どんな状態が便秘なの?
便の構成は、約70〜80%が水分で、約20〜30%が消化し切れなかった食物や内分泌物、腸内細菌などの固形物です。
便秘の定義は、排便の量や排便の回数が減少し、自然排便のリズムが乱れ排泄物が長時間にわたり腸内に留まることで、水分が減少して便が固まり不快感の症状が現れることです。また、腹痛を感じる場合もあります。
通常は、一日に1〜2回の排便がありますが、個人差があり三日に1回という人もいます。
三日に1回の排便でも、特にお腹の張りや苦痛を感じずに快適に過ごしていれば便秘とはいえないといわれます。
反面で、毎日数回の排便があっても苦痛や残便感、不快感があれば便秘といえます。
便秘には大きく分類すると「急性便秘」と「慢性便秘」があります。
◎急性便秘
一過性単純性便秘と病気から起こる器質性便秘があります。
一過性単純性便秘は、食事の内容や量、精神的なストレス、環境変化などにより一時的に便秘になる場合をいいます。
また、器質性便秘は腸閉塞や腸捻転などの病気が考えられます。
女性の場合は子宮筋腫などの原因により腸管が圧迫されて便秘となるケースもあり、また嘔吐や下腹の激痛を伴うことがあればすぐに病院へ行きましょう。
◎慢性便秘
便秘が常態化して長期間にわたり便秘の状態をいいます。
腹筋力の低下などや老化などにより腸の機能低下で起こる機能性便秘と病気に起因する器質性便秘があります。
機能性便秘は慢性便秘のなかで一番多い便秘であり、弛緩性便秘・直腸性便秘・痙攣性便秘があります。
@弛緩性便秘:大腸の「ぜん動運動」が弱いために便通が悪い
高齢者や内臓下垂・病気で体力低下の人・腹筋が弛緩している女性などに起こりやすい便秘で、このタイプの便秘では「食欲低下・残便感・腹部膨満感・頭痛・肩凝り」などの症状を伴う事もあります。
A直腸性便秘:直腸の神経が鈍く便意が感じにくい「ぜん動運動」が起こらず排便が困難
高齢者や病気などで体が衰弱・便意の我慢・くり返しの浣腸などで便秘になりやすくなっています。
B痙攣性便秘:大腸の緊張でぜん動運動が強すぎる便秘、過敏性腸症候群など
過敏性腸症候群では、便秘と下痢が交互に起こったり、また、下痢が続くこともあります。
原因は精神的ストレスで、特徴としては食後に下腹部が痛くなり、便意があっても残便感があります。
便秘解消は、ウォーキングやヨガで
便秘は、便秘の種類や便秘になった原因によって違うので、便秘の改善効果が早く現れることもあります。
便秘の改善や解消には、日々の生活の中で継続することが大切です。つらい思いをしていた症状が和らいで改善されることも期待できるので継続してみてください。
運動や体操で便秘を改善、解消
毎日20分程度のウォーキングでも効果があります。歩く時にウエストが少し左右にツイストする感覚で歩けば内臓器官が刺激されて腸管の運動も促進されます。
また、便意を感じやすい朝コップ1杯の冷たい水を飲んで、腹筋やストレッチなどをすると腸も刺激されて効果的です。
☆便秘改善体操1
もとの姿勢に戻って同じ動作を5回繰り返す。
☆便秘改善体操2
約30秒キープし、ゆっくりもとの姿勢に戻して反対も繰り返す。
☆便秘改善体操3
約30秒キープし、息を吸いながら体を起こし、呼吸を整え、反対も繰り返す。
☆便秘改善体操4
約20秒キープし、ゆっくりと息を吐きながら、腕を後ろへ回して元の姿勢に戻る。これを3〜4回繰り返す。
☆便秘改善体操5
約15秒間キープし、3〜4回繰り返す。
両足をのばして座り、両手を背後につき支えて、下腹部や大腸を意識して両足を伸ばした状態でゆっくりと持上げて約30秒間キープする。これを3〜4回繰り返す。
カゴメ株式会社と医療機関の共同研究で植物性乳酸菌である「ラブレ菌」を便秘傾向を自覚する20-60歳の男女20名を対して摂取試験を実施したところ、ラブレ菌の摂取により便通が改善されるとともに、排便時の“いきみ”と血圧の上昇を抑制する効果あることが分かりました。
ツボ療法で便秘解消
東洋医学は、慢性病などにはとても良い効果を発揮します。
おへその斜め下あたりを指で時計回りに指圧してみましょう。
腸のぜん動運動が盛んになり便通効果を発揮します。
東洋医学では、体に経絡とツボがありエネルギーの流れがあるとされています。
ツボは全身に670種類ほどあると言われています。
ツボを指で刺激することで、気の流れを良くして症状を改善します。
ツボを刺激して腸のぜん動を促進して便意を促し便秘解消をしましょう。
☆大巨(だいこ)
大巨は、おへその斜め下にあるツボです。
おへそから自分の手の指の横幅3本分外側、指の横幅4本分下にあります。
ツボに手を当てて時計回りに10回程度ゆっくりと刺激してください。へその反対側の大巨も同様に刺激しましょう。
☆足の三里(あしのさんり)
足の三里のツボです。足の三里のツボに親指の腹を当てリズムを作って押して下さい。
便秘と下痢の両方に効果があります。
膝下から指4本分下に下がった、向こう脛からやや外側にずれた少し窪んだところです。
ツボを押す前に擦って温めましょう。息を吐きながら押して、吸いながらゆるめて下さい。リラックスしてゆっくりとした呼吸に合わせて押しましょう。
☆神門(しんもん)
反対の手の親指の腹をツボにあて、息を吐きながら呼吸に合わせて押して下さい。
毎日ほぼ決まった時間に便意を催す人もいますが、そうでない方は自分で少しリラックス出来る時間を作るようにして排泄を生活習慣として位置づけると良いと思います。
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