健康診断 肝機能検査 血清総たんぱく
血清総たんぱく (TP:Total serum Protein)
血清総たんぱくの基準値「6.5〜8.0g/dl」
(日本人間ドック学会の基準値)
血清総たんぱくとは、血清中に含まれているたんぱくの総称です。
血清中には、100種以上のたんぱくが含まれており、主なたんぱくが、アルブミン、ついで抗体活性をもつγ-グロブリン、リポたんぱく、糖たんぱく、血液凝固因子、補体、各種酵素、ホルモンなどの微量活性成分です。
たんぱくの殆どは肝臓で合成され、人の健康を維持するためにさまざまな働きをしています。肝臓機能に問題が生じると数値が低くなります。肝臓疾患によるたんぱく合成能力の低下や消化吸収障害などが考えられます。
血清総たんぱくの変動は、アルブミンとγ-グロブリンに起因します。
血清総たんぱくは、栄養状態の悪化や肝疾患で低下します。ネフレーゼ症候群などの腎臓の疾患でも、尿の中にたんぱく質が流れ出てしまうために低下します。
自己免疫疾患や感染症、多発性骨髄腫などでは、γ-グロブリンが上昇します。
ただし、重症の感染症やがん、甲状腺機能障害などでは、血液中のたんぱく質が大量に消費されるため、血清総たんぱくが低下します。腎臓病で尿から多量のたんぱくが出ている場合でも数値が低くなります。
アルブミンは、肝臓で合成されるので、肝炎や肝硬変などの肝機能障害や低栄養によって、血清アルブミンの濃度が低下します。
逆に数値が高い場合は、膠原病や多発性骨髄腫などが疑われます。多くの場合、グロブリン中の免疫グロブリンが高いことによります。
特に高齢者は、たんぱく質エネルギー低栄養状態の判定にAlb3.5g/dl未満が使われています。
健常者でも、偏った食事をしていると栄養摂取不足から、低たんぱく状態になることがあります。
「言葉解説:血清」
血液は、血球と血漿から構成されていますが、採血した血液を、約6時間放置したものを、遠心分離機にかけると、赤血球や少量の白血球、フィブリンなどの成分は有形成分は凝固して血餅になり、液体成分は黄色の上澄みになって分離されますが、この液体成分が血清です
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