排便量の多さは健康のバロメータ 食物繊維を食べよう
我が国は、戦後の急速な経済成長と共に、欧米型の食習慣が普及定着して、食物繊維の摂取量が減少しました。
厚生労働省の情報では、1950年代と現在と比較すると、一日あたりの摂取量が20gを超えていたのが14g前後に減少したとされています。
太平洋戦争中の日本人の排便量にまつわるエピソードがあります。
東南アジア諸島を占領していた日本軍、そこにアメリカ軍が偵察のためその島に上陸して日本兵の排便の量を見て、日本兵の数を読み誤り、3倍に過大評価をしてしまったという嘘のような実話があります。
戦前は、イモなどの食物繊維が主食になっていたので、一日あたり30 gも摂取していました。
当時のアメリカ人の排便の量は平均1日200g程、日本人はその倍の400gもあったことから、日本兵の数を実際よりも多く推測してしまったようです。
今では、アメリカ人の排便量は約150gで、日本人の4分の3程度です。
排泄量が少ない理由として、食物繊維が少なく、脂肪やタンパク質、糖質が多い食事が関係しています。
食事の欧米化は、日本人の排便の量を減少させています。
食物繊維の摂取が減少したために、排便の量は食事の欧米化と相関的に減少してきたといえます。
イギリスの外科医デニス・バーキット博士は、1972年に食物繊維の摂取量と排便量の関係を調べて報告しています。
国名 |
排便量 |
ケニア |
520g |
マレーシア |
477g |
ウガンダ |
470g |
イラン |
349g |
ペルー |
325g |
インド |
311g |
中国 |
209g |
日本 |
200g |
アメリカ |
150g |
アフリカの農民は食物繊維を一日にあたり、60〜80gも食べていることがわかりました。日本人の5倍以上にあたります。
食物繊維を多く食べる国の国民は、排便の量も多いことが示されています。
食べた物が、排便されるまでの時間も食物繊維の方が2倍以上も早いという調査データもあります。
国別の排便の量を見ればわかるように、食物繊維をよく食べる国の人ほど排便の量が多いのです。
食物繊維を多く摂取することは、腸疾患をはじめ糖尿病や痛風などの生活習慣病に対して、予防効果があることが確認されています。
十分な食物繊維を摂取して、腸内の善玉菌を増やすことで便秘を解消して、悪玉菌の活動をおさえ、発がん物質などの有毒物質の生成を抑えましょう。
最後にバーキット博士は示唆に富んだ発言をご紹介します。
「国民の排便が多い国では病院は小さく、排便が少ない国は大きな病院である」
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