美肌を保つエクオールとは
「エクオール」を知っていますか。
エクオールはシワを予防して美肌を保つ成分です。
このエクオールは若い時から大豆製品を食べている人の体内で生成されることが分かりました。
エクオールの美肌作用についてご紹介します。
美肌を保つ「エクオール」の作用
腸内細菌から作られるシワを防止する「エクオール」が発見されています。
「エクオール」はイソフラボンの一種でお肌の年齢を若く保つ働きがあることが解明されました。
藤田保健衛生大学の皮膚科の医師、松永佳世子先生によれば「エクオールが繊維芽細胞の働きを活性化して肌の若さを保つ」と説明しています。
追跡調査ではエクオールを飲んだグループは飲まなかったグループに比べてシワが浅くなったと報告しています。
松永先生によれば「エクオールがコラーゲンを増やし皮膚の深い部分に良い影響を与えシワを改善したと考えられる」と結論づけています。
エクオールの別の効果として「顔のほてり」や「骨密度の低下を抑制」などの作用があることも分かっています。
また小林メディカルクリニック東京の小林暁子院長は「更年期障害の治療である薬物療法やホルモン補充療法に抵抗感がある方にはエクオールの摂取を提案しています。研究ではエクオールには更年期障害の症状や骨密度の低下、コレステロールの増加を抑える効果が実証されておりますが、当医院ではエクオールによって肌のハリが出たと言う患者さんが特に多い傾向があります」と述べています。
「エクオール」を作れる人と作れない人
エクオールは大豆イソフラボンの一種であるダイゼインからエクオールに変換する酵素を持つ特定の腸内細菌の働きにより作られます。
しかし残念なことに全ての人がエクオールを産生できる訳ではありません。
ダイゼインをエクオールに変換する酵素を持つ特定の腸内細菌を保有している人と保有していない人がいるようです。
日本人の約半数はこの腸内細菌を保有していないためエクオールを作ることができないのです。
「エクオール」の持つさまざまな作用
エクオールはエストロゲンレセプター(女性ホルモン受容体)に結合する能力が高く女性ホルモンのエストロゲンと同じ様な作用があることがわかっています。
◎肌の新陳代謝を促進
◎髪のツヤとハリを保つ
◎卵子を育て、排卵に備える
◎子宮内膜を保護し受精卵の着床の準備
◎乳房や皮下脂肪を発育させて女性らしい体を作る
◎コレステロールの増加を抑制
◎骨粗しょう症の予防
◎周期的に生理を起こす
◎自律神経を安定させる
以上のようにエクオールには多くの美容と健康の効果が確認されています。
エクオールを産生できる日本人は約50%
大豆イソフラボン(ダイゼイン)に特別な酵素を持つ腸内細菌であるナッツ菌(NATTS菌)などが作用して作られる「エクオール」。
研究で、この「エクオール」を産生できる人は日本人では約50〜60%、欧米人では20〜30%といわれています。
グラフからはエクオール産生菌を持つ人の割合が関西地区に少ないことが分かります。
関西では昔から納豆を食べない人が多いという統計がありますので、大豆食品の摂取が少ない事に起因しているのかもしれません。
現在までにエクオールを産生する細菌は15種類発見されていますが、「ラクトコッカス20-92」もその一つです。
エクオールを作れるか否かはエクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌が活発に動いているか否かにかかっています。
エクオール産生菌がなければエクオールが産生されずに大豆イソフラボン(ダイゼイン)のままの状態で吸収されます。
エクオールを産生できる人がアジア地域に多く欧米地域に少ないのはアジアでは大豆をよく食べている国々が多く大豆の摂取量や食生活による腸内環境の違いが原因ではないかと考えられています。
しかし日本では特に若者の食事の欧米化が進みエクオールを産生できる割合が減少しているようです。
日本人を対象とした研究では緑茶を飲む機会が多い人はエクオールを産生できる人が多く、乳製品の摂取量の多い人は作れない人が多いという結果が出ています。
欧米人を対象にした研究では野菜やオメガ3脂肪酸を多く食べる人はエクオールを生成できる人が多いという結果もあります。
エクオールを生成する食品
このエクオールを育てるためには食物繊維の中でも大豆腐や納豆などの大豆製品、アスパラガスなどの腸内細菌のエサになる食品の摂取が必要です。
つまり、この様なエサがなければエクオールは育たないのです。
エクオールを生成するためには、納豆、大豆飲料、豆腐、油揚げ、大豆煮、きな粉、みそなどを食べましょう。
しかしエクオールを産生できるのは日本人では約半数です。
エクオールを産生する細菌を腸内に保有していない方は乳酸菌で大豆胚芽を発酵させてエクオールを作り出してサプリメントにしたものが商品化されています。
「エクオール」についてご紹介しましたが、納豆や豆腐などの大豆製品はエクオールを作る腸内細菌のエサになることが分かっています。若い時から時々食べるようにしましょう。
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