健康診断 痛風検査 尿酸(UA)
尿酸(UA:uric acid)
尿酸 基準値 「3.1〜7.0mg/dl」
(日本人間ドック学会の基準値)
尿酸値は痛風の危険性が分かるだけではなく、血管の動脈硬化などのさまざまな生活習慣病の危険因子とされています。
健康診断では空腹時の血液検査を行っていますが、尿酸値は食後に採血してもそれほど上昇しない特徴があります。
血液中の尿酸の濃度を調べる検査で正式には「血清尿酸値」といい、血清1dl中に何mgの尿酸が含まれているかを調べます。
尿酸は、核酸の構成素の一つでるプリン体の最終代謝産物(老廃物)でエネルギーの燃えかすでもあります。
すべての生命活動で産生される物質で、産生された尿酸は腎臓から尿へと排泄されるため血中の尿酸の濃度は一定に保たれています。
しかし、体内で産生量が増加したり、尿からの排泄量が減少することで血液中の尿酸が増加して尿酸値が高くなります。
このように尿酸は、本来は腎臓を経由して、尿中に排泄されるべき物質です。尿酸が血液中で7.0mg/dlを超える濃度になると、過飽和状態になって針状の尿酸ナトリウム結晶になります。
この結晶が、足の親指の付け根や膝関節に沈殿して、痛風関節炎である痛風発作を起こします。
痛風発作は、約1週間で治まりますが、尿酸値が高いまま放置すると、腎尿細管に徐々に沈着して腎障害や尿管に流れて結石をつくる場合もあります。
最近では尿酸値の高さが動脈硬化の進みやすさを示す指標と考えられています。
尿酸はプリン体が分解された老廃物で、以前はプリン体の摂取制限が食事療法の中心になっていました。
しかし、プリン体の過剰摂取が尿酸値を上げる一因ではあるものの、体内で産生される尿酸の方が多く、最近では食事の量が多いとプリン体の量も増えて尿酸も増えることが分かってきました。
血清尿酸濃度は、食事量の多さ、肉、レバー、魚などの動物性たんぱく質の過剰摂取、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などの細胞崩壊、及び腎機能低下による排泄障害によって上昇します。
尿酸は、尿素窒素、クレアチニンと並んで腎機能検査の一つでもあります。
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