りんごポリフェノールは、1990年にアサヒグループのニッカウヰスキーが発見しました。
りんごは、昔から「医者要らず」といわれている通り、生活習慣病の予防改善効果があります。
りんごには、プロシアニジン、カテキン、エピカテキン、クロロゲン酸、ケルセチンなど様々なポリフェノールが含まれております。
中でも、抗酸化力の強いプロシアニジンがりんご1個に100〜150ミリグラム含まれています。
りんごポリフェノールは、りんごの皮に多く含まれていますので、皮ごと食べた方がポリフェノールを効率よく摂取することができます。
りんごポリフェノールの健康効果
りんごポリフェノールの一番の特色は活性酸素を除去する抗酸化作用です。
1.動脈硬化を予防
脂肪の酸化を防ぎ、動脈硬化を予防して血流を改善します。
2.美白効果
りんごポリフェノールは、スキンケア商品にも配合されている通り、紫外線をカットするとともにメラニン色素の過剰な生成を抑えて白い肌へと導く効果があります。
3.アレルギーを抑制する効果
アレルギーは、免疫システムの過剰な反応ですが、りんごポリフェノールは、免疫機能を調整してアレルギー反応を抑制する作用が確認されています。
4.ダイエット効果
脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きを弱め、小腸からの脂肪の吸収抑えて排泄する働きがあります。
また、肝臓の脂肪酸合成酵素の働きを抑制して、脂肪をエネルギー源として燃やす酵素の働きをサポートする働きがあります。
このようにりんごポリフェノールはダイエットに効果的な成分だといえます。
5.コレステロール値を下げる効果
臨床試験では、りんごポリフェノール600mgを摂取した後、食事を行ったヒトの血液を検査すると血中のコレステロール値や中性脂肪値が約20%下がったという報告があります。
りんごポリフェノールには、脂肪の吸収を阻害するだけでなく、コレステロール値を下げる効果も確認されています。
6.老化を防ぐ効果
活性酸素は、体内に侵入したウイルスや細菌を殺すたいへん有効な作用があります。
しかし、活性酸素が増えすぎると正常な 細胞までも傷つけ体を酸化させてしまいます。
体の酸化は、肌のシワ、シミの原因になり、結果的に老化を早めてしまいます。
りんごポリフェノールは、活性酸素の働きを抑えて、正常な細胞を守る働きがあります。
7.口臭を予防する効果
口臭の原因になるメチルメルカプタンを抑制する作用があります。
また、歯垢を抑える作用があることもわかっています。
りんごポリフェノールの強い抗酸化作用は、カテキンがいくつかつながったプロシアニジンという水溶性の成分です。
プロシアニジンの強い抗酸化力を活用した食品や化粧品があります。
りんごの変色と復活
りんごを切って時間が経つと茶色に変色しますが、ポリフェノールが空気中の酸素と結合して起こる酸化反応です。
切ったりんごの断面に塩水やお酢を塗っておくことで、酸化を防ぐことができます。
人によるりんごポリフェノールの効果の研究
日常的に疲れを感じている40〜60代の男女を対象に活性酸素が体に及ぼすダメージを調べる研究で次の結果が得られました。
被験者に対して、12週間にわたってりんごポリフェノール200ミリグラム、ビタミンE、ビタミンCなどの抗酸化物質を配合したカプセルを摂取してもらった後、問診や血液生化学的検査、尿検査、アンケートなどを通じて体調の変化を調べました。
この結果、酸化ストレスの数値か高い人では「酸化ストレスマーカー」が明らかに改善していました。
また、疲れや睡眠など37項目について意識調査し点数化した結果、次のような改善が有意にみられました。
1.疲れやすさの改善
2.寝つきの悪さの改善
3.持久力のなさが改善
この研究結果から、りんごポリフェノールが、加齢による疲れ、体力低下などの症状に有効である可能性が示されました。
血清アルブミンの値と影響
順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座の白澤卓二教授は、りんごポリフェノール配合剤の摂取により、血液中を流れるタンパク質「血清アルブミン」の量が増えたこと報告しています。
○血清アルブミン値が高い人ほど栄養状態が良く、老化速度が遅くて病気になるリスクも低い。
○逆に血清アルブミン値が低いと低栄養になって老化速度が速く、体力が落ちて、介護が必要な状態になりやすく生存率も低い。
現在、血清アルブミンを増やす薬は開発されていませんが、りんごポリフェノールが低栄養を防ぎ、介護予防や病気予防の突破口になる可能性があるとして研究が続けられています。
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