バクテロイデスはインスリンの分泌を増やす働き
腸内細菌のバクテロイデスには、インスリンの分泌を増やすことが分かりました。
糖尿病の方への治療のヒントになる可能性もありそうです。
当サイトにて、その働きやメカニズムをご紹介します。
厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」の推計によると糖尿病が強く疑われる成人男女が約950万人に上り2007年の調査から約60万人増えたことがわかりました。
一方で糖尿病の病気の可能性を否定できない「糖尿病予備軍」は220万人減して1,100万人と調査以来はじめての減少となりました。
それでも糖尿病が疑われる人と予備軍の合計が2050万人となり約5人に1人が糖尿病あるいは糖尿病予備軍ということになります。
近年の遺伝子検査の進歩で腸内細菌が、がんや糖尿病などの生活習慣病に深く関与していることが解明されてきました。
フランスのピティエ=サルペトリエール病院心代謝栄養研究所が中心となって行われた研究では、腸内細菌全体の3〜5%を占めている「アッカーマンシア・ムシニフィラ」が高繊維食の摂取に関連して血糖値や血中インスリン値、脂質値などを下げて肥満や糖尿病、心疾患などの生活習慣病の予防に効果的な可能性が示唆されたと報告しています。
「記事参照元」
ScienceDaily
腸内細菌のバクテロイデスが血糖値を下げる働き
慶応義塾大学の研究グループによると腸内細菌のバクテロイデスが血糖値を下げる働きに関与していることが分かったと報告しています。
具体的には腸内細菌バクテロイデスがすい臓に対してインスリンの分泌を促す指令を出して血糖値を下げる働きをしており食事のときに最初に水溶性食物繊維、次に魚を食べることでバクテロイデスがより活性化して、すい臓に対してインスリンの分泌を促す指令を多く出すことができると説明しています。
つまり腸内フローラにバクテロイデスが増えることでより多くインスリン分泌を促すことができることになります。
インスリンの分泌を高めて血糖値を抑える食事法
1.まず最初に根菜やきのこなどの水溶性食物繊維を食べる
2.次に魚を食べてインスリン分泌を促進させる
3.最後に、ご飯やパンなどの炭水化物を食べる
1.最初に根菜やきのこなどの水溶性食物繊維を食べる
野菜は水溶性食物繊維です。
ゴボウ、玉ねぎなどの根菜や納豆やきのこや海藻類などの水溶性食物繊維を最初に食べましょう。
これらの水溶性食物繊維は腸からのブドウ糖の吸収を抑えて血糖値の急上昇を抑制してくれます。
また腸内細菌の善玉菌のエサになって腸内環境を改善してくれる働きがありますので、悪玉菌の働きが抑えられて善玉菌が増加します。
2.次に魚を食べてインスリン分泌を促進させる
魚を食べることによってバクテロイデスの働きが強くなります。
つまり、すい臓に対してインスリンを分泌するようにより多くの指令を出します。
3.最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べる
ご飯やパンは糖質ですので血糖値を上げる原因になります。
最初に食べた水溶性食物繊維や魚によってインスリンの分泌が促進されていますので炭水化物を最後に食べることで血糖値の急上昇を抑えることができます。
毎日の食事で善玉菌を増やし元気にすることを意識して食材を選びましょう。
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