ラクトバチルス・ロイテリ菌(Lactobacillus reuteri)は、哺乳類や鳥類の消化管に生息しているグラム陽性菌の一種で棒状をした乳酸桿菌の仲間です。
発酵時に乳酸のほかに二酸化炭素、アルコール、酢酸などの副産物を生成するヘテロ発酵を行います。
最適な発酵温度は45℃とされています。
ラクトバチルス・ロイテリ菌は、人や動物などの母乳に含まれている乳酸菌で母乳を飲むことで赤ちゃんは免疫力が向上することが報告されています。
ラクトバチルス・ロイテリ菌株は、スウェーデンの企業バイオガイアが保有している乳酸菌で、ペルーのとても健康な母親の母乳から分離されて培養したもといわれています。
非常に機能性が高い乳酸菌で多くの研究が実施されています。
WHOが定めているプロバイオティクスの条件を全て満たしている乳酸菌でもあります。
健康体の方では、体内に多く存在している乳酸菌ですが、食習慣などの変化によって、その数は減少しているといわれています。
ラクトバチルス・ロイテリ菌は、人の健康に役立つ細菌として下痢や便秘などの改善、胃がんの因子とされているピロリ菌や更に虫歯菌、歯周病菌の繁殖を抑える目的で幅広く使用されています。
ラクトバチルス・ロイテリ菌の特徴
ラクトバチルス・ロイテリ菌は、乳酸菌として分類された当初は間違ってラクトバチルス・ファーメンタム菌(Lactobacillus fermentum)のグループに分類されていました。
しかし、1960年代にドイツのゲルハルト・ロイター(GerhardReuter)博士の研究により再分類され、更に1980年に他の研究者によってファーメンタム菌とは全く異なる菌種であることが突き止められ、ロイター博士の名前にちなんでラクトバチルス・ロイテリ菌と命名されています。
ラクトバチルス・ロイテリ菌は、健康なブタやマウスなどのほ乳類やニワトリなどの鳥類のほとんどが保有していることが確認されております。
そして、それぞれの動物、鳥の種類ごとに特有のラクトバチルス・ロイテリ菌を保有していることがわかっています。
人ではラクトバチルス・ロイテリ菌は母乳に含まれている乳酸菌として知られています。
赤ちゃんは母親の体内から産道を通り生まる時にはじめて細菌に触れるといわれています。
赤ちゃんが病気にかかりにくいのは、母親の母乳からラクトバチルス・ロイテリ菌を摂取することで体を守っていることがわかっています。
ラクトバチルス・ロイテリ菌には、プロテクティス株とプロデンティス株の2種類があります。
プロテクティス株は人の試験により、胃がんの原因といわれているヘリコバクター・ピロリ菌の抑制効果が認められています。
もう一つのプロデンティス菌は、その名前の通り、最新の研究で口腔内の5種類の歯周病菌の増殖を抑制する作用のほかにう蝕、歯肉炎などを予防する効果を持っていることが明らかになっています。
以上の様な機能があることでサプリメントとして販売されています。
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