肥満を招く腸内細菌と肥満を防止する腸内細菌のお話し
肥満をまねく腸内細菌が存在する
◎糞便移植で肥満になったケース
腸内に特定の悪玉菌がはびこってしまった「やせた患者(母親)」に、「肥満をのぞけば健康な娘」の糞便を移植したところ、腸内の異常は改善しました。
大成功と思った矢先のことです。移植を受けた患者の母親が短期間に肥満になり、その後肥満が定着してしまいましたて。
このことから肥満をまねく腸内細菌が存在することがわかったのです。
ワシントン大学を中心とした研究グループが行ったマウスを使った実験でも、太ったマウスの糞便をやせたマウスの腸に移植したところ、やせたマウスが肥満になることが確認されました。
何度も同様の実験を行ったが、同じ結果になったと報告しています。
腸内細菌は食べ物で変化する
◎善玉菌を食べて育てて健康に
腸内細菌を一気に変えるには糞便移植という治療がありますが、日々の食べ物を変えることで腸内細菌の構成を変えることが可能です。
腸内には、無数の腸内細菌が生息していますが、細菌の種類によってエサにしている物が違います。
悪玉菌は、高タンパク、高脂肪のエサを好みます。
肉類が中心の欧米食では悪玉菌が優勢の腸内環境になります。
善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌、善玉菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維を多く食べる人の腸内環境は、善玉菌が優勢になり、病気にかかりにくい健康な体になります。
食事の内容を変えれば、2〜3週間ほどで腸内環境を変えられるという研究結果もあります。
肥満を防止解消する「クリステンセネラセエ」
◎やせる細菌クリステンセネラセエ
やせる細菌を食べてダイエットする時代が来そうです。
コーネル大学の研究者たちは、体形をスリムに保つのに役立っているとみられるクリステンセネラセエを特定したと報告しています。
腸内に「クリステンセネラセエ」という腸内細菌を持っている人はやせる傾向にあることが解明されたのです。
この細菌は、バクテロイデスと同じように短鎖脂肪酸を産生して、脂肪の蓄積を抑え、筋肉に脂肪を取り込んで燃焼する働きがあると考えられています。
このクリステンセネラセエを腸内に保有しているか否かは遺伝が関係しているといわれています。
マウスでの研究で、悪玉菌の大腸菌を遺伝子操作して腸内に移植すると食欲が抑えられることが報告されています。
微生物学の専門家は新著の中で、「抗生物質や過渡な衛生環境がいくつかの耐性菌を生み出し、人間と共に進化してきた有益な細菌を激減させている」ひどく嘆いています。
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