健康診断 脂質検査 「HDLコレステロール」
HDLコレステロール(high-density lipoprotein cholesterol)
HDLコレステロールの基準値 「40〜119mg/dl」
(日本人間ドック学会の基準値)
HDLコレステロール中に含まれている脂肪は少なく、中性脂肪が4〜4.5%、コレステロールが15〜20%、リン脂質が20〜30%で、たんぱく質が40〜55%と多いため比重が高くなります。総コレステロールは、約25%含まれています。
HDLコレステロールが基準値より高い健康リスク
HDLコレステロールは、血中の余ったコレステロールを肝臓まで運ぶ働きをしています。
動脈硬化を防ぐ働きをしている考えられ、「善玉コレステロール」と呼ばれる所以です。
しかし、HDLコレステロールが高すぎる場合、高HDL血症や胆汁性肝硬変などを起こすことがあり、また遺伝的にHDLが高い方は、冠動脈疾患になりやすいといわれています。
HDLコレステロールが基準値より低い健康リスク
HDLコレステロールは比較的コレステロールの低い性質があり、血管内壁に付着した余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きがあります。
お酒を多く飲む習慣がある方はHDLコレステロールの働きが低下し、喫煙はHDLコレステロールの血中濃度が低くなります。
運動することで、HDLコレステロールが上昇することが解明されています。
LDLコレステロールがされほど高くなくても、HDLコレステロール値が低いと、動脈硬化が進んで狭心症や心筋梗塞を引き起こしやすいことがわかっています。また、急性・慢性肝炎、慢性膵炎などの疾患のリスクが高くなります。
LH比で血管の状態を知る
LH比とは、「LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値」で算出される値の事で、血管の状態を知る目安になります。
LH比が「1.5以下」の場合 ⇒ 良好な状態
LH比が「2.0以上」の場合 ⇒ 動脈硬化が疑われる
LH比が「2.5以上」の場合 ⇒ 血栓の可能性と心筋梗塞のリスクかある
LDLコレステロールとHDLコレステロールの数値が、両方共に基準範囲であっても、LH比が高ければ、動脈硬化や血栓がつくられている可能性がありますので、LH比に注意する必要があります。
動脈硬化指数(arteriosclerotic index)で血管の状態を知る
動脈硬化指数(AI) = (総コレステロール − HDL-C) ÷ HDL-C
動脈硬化指数(AI)の値が3.0未満 ⇒ 正常
動脈硬化指数(AI)の値が3.0以上5.0未満 ⇒ 動脈硬化リスクが高く要注意
動脈硬化指数(AI)の値が5.0以上 ⇒ 動脈硬化のリスクが非常に高く危険
関連ページ
- 健康診断 脂質検査 「中性脂肪」
- 中性脂肪の数値が、150mg/dl以上は、「高トリグリセライド血症」と評価されて、メタボリックシンドロームの診断基準にも加えられています。脂質検査「中性脂肪」の検査数値をご紹介
- 健康診断 脂質検査 「LDLコレステロール」
- LDLコレステロールは、カイロミクロンや超低比重リポタンパク (VLDL)がリポたんぱくリパーゼ及び肝性トリアシルグリセロールリパーゼの作用を受けることで、生成されます。LDLコレステロールは、動脈硬化を促進させる作用があることが知られています。脂質検査 「LDLコレステロール」のご紹介です
- 健康診断 脂質検査 「総コレステロール」
- 血清コレステロール(血液中のコレステロールの濃度のこと)が、増加すると動脈硬化を引き起こし、更に冠状動脈硬化に起因する狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の重大なリスク要因になります。脂質検査 「総コレステロール」のご紹介です
- 健康診断 糖尿病 「尿糖」
- 血糖値に異常がある場合、近位尿細管にはブドウ糖の再吸収能力に限界があり、再吸収されずに残った糖が、尿中に排泄されて、尿糖が陽性になります。健康診断 糖尿病「尿糖」のご紹介です
- 健康診断 糖尿病 「空腹時血糖値(FBS)」
- 空腹時血糖値はわが国では正常値との境界を110mg/dLとしていますがアメリカでは糖尿病の発症が有意に高いとして100mg/dLに設定しています。糖尿病 「空腹時血糖値(FBS)」のご紹介です
- 健康診断 糖尿病 「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」
- ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、血中の血糖濃度に敏感に反応して、ブドウ糖と非酵素的に結合する特性をもっています。この特性から「糖化ヘモグロビン」ともよばれています。糖尿病の血糖値検査項目のヘモグロビンA1c(HbA1c)の数値についてのご紹介です
- 健康診断 肝機能検査 ASTまたはGOT
- ALT(GPT)は大部分の臓器細胞に存在しています。AST(GOT)との大きな違いは、肝臓に分布している比率が最も高く、肝臓に障害が発生すると、特異的にALT(GPT)の値が上昇します。肝機能検査 「ASTまたはGOT」のご紹介です
- 健康診断 肝機能検査 ALTまたはGPT
- ALT(GPT)は大部分の臓器細胞に存在しています。AST(GOT)との大きな違いは肝臓に分布している比率が最も高く、肝臓に障害が発生すると、特異的にALT(GPT)の値が上昇します。肝機能検査 「ALTまたはGPT」のご紹介です
- 健康診断 肝機能検査 血清総たんぱく
- 血清総たんぱくは、栄養状態の悪化や肝疾患で低下します。ネフレーゼ症候群などの腎臓の疾患でも尿の中にたんぱく質が流れ出てしまうために低下します。肝機能検査「血清総たんぱく」のご紹介です
- 健康診断 腎機能検査 尿
- 尿検査は、様々な代謝や腎機能などの異常の有無を簡単に把握できるスクリーニング検査として、広く活用されています
- 健康診断 痛風検査 尿酸(UA)
- 尿酸(UA)は、核酸の構成素の一つでるプリン体の最終代謝産物で、食べ物に含まれるプリン体も吸収されると体内で尿酸になり血液中に増加します。痛風検査 「尿酸(UA) 」のご紹介です
- 健康診断 血液一般検査(貧血検査、その他)
- 赤血球は血液中の血球成分のひとつで赤血球中のヘモグロビンが、肺で酸素と結合して血管を通して全身に運搬されます。一方で、体内で発生する二酸化炭素は、肺におけるガス交換で体外に排出されます。血液一般検査(貧血検査)のご紹介です
- 健康診断 血圧検査
- 健康診断は、医学検査であり各種の検査で健康状態を評価及び特定疾患のスクリーニングをを目的としたものです。検査内容や検査数値を理解して、疾病の予防や改善に役立てましょう。健康診断 血圧検査
- 健康診断 眼底検査
- 健康診断は、医学検査であり各種の検査で健康状態を評価及び特定疾患のスクリーニングをを目的としたものです。検査内容や検査数値を理解して、疾病の予防や改善に役立てましょう。健康診断 眼底検査
- 特定健診・特定保健指導
- 健康診断は、医学検査であり各種の検査で健康状態を評価及び特定疾患のスクリーニングをを目的としたものです。検査内容や検査数値を理解して、疾病の予防や改善に役立てましょう。特定健診・特定保健指導とは