三大栄養素 脂質
栄養素の概要 |
脂肪は、三大栄養素の一つです。脂肪酸で構成され、その構造の違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の二種類に分類されます。
飽和脂肪酸は、鎖状につながった炭素のすべてに水素が結合していますが、不飽和脂肪酸は部分的に炭素と水素が結びつかずに炭素同士が二重結合した構造をしています。更に、二重結合が1個のものは一価不飽和脂肪酸といい、2個以上のものは多価不飽和脂肪酸と呼ばれています。
多価不飽和脂肪酸のうち、二重結合の位置の違いによって、n‐6系(リノール酸、γ‐リノレン酸、アラキドン酸)、n‐3系(α‐リノレン酸、DHA、EPA)などに分類されています。n‐6系はω(オメガ)6、n‐3系はω(オメガ)3とも呼ばれ、良質な脂肪として注目されています。
マーガリンは植物油を原料にしていますが、不飽和脂肪酸に水素を添加し、飽和脂肪酸に変えて固形にしています。
HDLはコレステロールの含有量が多いリポたんぱくで、肝臓で合成され、全身にコレステロールを運ぶ働きがあります。
HDLは含まれているコレステロールが少なく、全身で余分となったコレステロールを集め、肝臓まで運ぶ働きがある。HLDに含まれているコレステロールをHDLコレステロールと呼ぶ。血液中のHDLが多くなると動脈硬化のリスクが低下することから、善玉コレステロールとも呼ばれる。
一般に不飽和脂肪酸は酸化されやすいが、オレイン酸は体内では酸化されにくく、過酸化脂質を作りにくい特徴があるとされています。
2015年2月に米農務省と米保健福祉省は19日、コレステロールを多く含む食品の摂取制限に関する文言が、米国人の栄養に関する新たな政府ガイドラインの草案から削除されることを明らかにしています。
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主な働き | 「含まれる食品」に記載 |
含まれる食品 |
飽和脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などの種類があり、豚脂(ラード)、牛脂(ヘッド)、バター、やし油、パーム油などに含まれています。
多価不飽和脂肪酸のn−6系(ω6)脂肪酸のリノール酸は、紅花油(サフラワー油)、ひまわり油、綿実油、大豆油、コーン油、ごま油などに含まれ、動脈硬化の予防に効果がありますが、摂りすぎるとアレルギーを招くことが指摘されています。
一価不飽和脂肪酸のオレイン酸は、オリーブ油、菜種油(キャノーラ油)、調合サラダ油に含まれ、HDL(善玉コレステロール)を下げずにLDL(悪玉コレステロール)を下げる働きがあり、動脈硬化の予防効果が注目されています。
γ‐リノレン酸は、月見草油、母乳に含まれ、コレステロールや血圧を低下させる作用があります。
アラキドン酸は、レバー、卵白、エビ、アワビ、貝類などに含まれ、血圧や免疫を調整する作用があります。
n‐3系(ω3)脂肪酸のα‐リノレン酸は、しそ油、えごま油、亜麻仁油などに含まれ、高血圧や心疾患、アレルギーの改善作用があります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、背青魚のマグロ、サバ、ハマチ、サンマなどに多く含まれおり、ともに中性脂肪値を低下させ、動脈硬化を予防し、血栓生成の抑制作用もあるので、脳血管疾患や心疾患の予防が期待されています。
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