ムチンは腸の粘膜バリアを厚くする
腸の粘膜バリアにはムチンが重要です。
ネバネバ野菜に豊富に含まれる多糖類とたんぱく質が結合した物質は、腸の粘膜バリアを厚くする作用があります。
腸の粘膜バリアが厚くなれば免疫力が向上することが分かっています。
本サイトでは、腸の粘膜バリアを強化する野菜のネバネバ成分の働きをご紹介します。
腸壁は粘膜で覆われていますが、成分はムチンが含まれ病原体を捉えて腸壁からの侵入を防ぐ作用があります。
ネバネバ野菜はなるべく生で食べましょう。
細菌はムチンを攻撃して腸壁から侵入しようとしてダメージを与えますがムチンを補給することで粘膜バリアを維持しましょう。
また、不要になった腸の粘膜をスムーズに排出することも重要です。
多糖類とたんぱく質のネバネバ成分を多く含む野菜
「レンコン、納豆、オクラ、モロヘイヤ、サトイモ、なめこ」などです。
習慣的にネバネバ野菜を食べて腸の粘膜バリアを強化しましょう。
ネバネバ野菜は善玉菌を増やし免疫力を高める
ネバネバ野菜は善玉菌の大好物です。
善玉菌は水溶性の食物繊維のネバネバ野菜を食べて増殖し悪玉菌の活動を抑えて腸内環境を改善します。
腸内環境が良くなれば免疫力が向上し生活習慣病の予防や肥満の防止、便通の促進効果が得られます。
腸内環境を整える以外にも様々な健康効果が確認されています。
ネバネバ野菜を毎日の食事に取り入れて健康的な生活習慣を身につけましょう。
ネバネバ野菜 「オクラ」
オクラは代表的なネバネバ野菜です。
オクラはその形状から「婦人の指とも呼ばれています。
また、日本では切った時の断面の形状から陸蓮根(オカレンコン)の別名を持っています。
オクラの作用と栄養
オクラのネバネバの正体はペクチン、ガラクタン、アラバンと呼ばれる食物繊維です。
ペクチン
ペクチンは胃腸の内壁に付着して消化を遅らせる作用があります。
また脂質の消化や吸収を促進させる胆汁酸と結合して脂質の吸収を抑制する作用があります。
脂質の吸収を抑制することはコレステロール値の低下につながります。糖分の吸収を抑制する作用もあることからインスリン分泌低下も期待されます。
ガラクタン
ガラクタンは炭水化物とタンパク質の複合体です。
人はガラクタンを分解する酵素を持たないため糖や脂肪として吸収されず体外に排出されます。
血中のコレステロールを減らして動脈硬化を予防する効果があります。
また脳細胞を活性化させる作用があり認知症の予防効果があります。
更に免疫力を高めて、がん細胞の増殖を抑制する作用ももっています。
その他のオクラの栄養素としてはビタミン群を豊富に含み髪の毛、視力、粘膜や皮膚などの健康維持の効果を期待することができます。
またカリウムやカルシウムなどの健康の維持に大切な電解質も豊富に含んでおり脱水症や夏バテの防止効果が期待されます。
更に腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えて便通を促進する作用も認められています。
ネバネバ野菜 「ヤマイモ」
ヤマイモも代表的なネバネバ野菜です。
ヤマイモは、ジネンジョウ（自然生）やジネンジョ（自然薯）とも呼ばれています。
中国では「山の薬」、日本では「山のうなぎ」の異名を持ち栄養価の高さがうかがえます。
ヤマイモの作用と栄養
ムチン
ムチンは人の体内にも存在し唾液や胃液、涙などにも含まれています。
ムチンは糖を多量に含む糖タンパク質の混合物であり細胞の保護や潤滑物質として重要な働きをしています。
次のような効果が確認されています。
１．ドライアイの予防
ムチンは目のドライアイの予防や目に入った異物を洗い流す作用があります。
また、目の保湿の他にも目に入ってきた細菌やゴミなどを殺菌して洗い流す働きがあります。
２．胃炎や胃潰瘍を予防
ムチンには胃腸の粘膜を保護する作用があります。
ストレスなどによって胃の粘液の分泌が悪くなると強い胃酸の影響で胃壁はダメージを受けてしまいます。
ムチンは胃の粘膜を正常に保ち、胃炎や胃潰瘍を予防します。
３．免疫力を高める
ムチンは、のどや鼻腔の粘膜にも含まれており細菌やウイルスの侵入を水際で防ぐ働きがあります。またムチンは腸管粘膜の粘液層の主成分です。
この粘液層には免疫細胞であるリンパ球が多数存在しており免疫機能と深いかかわりがあります。
ムチンは腸内環境を整えて免疫力を向上する作用があります。
４．疲労を回復
ムチンには、たんぱく質を分解する酵素が含まれており、たんぱく質を効率良く消化吸収する働きがあります。
吸収された、たんぱく質はエネルギー源として効率良く利用されるため疲労の回復効果が期待されます。
中国では、ヤマイモは漢方薬として重用されており滋養強壮、整腸作用があり、八味地黄丸や六味丸などに配合されています。
ネバネバ野菜 「モロヘイヤ」
モロヘイヤは正式名をシマツナソといいます。
古くからエジプトやインドで栽培され利用されてきました。
モロヘイヤは、アラビア語が由来で「王様の野菜」の意味があります。
日本で食材として利用され始めたのは意外にも１９８０年以降なのです。
モロヘイヤの作用と栄養
モロヘイヤは栄養価が高く「野菜の王様」の異名をもっています。
モロヘイヤにはホウレンソウやコマツナを上回る豊富なβ-カロテンの他に、ビタミン群、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどを含んでいます。
また、クロロゲン酸やケルセチンなどの活性酸素の発生を抑制するフラボノイド系のポリフェノールも多く含んでいます。
メカブのネバネバ海藻は善玉菌を増やし免疫力増強
ネバネバ海藻は善玉菌の大好物です。
善玉菌は水溶性の食物繊維のネバネバ海藻を食べて増殖し悪玉菌の活動を抑えて腸内環境を改善します。
腸内環境が良くなれば免疫力が向上し生活習慣病の予防や肥満の防止、便通の促進効果が得られます。
腸内環境を整える以外にも様々な健康効果が確認されています。
海藻のネバネバは主にフコイダンという成分です。
フコイダンは硫酸多糖の一種でメカブ、モズク、コンブなどの褐藻類の粘質物に多く含まれる食物繊維です。
ネバネバ海藻を毎日の食事に取り入れ健康的な生活習慣を身につけましょう。
メカブやモズク
メカブはワカメの根元部分で生殖細胞が集まった成実葉や胞子葉に相当します。
一方、モズクは枝分かれのある糸状藻類で「藻付」と書かれます。
メカブやモズクのネバネバの正体はフコイダンです。
このネバネバの部分には多糖類のアルギン酸やカルシウムやミネラル類も豊富に含まれています。
メカブやモズクにはアルギン酸、フコイダン、カルシウム、カリウム、ヨード、ビタミン、ＥＰＡなどが豊富に含まれています。
１．免疫力を高める
メカブやモズクには多くの有効成分が含まれています。
中でも豊富に含まれているフコイダンにはＮＫ細胞を活性化させて免疫力を高める作用が報告されています。
また海藻類全般に含まれているヨウ素は、欠乏すると甲状腺肥大や基礎代謝の低下などを招きます。
更にアルギン酸には、腸内に溜まった不要な老廃物や有害物質を体外へ排出するデトックス効果があります。
２．髪の健康を保つ
メカブやモズクに豊富に含まれるフコイダンには毛母細胞を活性化させて新陳代謝を正常化する作用があり健康的な毛髪に貢献します。
３．高血圧を予防
メカブやモズクに豊富に含まれるアルギン酸はナトリウムを吸着して体外に排出する作用があり血圧を安定させます。
またアルギン酸は脂質と吸着して体外へ排出させる作用があり血中コレステロール値の上昇をを抑制します。
腸内フローラを整えるアラメは隠岐諸島の海藻
「アラメ」は島根県隠岐諸島や三重県志摩半島で採れるコンブ目科アラメ属の褐藻（かっそう）です。アラメは水深2から3mの岩礁上に群生しています。
このアラメは古くから重用されており現在でも薬品の原料や食料品などに活用されています。味噌汁に入れたり佃煮にして活用されています。
アラメが採れる地域の人は味噌汁に入れたり、つくだ煮として食べられていて腸内フローラを整える作用があり便秘や生活習慣病が少ないといわれています。
アラメはカルシウムやヨウ素、鉄などのミネラルを豊富に含んでいます。
また、アラメは食物繊維も多く便秘解消や生活習慣病予防に効果があるといわれています。
アラメは腸内フローラを改善する
アラメにはアルギン酸とフコイダンという水溶性食物繊維が豊富に含くまれています。
アルギン酸は腸内細菌に発酵されて有益な働きがある酢酸や乳酸など数種類の短鎖脂肪酸を生成することが確認されています。
食物繊維は腸内フローラの善玉菌のエサになり善玉菌を増やすとともに活性化します。
善玉菌が活性化すると腸内環境が弱酸性になり悪玉菌の活性化が抑えられ腸内フローラが整えられ改善されます。
腸内フローラが改善されれば、がんや糖尿病などの生活習慣病の予防や便秘の解消につながります。
もともと、食物繊維には腸壁を刺激して排便促進効果がありますので排便では相乗効果が得られるのです。
栄養も有毒物質も血管から全身をめぐる
腸内フローラの悪玉菌が優勢になると腸内環境が弱アルカリ性になり善玉菌の活動が抑えられます。
悪玉菌が活性化すると悪玉菌は有毒物質の有毒ガスや発がん物質を産生します。
口から食べた食べ物の栄養は腸管から吸収され血中へ送り込まれて全身に運ばれますが、悪玉菌が産生した有毒物質も全身に運ばれ生活習慣病の原因になります。
アラメのその他の効果
アラメにはアルギン酸やフコイダンを豊富に含んでいます。
アルギン酸には「血圧を下げる」「コレステロール値を下げる」などの作用があります。
また、フコイダンは肝機能や免疫機能を高めて胃の粘膜を保護して炎症を修復する作用があります。
腸内フローラを改善するためには日々の食事にアラメなどの海藻を取り入れましょう。
サツマイモの白い液体ヤラピンは腸のバリアを形成
サツマイモは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をほぼ半々でバランスよく含んでいる食品です。
食物繊維は善玉菌の餌になり腸内環境を整える作用があります。
サツマイモを輪切りにしたときに皮に近いところから分泌される白い液体がヤラピンです。
ヤラピンは、ゆっくりした下剤的な役割
ヤラピンを含む野菜はイモ類ではサツマイモのみで、不溶性と水溶性の両方の食物繊維をバランス良く含みヤラピンとの相乗効果として便通を促進します。
更に重要な働きはこのヤラピンが腸の粘膜バリアを形成することです。
ヤラピンは、皮の近くにあるため皮ごと食べると効率よくヤラピンを腸に送ることが出来ます。
サツマイモを食べると排便量が増えますが、これは腸内の善玉菌が増えている証拠です。
ヤラピンが腸内に届くと腸の蠕動運動が活発になります。
さつまいもを食べると、おならが出るのはヤラピンが腸の蠕動運動を高めて溜まっていたガスを排出するからです。
サツマイモに含まれるヤラピンには、宿便も排出する効果があります。
アンチエージング効果も
ビタミンＣやビタミンＥ、βカロチンを豊富に含み、アンチエージングにも効果のある食品です。
血糖値の上昇を抑えるサツマイモ
食物繊維が豊富なサツマイモは糖分の吸収を緩やかにして急激な上昇を抑えます。
サツマイモは、焼イモにするよりも「蒸す、煮る」の調理法の方がより血糖値の上昇を抑えることができます。
明日葉のカルコンは胃の粘膜バリアを強化する
胃の粘膜バリアを強化することが大切です。
胃の働きをコントロールしている自律神経はストレスによりバランスが崩れます。
強いストレスを受けると胃酸が過剰に分泌され胃部の痛みを生じて>潰瘍がつくられることもあります。
また、ストレスの継続によって胃の収縮が起こり腹痛や胃のけいれんを引き起こすこともあります。
最悪の場合には強いストレスによって胃に血液が通わなくなり一瞬で胃が壊死することもあります。
胃の粘膜バリアを強化するカルコン
明日葉には胃の粘膜バリアを作る働きがあります。
昔から明日葉はセリ科の植物で薬効があることで知られています。
胃もたれや胸焼けを改善する作用があります。
カルコンは主に明日葉に多く含まれポリフェノールやフラボノイドなどのファイトケミカルに分類される栄養成分です。
カルコンには抗バクテリア性、抗菌性、抗腫瘍性、抗炎症性などの作用もあります。
またカルコンには過剰な胃酸の分泌を抑え胃壁をまもる作用もあります。
明日葉の茎をカットすると黄色の液体が分泌されますが、これ成分がカルコンです。
カルコンは熱に強く明日葉は色々な料理に使えます。
粘膜バリアーを強化する食べ物 細菌・ウイルス防御
口や胃腸の粘膜バリアーを強化することで細菌やインフルエンザなどのウイルスをシャットアウトしましょう。
慶応大学の研究チームが乳児と中学生にはインフルエンザ・ワクチンの予防効果がないと発表しました。
この研究チームは、６?１１カ月の乳児と１３?１５歳の中学生にインフルエンザのワクチンを接種しても発症の防止効果がないと報告しています。
同様に世界保健機関(WHO)もインフルエンザ・ワクチンについて「感染予防できない。有効性を示すデータもない。」と報告しています。
風邪やインフルエンザに感染しやすい人と感染しにくい人がいます。
人によって体の免疫力に差がありますが免疫力が弱い人や低くなっていると細菌やウイルスに感染しやすくなりますので、免疫を高めておく必要があります。
粘膜が細菌やウイルスを防御
健康な皮膚は細菌やウイルスの侵入を防いでいます。
また、口、鼻、まぶたの内側は粘膜で覆われていて細菌やウイルスの侵入を防いでいます。
粘膜バリアーが正常な状態であれば細菌やウイルスなどを排除する分泌液で覆われています。
しかし分泌が低下してくると細菌やウイルスなどが侵入しやすくなります。
鼻と気道の内壁は粘液で覆われています。
気道は沢山の線毛と粘液で覆われていて細菌やウイルスを体外に排出する働きがあります。
この粘膜バリアーの働きを強化しておけば細菌や風邪やインフルエンザなどのウイルスを防御することにつながります。
粘液バリアーを強化する食べ物、栄養素
細菌やウイルスを防御してシャットアウトする粘液バリアーを強化する食品をご紹介します。
例えば、眼や鼻から分泌される涙や鼻汁にはリゾチームという酵素が含まれています。
リゾチームには侵入した細菌やウイルスを無害化する働きがあります。
リゾチームは卵の卵白に含まれています。
明日葉のカルコンは胃の粘膜バリアーを強化します。
ネバネバ成分が含まれる「レンコン、納豆、オクラ、モロヘイヤ、サトイモ、なめこ」は、腸の粘膜バリアーを強化します。
サツマイモのヤラピンは腸の粘膜バリアーを形成します
レバー、うなぎ、モロヘイヤ、ニンジン、カボチャなどに豊富に含まれているビタミンＡは、粘膜バリアーを強化する働きがあります。
免疫力を高める食べ物、栄養素
粘膜バリアーを強化することに加えて普段から免疫力を高めておくことが大切です。
ここでは免疫力を高める食べ物や栄養素をご紹介します。
胃では胃酸の分泌により細菌やウイルスを殺菌します。
また、腸には、腸内フローラと呼ばれている細菌叢があり善玉菌を優位にすることで免疫力を高めることができます。
善玉菌を優位する食べ物は、乳酸菌、オリゴ糖、大豆製品、食物繊維、発酵食品などです。
バナナやイワシなどに多く含まれているビタミンB6は免疫機能をサポートします。
柑橘類やブロッコリーなどに多く含まれているビタミンCには強い抗酸化作用があり免疫力の向上につながります。
サケやサンマなどの魚類に多く含まれているビタミンDは免疫力の向上する作用があります。
カキやレバー、チーズなどに豊富に含まれる亜鉛は酵素の合成に欠かせない栄養素で免疫の強化に関わっています。
普段から粘膜バリアーを強化して免疫力を高める食材を摂取することで細菌やウイルスの感染を防御しましょう。
いかがでしたか、主に根野菜や海藻に含まれているネバネバ成分を積極的に摂取して腸の粘膜バリアを強化して免疫力を上げておきましょう。
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