した残価を上回る査定が出た場合は、その差額は現金で払い戻しをされるか、次の車の購入に充当されます。
 
逆に残価を下回る査定の場合には追加の支払いが発生します。

 

 

 

オープンエンド方式とは

 

オープンエンド方式は主に輸入車に対して行われているローンの方式です。
 

この方式では残価設定ローンの最終支払い時点に現在の車の市場価値を加味して再査定して最終的に決済します。
 
車の市場価値が高ければ残価との差額がキャッシュバックされ次の車の購入の際には頭金に充当することも可能です。
 
しかし、市場価値を下回った時は追加の支払いが発生します。
 
メルセデス・ベンツなどの人気のブランドや車種は中古車市場でも根強い人気があるためオープンエンド方式を利用する人が多いようです。

 

残価設定ローンは車両保険の加入すること

 

特に残価設定ローンで車を購入する際は車両保険に入っておくことをおすすめします。
 
ローンの期間中に全損事故を起こした場合、残りの債務を一括で支払って帳消しにしない限りは、廃車手続きをすることが出来ません。
 
こうなるとナンバープレートだけが残って、ローンや税金の支払いを続けるのはかなりキツイものです。
 
車両保険に加入していれば保険金で残債の整理をすることができます。
 
車両保険に加入してなかったために廃車手続きができずにローンだけを払い続けている人もいます。

 

メンテナンスパックが付与されるローンも

 

メンテナンスパックが付与されるローン 

 

自動車メーカー各社系のファイナンス会社の残価設定ローンには、契約満了時に車の品質を保つために、メンテナンスパックを付与しているものがあります。
 
契約中に車両の整備や管理を充実することで高品質を保ちディーラーが引き取るためです。
 
残価設定ローンには各社様々な条件が用意されています。
 
例えば禁煙車ではキャッシュバックされる条件もありますので、残価設定ローンを利用する場合は各メーカー系のディーラーに確認してみましょう。

 

 

欧米型の借り換えローンも普及

 

ローン期間中に他の新車に代替え(乗り換え)をしたくなった場合に、現在の車を下取りに出して残債を整理して購入するケースはありましたが、最近では相殺出来なかった残りの残債を新たな車のローンに組み入れて購入するケースも見られます。
 
こうしたローンは欧米では一般に普及していることから日本でも広がる可能性があります。
 
しかし、このような代替えを繰り返すと残債が膨らんで返済が滞り最終的に自己破産に陥った人もいます。
 
結局、現在の車の市場価値を大幅に上回る残債を背負うことで身動きが取れなくなりますので注意が必要です。

 

任意保険一体型ローンも

 

車のローンと任意保険を組み合わせた新たなローンです。
 
任意保険が付加された任意保険一体型ローンに契約すると、本来は毎年更新する必要がある任意保険を複数年にわたり毎月定額の保険料を支払うタイプのローンです。
 
任意保険一体型ローンは、期間中に保険を使わなかったときは3年後からは割引の保険料が適用されます。
 
また、任意保険を使っても契約期間中は保険料が上がりすることがないのが大きな特徴は特徴です。
 
任意保険を使うと次の契約時に保険料が上がるため少々の損傷では保険の適用を断念するケースが多々あります。
 
任意保険一体型ローンでは、この様なリスクを心配をすることなく保険を使うことができます。
 

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