血糖値上昇ゼロ、カロリーゼロ
■カロリーゼロ、血糖値上昇ゼロのエリスリトール
糖質は、糖類と糖アルコールに分類されますが、糖アルコールは、自然の素材が原料で合成甘味料ではありません。
主な糖アルコールには、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどがあります。
小腸で吸収されにくいので、低カロリーの甘味料として活用されています。
また、中には非う蝕性を有し、歯みがき粉やガムなどに使用されています。
糖アルコールを使用したこれらの食品は安全性が高い事でも知られています。
糖アルコールの中でも唯一、血糖値を上昇させない糖がエリスリトールです。
別名エリトリトールとも呼ばれています。
糖類の分子に水素を加えることでアルコール基(-OH)をもつ糖質が生成されて「糖アルコール」となります。
果物だと葡萄や梨、醗酵食品の醤油、味噌、日本酒に多く含まれています。
■世界保健機関(WHO)などがエリスリトールの安全性を公表
世界保健機関(WHO)などの複数の公的機関が、エリスリトールは安全性が高く、妊娠中に摂取しても問題ないとして公表しています。
糖アルコールには、様々な生理活性機能がありますが、エリスリトールの特筆すべき点は血糖値を全く上昇させない機能です。
他の糖アルコールでは、一概には云えませんが、砂糖の1/2から1/3程度、血糖値を上げる作用があるようです。
■9割が吸収されても代謝されずに排尿されるエリスリトール
エリスリトールの体内でのメカニズムは、実に9割以上が体内に吸収されます。
しかし、代謝されずにそのまま排尿されるので、血糖値を上昇させる作用はありません。
通常の糖は血中に入り、ブドウ糖に代謝され、血糖値を上げる作用に働きますが、エリスリトールは、糖への代謝がゼロということです。
また、カロリーもゼロで厚生労働省からも食品添加物に指定され、食品業界からは注目を浴びています。
■エリスリトールは糖質制限食として商品化されています
糖アルコールの特徴は、難消化性で体内に吸収されにくいため、大腸まで達します。
多量の摂取は下痢の原因になりますが、9割も体内に吸収されるエリスリトールは下痢を起こしにくい特徴もあります。
甘味料の商品として、サラヤの「ラカントS」と味の素の「パルスイートカロリーゼロ」が販売されていまが、 どちらの商品も、主成分はエリスリトールでカロリーゼロ、血糖値上昇もゼロです。糖質制限食として活用されています。
関連ページ
- 「終末糖化産物」AGE|AGEを蓄積しない生活習慣
- 血中の糖が多すぎる状態が続くと糖が血管壁よりしみだしてタンパク質と結合しシミやしわの骨粗しょう症の原因になります
- 体に不可欠なブドウ糖|太りにくい食べ物GI値と食べ方
- 体に不可欠なブドウ糖、食品の食べ方や食べる食品により、血糖値が変わります
- 微糖・低糖・無糖・ノンシュガー・シュガーレス|食品表示の基準とは
- 食品に表示される「無糖」「微糖」「低糖」など多彩ですが、食品に含まれる糖の量をどのように把握したら良いのでしょうか
- アラビノースのブドウ糖の吸収抑制機能|血糖値と脂肪の蓄積を抑制
- アラビノースは特定保健用食品に認定され、糖の吸収を抑制する作用があり血糖値が気になる方に適している食品といえます
- 炭水化物(糖質)の分類と特徴|糖質の結合数により性質が変化
- 炭水化物は、糖質とも云われ、糖質が結合する数により名称や性質が異なります
- マンノースはマクロファージを活性化|侵入した細菌の捕食を促す
- マンノースは、免疫機能のバランスを整えて、マクロファージを活性化して体内に侵入した細菌を捕食する
- リボースはポパイのほうれん草の役割|エネルギー産生と疲労回復
- リボースはATPのエネルギーの産生を促し、即効性があります。また疲労回復にも効果があります
- ソルビトールの安全性はWHOとFAOの共同検査機関がお墨付き
- ソルビトールはWHOとFAOの共同検査機関がらの極めて高い安全性があると公表されている
- キシリトールは虫歯予防に効果があるの?
- キシリトールを含むガムは虫歯の予防になるのでしょうか、口中が酸性になると虫歯菌が活発になります
- キシロースは食品を褐色に、香りを高める|血糖値を抑制する作用も
- キシロースは食品に褐色と香りを高めるために広く使用されている食品添加物です