トヨタの燃料電池車FCV「ミライ」軽量化と量産化に成功
世界初の量産となる究極のエコカーであるトヨタの燃料電池車FCV「MIRAI(ミライ)」、市販までに22年間の歳月を要する程、困難な研究開発でした。
燃料電池車(FCV)は、ドイツのダイムラー、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)、フォードなど世界最大規模の自動車メーカーが2010年までに市販するという目標を掲げて研究開発をしたにもかかわらず、まだ実現していません。
今回、トヨタが市販すると発表された事は世界の自動業界に衝撃を与えました。
燃料電池車(FCV)は、タンクに積んだ水素と空気中の酸素を化学反応させることで発電する装置です。
走行時に排ガスは出さず、代わりに水を排出します。
水素は地球上にほぼ無限に存在しますのでエネルギーが無くなる心配もありません。
燃料電池車(FCV)が、夢の未来カーと呼ばれる所以で世界の巨大な自動車会社がしのぎを削ってきたわけです。
研究開発の高いハードルになったのが、「排出される水の凍結」、「水素タンクの強度」、「燃料電池量産化による価格」でした。
「排出される水が凍結する」
最大の障害となったのが、水の凍結です。寒冷地では、燃料電池車(FCV)の走行時に水素と酸素が化学反応して排出される水が凍結し酸素の吸入を邪魔するため車が動かなくなる可能性がありました。
あらゆる気象条件で、安定して走行しなれば燃料電池車(FCV)は普及しません。
トヨタ研究員は、試行錯誤の末に水素と酸素の化学反応を減らすと熱が発生することを突き止め、車の始動直後にこの熱を発生させることで、凍結を防ぐという逆転の発想により解決しました。
「水素タンクの強度と軽量化」
水素を入れる水素タンクの開発も大きな課題となりました。
水素を圧縮して高圧で入れるタンク、車の事故などで水素が漏れれば大事故に繋がるため頑丈さと軽量化の追求がされました。
航空機に使用されているカーボンファイバーをタンクに巻きつけることで強度と軽量化を解決しました。
コスト面と強度、軽量化のすべてをクリアーしました。
「燃料電池量産化によるコストダウン」
アメリカのゼネラル・モーターズは、約50年前の1960年代に燃料電池車(FCV)の開発を始めていました。その後ドイツのダイムラー・ベンツやアメリカのフォード、トヨタやホンダも参入しました。
そして、2000年に入った頃、数千万円から億円単位の価格が言われていました。しかし、トヨタは研究を重ね燃料電池量産化に成功し、価格を約723万円まで落とすことに成功しました。
「燃料電池量の小型化」
1990年代に燃料電池車(FCV)の研究開発を始めたドイツのメルセデス・ベンツでは、最初の試作車ではミニバンの荷室全体が燃料電池装置の車でした。
その後開発を進めて乗用車に搭載できるサイズに小型化した時にはフォードやゼネラル・モーターズを慌てさせました。
一時は、ホンダがコストダウンと性能の両面でリードしていると言われていましたが、トヨタが全長4890×全幅1815×全高1535ミリメートルのコンパクトなボディサイズのミライに燃料電池システムを収納したことは、世界に衝撃をもって伝えられました。
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