乳酸菌 エンテロコッカス属 (Enterococcus)
エンテロコッカス属の「エンテロ」は腸内、「コッカス」は球状という意味です。
球状をした腸内細菌ということになります。
1984年にストレプトコッカス属(Streptococcus)の腸管グループが独立した属です。
エンテロコッカス属は、ほ乳類の腸内に常在し形状が球菌又は双球菌の菌で糞便や消火管内容物から多く分離されます。
エンテロコッカス属は、グラム陽性の通性嫌気性球菌で糖を分解して乳酸である短鎖脂肪酸を産生するホモ乳酸型に分類されています。
エンテロコッカス属の代表的な菌種は、ほ乳類の回腸、盲腸、大腸に生息し「フェカリス」 や「フェシウム」などの菌です。
これらは、エンテロコッカスに属することから「エンテロコッカス・フェカリス菌」や「エンテロコッカス・フェシウム菌」と呼ばれています。
エンテロコッカス属は大腸菌よりも加熱や冷凍に強く耐塩性があります。摂氏60度の熱に約30分間も耐えることができる厳しい環境にも強い菌といえます。
「ビフィドバクテリウム属」、「ラクトバチルス属」、「エンテロコッカス属」を混合したものが整腸薬として製薬されています。
エンテロコッカス属は、種類が多い腸内細菌の中でも特に免疫の向上に効果を発揮する細菌で腸内で増殖が速い「新型乳酸菌」として注目され研究されている乳酸菌のひとつです。
様々な研究の結果からエンテロコッカス・フェカリス菌は生菌よりも加熱殺菌した死菌の方が免疫力を高める作用が強くなる事がわかっています。
私達が毎日食べているヨーグルトなどの乳製品や醤油、肉、魚、野菜などにも含まれています。
また、エンテロコッカス・フェカリス菌やエンテロコッカス・フェシウム菌は加熱処理をした死菌がヨーグルトやサプリメントがプレバイオティクスとして活用されています。
注意すべき点は免疫力が低下している時に生菌のエンテロコッカス・フェカリス菌やエンテロコッカス・フェシウム菌を摂取すると弱い病原性を持っているため全身に日和見感染を引き起こす場合もあります。
以上のことから、エンテロコッカス・フェカリス菌やエンテロコッカス・フェシウム菌の商品は加熱殺菌したものを選ぶようにしましょう。
エンテロコッカス・フェカリス菌には、善玉菌を活性化して便通を促進し腸内作用を改善する作用も報告されています。
更にコレステロールや中性脂肪を低下させる作用や白血球の働きを高め免疫力を強化する機能も報告されています。
研究者の間では、抗腫瘍効果や抗アレルギー、自己免疫病などへの応用にも期待されている有益な腸内細菌です。
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