うつぶせ寝ローリング体操で便秘を解消
毎日、排便があり健康な人は睡眠中に大腸が大きく運動して便をつくっています。
便は大腸の上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸へと運ばれるうちにつくられて最後は肛門から排泄されます。
口から入った食べ物は食事の量や種類による違いはありますが、大よそ大腸に届くのが4〜9時間、S状結腸には12〜16時間、排便まで24〜72時間かかります。
便を直腸へと運ぶには腸のぜん動運動が必要ですが、大腸が食べた物の栄養分や水分を吸収するときに起こるのが大腸の「ぜん動運動」です。
ぜん動運動は、腸がくねくねと動く動作で便を直腸へとすすめます。
このぜん動運動で便を僅かに直腸へ進めることができます。ぜん動運動が頻繁に起こるのは睡眠中なのです。よって、睡眠不足は便秘の原因になります。
便秘の人や便秘ぎみの人は、ぜん動運動が弱く便をスムーズに直腸へと運べず時間がかかるため、その間に水分が失われ便が固まってしまいます。
便が固まると当然のことですが便秘になり腸管がふさがれてオナラも出なくなります。
オナラは腸内細菌が食べ物を代謝した時の副産物です。オナラは腸内細菌によって発生しますが、悪玉菌は有毒ガスを発生させます。
腸内細菌が代謝するガス(オナラ)
1.いも類などの食物繊維の多い食物
食物繊維は胃では消化されずに大腸まで届き大腸で善玉菌の乳酸菌などの腸内細菌によって水素やメタンのガスが発生します。
2.肉類、玉ねぎ、にんにくなどの硫黄分が多い食物
大腸に届くと悪玉菌のウェルシュ菌などによって代謝され腐敗して硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素、インドール、スカトールなどの有毒なガスが発生します。
特に悪玉菌が代謝した有毒ガスがオナラとして放出されれば良いのですが、便秘によって放出されないと腸壁から血中に入って体内を循環して汗から出て体臭となるばかりではなく健康にも悪影響を及ぼします。
また、腸にガスがたまると更に便秘を悪化させる悪循環に陥ります。
腸は食べた物の栄養分や水分を吸収するときに起こるのが、ぜん動運動です。
このぜん動運動でも便を僅かに直腸へ進めることができます。
排便に効果がある大ぜん動とは、腸は睡眠中に大きく動きます。
便を直腸に運ぶ大腸の大ぜん動とは
寝ているときにほんの僅かな時間に腸のS字結腸がダイナミックに動きます。このぜん動運動を特に「大ぜん動」といいます。
「睡眠の質が良い」「寝る前に食べていない」などの条件が揃った時に「大ぜん動」が起こります。
しかし、便秘の人では大腸にガスがたまるため、この「大ぜん動」が起きません。
うつぶせ寝ローリング体操の方法
便秘の解消効果が高い「うつぶせ寝ローリング体操」のご紹介です。とても簡単ですので次の方法で行ってください。
1.たたみやカーペットの床にうつ伏せになります。
2.大腸(ヘソ)の下あたりに座布団の二つ折り又はクッションを挟んで10分間程度安静にします。
3.10分が経過したら、うつ伏せの状態から左右にゆっくり5往復のローリングしましょう。
食べ物は食事の種類や量によって違いはありますが大腸に届くまでに4〜9時間程度かかりますので、うつぶせ寝ローリング体操は食後3時間が過ぎてから行いましょう。
うつぶせ寝ローリング体操で大腸を刺激することで大腸の動きが改善します。また、S字結腸→直腸→肛門と上に向くのでガスも出やすくなります。
うつぶせ寝ローリング体操を2週間行ったところ、便秘の人の約8割の人に便秘改善解消の効果があったそうです。是非、実行してみてください。
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