三大栄養素から七大栄養素


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五大栄養素 ビタミン

 

栄養素の概要

 

ビタミン 

 

 ビタミンは、三大栄養素の炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質とは違い、身体の構成成分ではありません。
 エネルギー源としても使用されませんが、生体内の代謝、生理機能に対して補酵素として作用する有機化合物で、微量の必須栄養素となっています。

 

 ビタミンは、重要な栄養素であり、体内では合成されないか、合成されても必要量に満たないため、食事から摂取する必要があります。

 

 不可欠なビタミンとして13種類があり、どれも不足すると欠乏症を引き起こします。

 

 ビタミンは性質によって、脂溶性ビタミン(4種類)と水溶性ビタミン(9種類)に分類されています。

 

 脂溶性ビタミンは、水に溶けにくく、油脂やアルコールに溶ける性質のビタミンで、「ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK」などがあります。
 脂溶性ビタミンは肝臓や脂肪細胞に蓄積されるため、過剰症が起こることがあるので、サプリメントで摂取するときは、注意が必要です。

 

 水溶性ビタミンは、水に溶けやすく、油脂には溶けにくい性質のビタミンで、「ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸),ビタミンC」があります。
 水溶性ビタミンのビタミンB群とビタミンCは、酵素の働きを補う補酵素して働き、糖質、脂質、たんぱく質の代謝を促進する作用があります。
 水溶性ビタミンは、過剰に摂っても尿から排泄され、体内には一定量しか蓄積されない栄養素であり、毎日摂取する必要があります。

 

   

 

主な働き 「含まれる食品」に記載
含まれる食品

 
ビタミンA    食品「にんじん、うなぎ」

 

 

 

  にんじん、うなぎ   

 

 

 ビタミンAは、植物性の食品からは、βーカロテン、動物性食品からは、レチノール脂肪酸エステルとして供給されます。
 ビタミンAは、肝臓に蓄積されて、必要に応じて、レチノールとして、血中に入ります。
 ビタミンAの作用は、皮膚の機能維持、成長維持のための遺伝子の発現を調節します。
 ビタミンAの欠乏症は、子どもでは、角膜乾燥症を起こし失明の原因になります。成人では、夜盲症になります。
 逆にビタミンAの過剰摂取は、頭蓋内圧亢進、肝臓障害を引き起こし、妊婦では、胎児に奇形がみられます。

 

 

ビタミンD   食品「干しシイタケ・ちりめんじゃこ」
                        作用「カルシウムとリンの吸収を促進、歯や骨の形成に関与」

 

  干しシイタケ・ちりめんじゃこ    

 

 

 ビタミンDは、小腸と腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進させる作用や再吸収を助け、骨を形成する作用があります。
 ビタミンDが欠乏すると、子どもではくる病、成人では骨軟化症になります。
 逆にビタミンDの過剰摂取は、高カルシウム血症を起こすことがあります。

 

 ビタミンDは栄養素としてだけではなく、体内でホルモンとして重要な働きをしていることが解明されています。
 不足すると様々な疾患を引き起こすリスクが高まることがわかってきました。
 次のサイトでご紹介しています。

 

 ビタミンDの不足や欠乏と疾患 多く含む食べ物

 

 

ビタミンE   食品「アーモンド、紅花油」
                        作用「ホルモンの分泌を促進、過酸化脂質の生成を抑制」

 

          アーモンド、紅花油 

 

 ビタミンEの生理作用は、抗酸化作用があります。ビタミンCなどの親水性の抗酸化物質とともに効率よく活線酸素を除去します。

 

 

ビタミンK   食品「ほうれん草、納豆」
                        作用「血液の凝固性を保持、歯や骨の形成に関与」

 

  ほうれん草、納豆   

 

 ビタミンKは、血液凝固を促して、骨の形成を促進させる作用があります。
 ビタミンKの欠乏は、血液凝固を遅らせ、出血を引き起こします。
 血液の凝固を抑える薬を内服している場合は、ビタミンKの含有量が多い、納豆やほうれん草の摂取は避けるべきです。

 

 

 

ビタミンB1  食品「豚ヒレ肉、大豆」
                        作用「糖質からエネルギーを作る、神経の機能維持」

 

  豚ヒレ肉、大豆   

 

 ビタミンB1は、糖代謝に関与しているビタミンで、糖質やアルコールの摂取量が多いと需要が高まります。
 ビタミンB1が、欠乏すると、かっ気やウェルニッケ・コルサコフ症候群などを発症します。
 玄米を白米にすると、ビタミンB1の含有量が20%に激減します。

 

 

ビタミンB2 食品「鶏卵、牛レバー」
                     作用「脂質の代謝、過酸化脂質の分解、皮膚、爪、毛の発育促進」

 

  鶏卵、牛レバー   

 

 ビタミンB2は、体内では主にFAD(Flavin adenine dinucleotide, (フラビンアデニンジヌクレオチド:酸化還元系で水素伝達の作用をする酵素)の形で存在していて、エネルギーの産生や酸化、還元反応にかかわります。
 欠乏すると、成長阻害、口角炎、口唇炎、舌炎、皮膚炎が起こりやすくなります。

 

 

ナイアシン  食品「まぐろ、たらこ」
       作用「皮膚の機能の保持、糖質、脂質、タンパク質の代謝」

 

  まぐろ、たらこ  

 

 ナイアシンは、ニコチン酸の別名で、アミノ酸のトリプトファンとビタミンB2、ビタミンB6から作られます。
 体内では、補酵素のNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、 NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の形で存在し、酸化や還元さようにかかわり、ATP(アデノシン三リン酸)の産生には必須です。
 ナイアシンは、熱・酸・アルカリ・酸化に対し極めて安定、また、光にも安定しているものの、還元されると活性を失います。
 ナイアシンの欠乏は、手足の発赤や浮腫、皮膚炎や下痢、知覚以上など症状は全身に及ぶペリグラを発症します。

 

 

ビタミンB6  食品「さんま、バナナ」
                      作用「タンパク質の代謝、神経の機能保持」

 

  さんま、バナナ   

 

 ビタミンB6は、体内でアミノ酸の分解に関与しています。また、食品中のたんぱく質からエネルギー産生したり、筋肉や血液などがつくられたりする時に働いています。
 ビタミンB6は、腸内細菌によって合成されますので、不足することは殆どありません。しかし、抗生物質を服用している人は不足する可能性があります。
 ビタミンB6が欠乏すると、湿しんなどの皮ふ炎や口内炎、貧血、脳波の異常などが起こることがあります。

 

 

葉酸    食品「牛レバー、ほうれん草」
      作用「正常な赤血球の生成、たんぱく質の生成」

 

          牛レバー、ほうれん草

 

 葉酸は、体内ではメチオニンの合成と核酸の代謝にかかわっています。
 葉酸は、ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれ、水溶性ビタミンに分類されます。
 葉酸は体内で還元を受けて、ジヒドロ葉酸を経てテトラヒドロ葉酸に変換された後に補酵素として働きます。
 欠乏すると、造血作用に異常を起し、巨赤芽球性貧血を引き起こします。

 

 

ビタミンB12      食品「豚レバー、あさり」
                          作用「神経の機能保持、造血機能をサポート」

 

 

          豚レバー、あさり

 

 ビタミンB12は、コバルトを含む化合物で、核酸の代謝にかかわっています。
 回腸から約50%を吸収します。
 ビタミンB12は、植物性食品には含まれず、動物性食品に幅広く含まれています。
 動物性食品を摂取せず、菜食主義者や胃を切除している方は、ビタミンB12が欠乏傾向なあります。
 ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12の欠乏は、心血管疾患のリスク要因が指摘されています。

 

 

ビオチン    食品「かれい、大豆」
        作用「脂質、糖質、たんぱく質の代謝、皮膚の機能保持」

 

   かれい、大豆  

 

 ビオチンは、哺乳類が生合成ができない水溶性ビタミンです  。
 食品から摂取するほか、腸内細菌によっても僅かながら合成されます。
 ビオチンは、生体において4種類のカルボキシラーゼの補酵素として、カルボキシル化反応を触媒しています。
 ビオチンは、糖質と脂質の代謝にかかわる酵素の補酵素として働き、エネルギーの産生に関与しています。
 通常の食事で、ビオチンは摂取することができるビタミンです。
 ビオチンが欠乏すると、食欲不振、吐き気、うつ症状、筋肉痛、結膜炎、脱毛、皮膚の感染、知覚過敏などが起こることがあります。

 

 

パントテン酸  食品「納豆、豚レバー」
        作用「脂質、糖質、たんぱく質の代謝」

 

         納豆、豚レバー

 

 パントテン酸は、コエンザイムAやホスホパンテテインなどの補酵素の構成成分になります。糖の代謝や脂肪酸の分解や合成に関わっています。
 パントテン酸は、通常の食事で補給できるビタミンです。また、腸内細菌も僅かながら、パントテン酸を合成します。
 パントテン酸が欠乏すると、エネルギー代謝の異常や障害を引き起こします。

 

 

ビタミンC   食品「じゃがいも、レモン」
        作用「コラーゲンの生成、メラニン色素の生成を抑える」

 

  じゃがいも、レモン   

 

 ビタミンCは、抗酸化作用を持つ、水溶性ビタミンです。
 また、ビタミンCは、コラーゲンの合成にかかわっていています。
 人以外の殆どの動物は、ブドウ糖を基にしてウロン酸サイクルからビタミンCを体内で合成することができます。
 人は、体内に「L-グロノ-γ-ラクトン酸化酵素」を持たないため、体内でビタミンCを合成することができませんので、野菜や果物など食物からビタミンCを摂取する必要があります。
 ビタミンCは、ストレスが増大すると、消費量が増加します。また、喫煙者はビタミンCの代謝回転が高いので、非喫煙者よりも多く摂取することが望ましいとされています。
 ビタミンCが欠乏すると、壊血病を引き起こす恐れがあります 。

 

備考

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