胆汁酸をコントロールしてダイエット
慶応義塾大学大学院の渡辺光博教授は、胆汁酸をコントロールすることによって代謝をコントロールできることを突き止めました。
基礎代謝の向上に関係している「胆汁酸」を効率よくはたらかせる方法を提唱しています。
その方法とは
○食物繊維をとって、古い胆汁酸を積極的に便中へ排出する
○杜仲の葉に含まれる「アスペルロシド」という成分をとる
胆汁酸の分泌とその作用をコントロールすることで褐色脂肪細胞を活性化してエネルギーの産生を高め、落ちた代謝を引き上げてダイエットも可能であると説明しています。
ちなみに1日のエネルギー消費のうち約60%は基礎代謝によるものだそうです。
そのメカニズムとは
胆汁酸は肝臓でコレステロールからつくられる物質でと小腸の十二指腸から分泌されます。
基礎代謝の減少の原因として、加齢とともに筋肉量が減少して基礎代謝量が低下と細胞のトコンドリアが脂肪を燃焼させる機能が低下することにあります。
そのため、中高年になっても若い時からの食事を見直さず摂取カロリーが変わらなければ脂肪は体に蓄積されることになります。
脂肪細胞には白色と褐色の二種類があり、褐色脂肪細胞にはエネルギーの産生を行うミトコンドリアが多く存在し、代謝にとって重要な役割をはたしていることが解明されました。
この褐色脂肪細胞は特に肩甲骨周辺に多く集まり、寒い場所などでは肩甲骨周辺の細胞が熱をつくりだして体温を維持しています。
そして、褐色脂肪細胞を活性化してエネルギー代謝を向上させるのが「胆汁酸」だと説明しています。
胆汁酸とは
胆汁酸とは肝臓でコレステロールからつくられる物質で、食べ物を食べると小腸から分泌され、脂質の消化・吸収を助ける作用を持っています。
その後、再び腸から肝臓に吸収されて、胆汁酸に再利用されますが、何度も循環すると古くなり、機能が低下して新しい胆汁酸が作られるのを妨害するそうです。
食物繊維で新しい胆汁酸をつくることか重要
新しい胆汁酸をつくり効率よくエネルギーをつくりだせるようにするには、古い胆汁酸を強制的に便中に排出する必要があります。
この働きをする食べ物が大麦、こんにゃく、海藻などに含まれる食物繊維で、古い胆汁酸に吸着して便と一緒に排出する機能があります。
渡辺教授によれば、米国ではこの胆汁酸排出アプローチを利用した薬が糖尿病治療薬として認可されているとのことです。
この新しい胆汁酸が増えれば、胆汁酸が筋肉・褐色脂肪細胞にエネルギーを産生するように指示をだすことで基礎代謝が上がると説明しています。
胆汁酸を働かせるには
有効成分「アスペルロシド」
杜仲の葉に含まれる「アスペルロシド」という成分が食物繊維と同様に胆汁酸の再吸収を抑える働きと、新しい胆汁酸の分泌を高めることにより基礎代謝量を高める機能が確認され体脂肪が減ることがわかっています。
渡辺教授が行った動物実験では、アスペルロシドを投与することでに骨格筋の重量が増え脂肪細胞が小さくなることが確認されています。
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