機能性野菜は、高成分野菜とも呼ばれ、本来は全く含まれないか、ごく微量にしか含まない抗酸化作用を持つビタミンやファイトケミカルなどの有効成分を、特殊な栽培技術を用いて含有量を多くしたり、逆に少なくした野菜のことです。
代表的な機能性野菜として「ブロッコリースーパースプラウト」や「ブロッコリースプラウト」、「マルチビタミンB12かいわれ」などが栽培されています。
機能性野菜が開発され商品化されることによって、少しの量で多くの必要成分を摂取することができるメリットがあります。
また、摂取しないほうが良い成分を制御することが可能になります。
ピーマンや人参など子どもが食べづらい野菜の栄養素を他の食べやすい野菜に移すことで効率よく、またバランスのよく栄養を摂取することができます。
機能性野菜として販売されている野菜
さらさらゴールド
「さらさらゴールド」は、機能性野菜としての玉ねぎの商品名です。
玉ねぎは、もともと血液をサラサラにする成分「ケルセチン」が豊富に含まれていることで知られています。
「さらさらゴールド」には、従来の玉ねぎの2倍から5倍ものケルセチンが含まれています。
「ケルセチン」抗酸化作用を持ったポリフェノールの一種で、がんや糖尿病、動脈硬化、高血圧予防などの生活習慣病の予防や改善が期待されます。
「さらさらゴールド」の研究開発には、世界から300種類の玉ねぎを取り寄せて調べた結果、緯度か高く、かつ寒冷地の方がケルセチンの含有量が高いことがわかりました。
厳しい自然環境で育った方が自身を守ろうとして抗酸化物質をたくわえるのです。
ブロッコリースーパースプラウト
解毒作用と抗酸化作用
ブロッコリーに含まれている「スルフォラファン」は、解毒作用や抗酸化作用があるファイトケミカルの一種で少し辛みのある成分です。
機能性のブロッコリーとして開発された「ブロッコリースーパースプラウト」はスルフォラファンが通常のブロッコリーの2.5倍から3倍も含まれています。
活性酸素によって細胞が傷つけられるとDNAが突然変異をおこして細胞ががん化しますが、スルフォラファンにはこの活性酸素を抑制する作用があります。
ピロリ菌の殺傷作用
米国ジョンズ・ホプキンス大学とフランス国立科学研究センターの共同研究により、スルフォラファンには、ピロリ菌を殺す作用があることが解明されています。
ピロリ菌は、胃炎や胃がんを引き起こす悪玉菌の一種で、昔井戸水等の汚染された水を使用していた高齢者層に感染者が多いとされています。
また、筑波大学の研究では、スルフォラファンを高濃度含んでいるブロッコリースプラウトを1日70g、2ヶ月摂食した結果、ピロリ菌が8分の1に減少したと報告しています。
メタボ予防
城西大学薬学部の研究によるマウスを使った実験で、高脂肪食を与えながら同時にブロッコリースーパースプラウトを与えた結果、メタボの原因である内臓脂肪蓄積が抑制されることが確認されました。
この結果により、ブロッコリースーパースプラウトのメタボリックシンドロームの予防に期待が高まっています。
花粉症の予防
東京理科大学の研究では、マウスを使った実験でブロッコリースプラウトエキスをマウスに与えた結果、スギ花粉による花粉症のアレルギー症状を抑える効果が確認されたと報告しています。
高リコピントマトの抗酸化作用
トマトジュースやトマトケチャップの老舗であるカゴメは 、トマトの品種1万種類のうちから7500種を保管して開発したのが、リコピンの含有量が従来の1.5倍という抗酸化力の強い「高リコピントマト」です。
カロテンを多く含むピーマン
ピーマンの苦味は、子どもには食べにくいものです。
苦味をなくした「子どもピーマン」が開発されています。「子どもピーマン」は、普通のピーマンに比べてビタミンCは約1.5倍、カロテンは2倍も多く含まれています。
人参「京くれない」にはトマトの2倍のリコピン
ニンジンはβカロテンを豊富に含んだ野菜ですが、機能性野菜として開発された人参「京くれない」には、大玉トマトの2倍のリコピンとカロテンが含まれています。
腎臓患者向けの低カリウムレタス
含有成分をあえて減らしているものもあります。
ドクターベジタブルと命名された低カリウムレタスは、人工透析等の治療をしている腎臓病患者を想定したレタスで、普通のレタスのカリウム含有量を2割以下に抑えることに成功しています。
カリウムの含有量だけを抑えて他のカルシウムやビタミンCは残すように開発されています。
機能性野菜の栽培方法
機能性野菜の生産技は、品種改良によるもので、は遺伝子組み換えによる生産ではなく安心して食べられるメリットもあります。
主に生産は、水栽培で行われておりLED電球の光の色を調整することで野菜に含まれる栄養分を人工的に調節しています。
レタスの抗酸化成分を多くしたい場合は、紫外線に似た青色のLED電球を強くあてることで抗酸化成分を自らの葉に蓄えようとする植物本来の性質を利用しています。
この様にして栽培された野菜は、通常の野菜の価格の2倍から3倍ですが、冷蔵庫での保管期間が通常の野菜の約2倍もあります。
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