納豆菌の抗菌作用でピロリ菌を抑える
日本の伝統的な食材である大豆を発酵してつくる納豆にはピロリ菌の活動を抑えて胃の調子を整える働きがあることが報告されています。
日本の朝食といえば納豆や海苔を思い浮かべる人は多いと思いますが、納豆はピロリ菌の活動を抑える酵素をもっていますので、週に2〜3回くらいは食べましょう。
その他にも健康効果や美肌効果も期待することができます。
大豆製品はシワを予防する
大豆製品は腸内環境を整えて健康の維持や美容やシワの予防に効果があることが知られています。
大豆製品は豆腐や納豆が代表的ですが豆腐は食物繊維として便通を促進させる機能や善玉菌のエサになって腸内環境を改善させる作用があります。
またイソフラボンは酵素によってシワを予防するエクオールを産生します。
一方で納豆は納豆菌が広く知られていますが生命力が非常に強く生きたまま腸に届くプロバイオティクスの食品です。
納豆菌は腸に届くまでに通過する胃でも有用な働きをすることがわかっています。
納豆の消化酵素
納豆は胃の消化を助ける働きがあります。
納豆はでんぶんを分解する働きがあるアミラーゼや脂肪を分解するリパーセ、そしてタンパク質を分解するプロテアーゼなどの多くの消化酵素を持っています。
最近の研究ではピロリ菌にも
納豆に含まれているナットウキナーゼは血栓溶解作用の酵素として知られています。
また、ピロリ感染症に対する治療薬としてメトロニダゾールが厚生労働省に承認されていますが納豆菌にはピロリ菌に対しメトロニダゾールにも劣らない抗菌活性が確認されています。
ピロリ菌の除去には健康保険が適用になりましたが、除菌のための治療薬は強い抗生物質であるため腸内環境を悪化させてしまうリスクが懸念されています。
また、ピロリ菌には逆流性食道炎を抑えたり強い胃酸を調整するなどの有益な働きも報告されています。
ピロリ菌が活発に働かないように食事を見直して共存することも選択肢として検討してもよいのではないでしょうか。
納豆菌は乳酸菌と相性が良い
納豆菌は乳酸菌と相性がよく、納豆菌と乳酸菌が一緒の環境になると乳酸菌が大幅に増殖することがわかっています。
納豆菌は悪玉菌の増殖を抑えて善玉菌の増殖を促進させる頼もしい微生物なのです。
また、納豆菌は、たんぱく質やでんぷん質を分解する酵素を持っています。
1.納豆菌の酵素「プロテアーゼ」は、たんぱく質を分解してアミノ酸をつくる。
2.納豆菌の酵素「アミラーゼ」は、でんぷん質を分解してぶどう糖をつくる。
納豆とワーファリンの相性に注意
血液をさらさらにするワーファリンを常用しているかたは納豆との組み合わせに注意が必要です。
納豆に含まれているビタミンKがワーファリンの作用を弱めるという報告があります。
最近は、納豆などのビタミンKを含んでいる食べ物を気にしなくてよい、プラザキサやリクシアナなどの血液を固まりにくくする抗凝固剤が開発されております。
心房細動によって血栓ができる患者さんの治療薬としても有効に処方されています。
以上のように和食の納豆には様々な有益な働きがあります。胃や腸の健康を維持するためにも意識的に食べたい食品です。
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