酸性雨は水や土壌の汚染の大きな要因の一つ
酸性雨は工場からの排気や煤煙、車の排気ガスが原因
海洋や湖沼、河川から蒸発した水分は、地球規模の循環システムで蒸発した海洋や地表へ戻ります。
この循環の中で様々な物質が水に取り込まれます。
蒸発した水蒸気は大気圏内で凝結して雨となり海洋や地表に降り注ぎます。
工場からの排気や煤煙、車の排気ガスの主な成分は、有害物質の硫黄酸化物やチッソ酸化物などです。
これらの汚染物質は太陽の光で化学反応を起こし、雨に取り込まれて海洋地表に降ってきます。
多くの汚染物質を含んだ雨は、強い酸性を帯びており、酸性雨と呼ばれ深刻な影響を及ぼします。
私たち人間は、これらの酸性雨に濡れれば皮膚から体内に有毒物質が侵入して病気の原因になります。
土壌が酸性化すると植物が枯れる「緑のペスト」
酸性雨が降り続けば、植物が育ち微生物が生息している弱アルカリ性の土壌は酸性に変化します。
土壌が酸性に変化すると、微生物は死滅し、植物は枯れてしまいます。
この酸性雨が河川や湖沼に入れば、水中の生物も死んでしまいます。
1970年代にヨーロッパで酸性雨による森林の被害が深刻になりました。
森の緑が枯れて突然失われるため、「緑のペスト」と呼ばれました。
土壌汚染が進んだ土地で栽培された野菜や果物は有害物質を含んでいるので、私たちにも健康被害が及ぶことになります。
酸性雨は水汚染の大きな要因
一度、酸性雨に侵された土壌を以前の環境に戻すことは難しいといわれています。
酸性雨は水や土壌の汚染の大きな要因のひとつですので、世界的な取り込みが不可欠となります。
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