日本の子どもの腸内フローラはビフィズス菌が豊富
人は「おぎゃー」と産まれた瞬間には、まだ微生物に触れておらず無菌状態です。
生まれた直後から母乳や人にふれ合ったりすることで、様々な細菌と接し菌を保有することがわかっています。
そして成長するに伴って、それぞれ個別の腸内フローラを形成していきます。
腸内フローラ(腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう)とは、腸内の「善玉菌」、「悪玉菌」、「日和見菌」の生態系全体のことです。
九州大学とヤクルト、シンガポール国立大学が共同でアジア諸国の5ヵ国の子ども達を対象にした腸内フローラを調査研究した結果、日本の子ども達には、善玉菌のビフィズス菌が多く悪玉菌のグラム陰性菌が少ないと報告しています。
ビフィズス菌
有益菌で腸内感染の予防・免疫作用の活性化・整腸作用などの他にも糖を分解して乳酸と酢酸を生成し腸内を弱酸性に保ち悪玉菌を増殖させない働きがあります。
アジア地域では二つのタイプの腸内フローラ
今回の調査では大きく2タイプの腸内フローラに分類される事が分かりました。
その一つが日本の子ども達のビフィズス菌とバクテロイデス菌が多いタイプで、
もう一つが食物繊維の食べ物が多いインドネシアの子ども達は、食物繊維の分解に優れているプレボテラ属細菌が多いタイプでした。
腸内フローラの形成には、普段の食べ物や生活環境、薬などの要因の他に遺伝的な要素も関係していると考えられています。
今回の調査で、日本の子ども達に特に善玉菌のビフィズス菌が多かった要因として食習慣や生活環境が影響していると考えられています。
バクテロイデス菌
日和見菌のバクテロイデス菌は、肉食中心の欧米人に多いことが明らかになっています。
以前、バクテロイデス菌は、悪玉菌に分類されていましたが、最近の研究でバクテロイデスが生成する短鎖脂肪酸が肥満を防止する働きを持っていることが解明されています。
プレボテラ属細菌
炭水化物、低脂肪、高繊維などの野菜中心の食習慣がある地域では、プレボテラ属細菌が多い傾向がみられました。
プレボテラ属系の細菌が加齢とともに増加して、プレボテラ属細菌が生成するイソ吉草酸は、揮発して口臭の原因となることが知られています。
子どもの頃からの腸内環境が大人になっても引き継がれて健康を左右することが分かってきました。
大切なお子様の将来のためにも、今日から『善玉ガード』を始めてみませんか?
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