1995年 アディポネクチンを発見
大阪大学教授であった松澤佑次氏がアディポネクチンを発見しました。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される善玉コレステロールであることが判明し、メタボになると分泌が減少することがわかってきました。
2001年 インスリン感受性を高める作用を証明
日本糖尿病学会の門脇孝理事長が、アディポネクチンはインスリン感受性を高める作用があり、糖尿病を抑制する作用があることを証明しました。
2003年 必須の受容体を発見、長寿遺伝子の活性化に関連
アディポネクチンを作用させる必須の受容体である「AdipoR1」と「AdipoR2」を発見しました。
そして、アディポネクチンの作用低下により、骨格筋や肝臓、マクロファージなどが影響を受けて糖尿病や脂質異常などにつながることを一元的に説明出来る可能性がでてきました。
また、長寿遺伝子のサーチュインの活性化にも、運動やアディポネクチンが一役買っている可能性も高くなりました。
運動は肥満を解消するとともにアディポネクチンの作用を高め、糖尿病の予防や改善につながる事が解明されていても、実際に運動を継続することは難しく、メタボの人は膝や腰を痛める事もあります。
アディポネクチンと同じような働きをするアディポロンを発見
2013年 600万種からアディボロンを発見
アディポネクチンを製薬するのは難しく、受容体であるAdipoRにピッタリとはまる薬の開発に着手しています。
善玉ホルモンのアディポネクチンと同じような働きをして、アディポネクチン受容体を活性化するアディポロンと呼ばれる化合物が600万種の中から発見されました。
マウスの実験でも、インスリン抵抗性や糖代謝、筋持久力の改善が顕著にみられています。
また、アディポネクチンを与えたマウスの寿命が有意に延伸されています。
日本糖尿病学会の門脇孝氏は、「5年以内にアディボロンの実用化を目指したい」と話しております。
新薬の開発には製薬会社の協力が不可欠ですが、製薬会社との共同開発の検討に入ったとのことです。
今後は、臨床研究を進めながら、新薬の開発と実用化に期待が高まっています。
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