腸内フローラと健康の関係

腸の名称と腸内フローラ

 
腸内フローラの模型図 
「まるでお花畑の様なイメージの腸内フローラ」
 
2015年にNHKスペシャル「腸内フローラ」が放送されてから、腸内細菌と健康や美容、ダイエットについての関心が高まっています。
 
当サイトは、腸内フローラと健康の関係を分かりやすく解説したサイト作りに努めました。
 
医療が進歩しても生活習慣病患者は増加の一途をたどり国の医療費も毎年1兆円増え続けています。
 
生活習慣病が減少すれば医療費の増加を抑えられることがわかっています。
 
私は自身の体験から生活習慣病の大きな原因の一つに欧米化した食習慣にあると考えています。
 
日々食べる食事と腸内細菌は深い関係にあることが解明されています。
 
和食には腸内環境を整える食品や食材が豊富にあります。
 
当サイトで詳しくご説明いたしております。
 

 

 

腸のの構造を知っておきましょう

 
 

大腸図

 
一般的に腸といいますが、腸は小腸と大腸に分かれています。
 
小腸は、十二指腸、空腸、回腸に分けて呼ばれ、主に栄養素の吸収を行っています。
 
大腸は、上図のように盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸に区分され、水分の吸収や排せつに関わっています。
 
腸は食べ物を消化吸収する働き以外に、非常に複雑で謎に満ちた部分が多く、世界の生命科学者が腸の働きに注目して日夜研究がなされています。
 
宇宙や自然の気候変動と同じくらい注目されているのが腸なのです。
 
人の皮膚の面積は約1.8uに比べ腸の面積はテニスコート1面分の約260uもあります。
 
広い表面積を持つ腸は消化吸収のほかに神経系、ホルモン系、免疫系など様々な機能が集中し連係しあって活動しているのです。
 
特に体の中で最大の免疫機能を備えている器官で他の臓器にはない大きな特徴を持っています。
 
腸には第2の脳と言われている通り、1億個にも及ぶ神経細胞を有しており、脳から独立して行動する自律した器官なのです。
 
腸は、口から肛門に至るまでの途中の器官であり、体の内部にありながら外部でもあります。
 
食べ物と一緒に入ってきた病原菌などの体に有害な物質は腸壁から体内に侵入しないように腸管免疫系が働き殺傷、排除して防御しています。
 
大腸には、消化酵素では消化されない食物繊維、粘膜から剥離した細胞、血液由来の尿などが流入します。
 
大腸内には数千種類、100兆個以上の細菌が存在し細菌の生態系を構成しており、これを腸内フローラ(腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう)とよんでいます。
 
 
腸内細菌 
 
 
腸内フローラには、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類の菌があり、お互いに影響をし合って存在しています。

 
この大腸内の細菌の総重量は、すい臓や腎臓の重さとほぼ同じです。
 
また、腸内細菌が持つ酵素や活性は肝臓に匹敵するといわれています。
 
食物繊維のセルロースは、大腸内の細菌により分解されて、短鎖脂肪酸や水素、メタンなどの物質を生成します。
 
短鎖脂肪酸は大腸の上皮細胞の主要なエネルギー源になり粘膜の血流量や酸素の供給量を増やすとともに上皮細胞の増殖を促進させる効果があります。
 
また、短鎖脂肪酸はカルシウムの吸収を促進させる働きが認められています。
 
大腸に入ったたんぱく質や尿素は、腸内細菌の作用により、アミノ酸、アミン、アンモニアなどに代謝されます。また、腸内細菌による発酵でビタミン類を合成します。
 
腸内フローラと健康は密接に関係していて、善玉菌が優位な状態では免疫力も強く健康状態が良く、悪玉菌が優位な状態では免疫力が下がって体調が悪くなります。
 
腸内フローラの状態は、人によって違いますが善玉菌の代表であるビフィズス菌が優位であれば腸内が酸性に保たれて悪玉菌の増殖や活動をおさえます。
 
悪玉菌の代表はウェルシュ菌でこちらが優位になると腸内はアルカリ性になり、中間の立場の日和見菌も悪玉菌と同じように悪さすることがわかっています。
 
腸内フローラから悪玉菌を一掃することは不可能ですので、これらの細菌のバランスを整えることが大切です。
 

1674年にオランダのレーウェンフックが細菌を発見

 
腸内細菌は、1674年にオランダの呉服商のレーウェンフックが自分で作製した200倍率の顕微鏡によって糞便の中の多くの細菌を発見しました。
 
レーウェンフックは、多くの球菌や桿菌、らせん菌などの形状の細菌を発見しています。
 
その後、歴史は進みドイツの医師ロベルト・コッホによって1883年にコレラ菌が発見され、更に1890年には結核菌感染の診断に活用されるツベルクリンを発見しています。
 
最近の研究では、腸内フローラには細菌が3万種類以上、1000兆個以上も存在していることが遺伝子検査メタゲノム解析により分かってきました。
 

 
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腸内細菌は健康や病気に密接に関係

 

腸内フローラ(腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう)は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の生態系のことで、ヒトに対して様々な生理作用をもっています。
 
善玉菌の作用としては、「病原菌の定着阻害」「免疫機能の活性化」「ビタミンの産生」などがあります。
 
悪玉菌の作用として「腐敗物質や発がん物質の産生」や「さまざまな腸の疾患」に関係しています。
 
また肥満や糖尿病、お肌のシワ、さらに性格にも腸内細菌が関わっていることが最新の研究で解明されてきました。
 
日和見菌は、腸内フローラの構成が悪玉菌が有利になると有害な働きに傾き善玉菌が有利になると有用な働きに傾く中間的な細菌に位置づけられています。
 
若い時は善玉菌が多く年を取ると悪玉菌が増えてきます。
 
腸内フローラは健康や病気と密接な関係にあり腸内フローラの細菌のバランスをとることが重要です。
 
腸内フローラの知識を持ち、日々の健康の維持増進に役立てましょう。


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