腸内フローラと植物性乳酸菌・動物性乳酸菌
腸内フローラを整える食品として乳酸菌が注目されて久しくなりますが、乳酸菌と聞かれてすぐに思い浮かぶのはヨーグルトではないでしょうか。
乳酸菌を含む食品として動物に由来する動物性乳酸菌と野菜や豆類などの植物に由来する植物性乳酸菌があります。
○動物性乳酸菌の代表格は、ヨーグルトやチーズなどです。
○植物性乳酸菌の代表格は、納豆やお味噌です。
動物性乳酸菌と植物性乳酸菌は、いずれも腸内細菌の悪玉菌の活性化や増殖を抑えて、善玉菌が優位の腸内環境をつくる働きをしてくれる大切な細菌です。
世界各地では、昔から家畜の乳を搾って発酵させた乳酸菌が食べられてきました。
例えば、コーカサス地方の「ケフィア」やカスピ海ヨーグルトは一般的にも知られていますが、これらは動物性乳酸菌です。
一方、日本では野菜や豆類を発酵させて作ったお味噌や醤油、漬物などが伝統的な食品として食べられてきました。
これらは植物性乳酸菌です。
韓国でもキムチは、13世紀初頭から食べられている伝統的な植物性の発酵食品です。
動物性の乳酸菌は、栄養が豊富な動物の乳を栄養源として増殖するものです。
一方、植物性の乳酸菌は動物性の乳酸菌よりも厳しい環境で増殖します。
通常、殆どの細菌は胃の強力な消化酵素で死滅しますが、植物性乳酸菌は生きて腸までとどく事がわかっています。
最近の研究で、動物性の乳酸菌のように腸に到達した時に死菌であっても腸内細菌の善玉菌のエサになり腸内フローラにとって有益な働きがありますので、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌のどちらが良いとも一概にいえません。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌をバランス良く食べることが腸内フローラを整えるポイントです。
近年の食事の欧米化により、日本人の腸内細菌も変化をしてきたといわれています。
その一つの例が、大豆に含まれるイソフラボンという成分を腸内細菌が作用してシワを予防する「エクオール」を産生しますが、日本人では約半数がこの「エクオール」を産生する細菌を保有しています。
しかし、若い年齢ほどその割合が低くなっています。大豆の発酵食品を食べる機会が減っている事が原因との説もあります。
ちなみに、この「エクオール」を産生する腸内細菌は「ラクトコッカス20-92」など約15種類が発見されています。
私たちの先祖が発見した植物性の乳酸菌を積極的に食べて、腸内フローラを整えて善玉菌が優位な環境にすることで、健康の維持増進や美容に有効な腸内細菌を取り戻しましょう。
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