キシリトールの虫歯予防効果
■キシリトールの虫歯予防の機能とは
キシリトールは糖アルコールの一種でカロリーゼロのエリスリトールなどと同じ糖アルコールの仲間です。
キシリトールは、ガムに使用されていることで広く知られる様になりました。
参考までにエリスリトールは、糖アルコールの中でも唯一、糖代謝が起こらないので他の糖アルコールと比べ下痢などの副作用が少ない特色があります。
キシリトールは、抗う蝕性があり虫歯を予防する機能がありますが、他の糖アルコールでも同じ抗う蝕性があります。
口中がPH5.5以下の酸性になると虫歯の活動が活発になります。
1996年8月、米国のFDA(食品医薬品局)は、食品に虫歯を起こさないと表示できる基準値を歯垢のPHを5.7より低下させないこととしました。
歯垢のPH値が低くなると虫歯なになりやすくなります。
有酸素環境の試験では、キシリトールは酸産生がゼロで、他の糖アルコールであるソルビトールやマルチトールは、対砂糖比で約2割の酸産生があることから、特にキシリトールが虫歯予防に優れた糖であるように云われています。
しかし、無酸素環境ではマルチトースやソルビトールも酸産生がゼロの糖であると定められています。
因みに1985年にアメリカのサンアントニオで開かれた会議では、口中の歯垢では無酸素環境であるため、ソルビトールやマルチトールもキシリトールと同様の抗う蝕性があると結論付けられました。
■キシリトールに砂糖が含まていれば虫歯予防効果はなし
ただ、ガムの場合キシリトールがほぼ100%近く含まれていなければ、虫歯予防の効果は期待出来ないようです。
市販のキシリトール入りのガムは、キシリトールの含有量が約30%から70%の範囲なので、効果は余り期待出来ないことになります。
何故なら、逆算すれば砂糖が約70%から30%占められていることになるからです。
虫歯を予防するには、キシリトール入りのガムを噛み続けるよりも、口の中の酸性度が強くなる低PHの環境にしない様に間食を控える事が一番重要だと云えます。
■ここがキシリトールのポイント
キシリトールが、虫歯の原因となるミュータンス・レンサ球菌の数を減らすと云われている機能は鵜呑みにできない。
キシリトールはむし歯で出来た穴を再石灰化することにより修復を促すと云われている機能は信用すべきではない。
就寝前に歯磨きの代わりにキシリトール入りのガムを噛むことは、砂糖を食べて寝ることに等しく危険である。
ペットのイヌに長期間かつ多量にキシリトール入りのお菓子を与えたると多量のインスリンを放出し肝機能に影響がでるなど場合によっては生命に危険が及ぶとの報告もある。
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