家庭で出来る水質汚染対策

家庭の排水が水質汚染につながる

江戸時代の水事情

日本の水道のはじまりは、徳川幕府の初期までさかのぼります。

当時、幕府が置かれた江戸に住む町民の生活用水を確保するために神田上水、玉川上水などの水源から傾斜を利用し水路が造られ民家に供給されました。

上水という名称も水源との位置関係から名付けられたのでしょう。

昔は、きれいな水を確保する事はさほど難しいこ事ではありませんでした。

しかし、近年では水の汚染が進み、生活用水として使用できる水が少なくなっています。

水質を汚染させないために私たちが家庭で使用する水の排水について考え、注意する時期にきています。

戦後の高度経済成長の時期に日本各地で工場が排出した有害な廃液や排煙により各地で公害が発生して、多くの方が亡くなり、また後遺症に苦しめられました。

水は地球を取り囲む大気圏の中で循環をしてるので、家庭から排水された水も将来再び生活用水や工業用水で使用されることを考え家庭の排水に配慮しなければなりません。

家庭の排水には注意と工夫が必要

水質汚染対策のため食器洗いは洗剤を使いすぎない事
「洗剤は水質汚染の原因」

私たち日本人は水道から供給される水を当然のように使用していますが、世界には水不足で命を落としている人がたくさんいます。

水を大切にしましょう。

例えば、動物性の脂が付いたお皿を洗う時にスポンジに洗剤を付けて蛇口からの水で洗い流していませんか？

この時に脂と洗剤が水質汚染の原因になります。また、この洗い方だと多くの水を使うことになります。

少し工夫することで脂や洗剤の量を最小限にして水質汚染も抑えることが出来ます。

最初にお皿に付いた脂を新聞紙やぼろ布でふき取り、少量の洗剤で洗うことで水質汚染を少なくすることが出来ます。

家庭から排水する有機物が汚染の原因になります。

（有機物とは、炊事、洗濯、入浴で排出される物質の総称とお考え下さい。）

１、台所

台所で発生する有機物は、食べ残しや飲み残し煮汁や油、調味料など。

対策として

①シンクに設置した三角コーナーの濾し穴が小さいものを取り付け小さな物も流さないようにする。

②米のとぎ汁でも水質汚染の原因となるので、植木などの植物に散布する。
また、水質汚染対策として考案された無洗米を利用する。

③食後に皿に残ったソースやマヨネーズ、フライパンに残った油等は新聞紙などの紙やボロギレなどを使って拭き取ってから洗う。拭き取った紙やボロギレはゴミに出す。

④味噌汁は具材、汁ともに残さず食べ、煮汁等は冷凍庫に保存しておき、他の料理のだし汁に活用する。

２、洗面所

洗面所から発生する有機物は、歯磨き粉、歯磨後の排出物、石鹸や髪や皮膚からの老廃物。

対策として

練り歯磨きは、一度に使う量が多すぎる傾向があり、少量でも十分に効果があるので使用量に注意する。歯磨きの間は水を止める。

３、洗濯

洗濯で発生する有機物は、衣類から出る老廃物やたんぱく質、脂や泥等の汚れ。

対策として

洗濯洗剤は、多すぎても効果は変わりません。適切な量を使用する。

４、お風呂

お風呂で発生する有機物は、体や髪から出る脂や汚れ。

対策として

石鹸やシャンプーの使用量を極力少なくする。

環境にやさしい洗車を工夫

洗車にも地球環境を意識しましょう

以前に比べ、ガソリンスタンドに設置されている洗車機は高性能となって効率よく洗車が出来るようになり使用する水も大幅に減っています。

洗剤なとが混ざった汚水を減らせる点からも地球環境に良い傾向です。

愛車を手洗い洗車する場合も、地球環境に心を配りましょう。

洗剤は中性洗剤を使用しましょう。

アルカリ性の洗剤は、有機物を溶かして化学反応により金属の水酸化物を生成し、水質の汚染だけでなく水中生物に大きな影響を与えます。

また、中性洗剤も水1000mlに対して20ml程度に抑えても十分な洗浄効果がありますので、洗剤の余分な使い過ぎに注意しましょう。

使用する水も効率よく意識して使い、極力最低限の水で洗車するように意識しましょう。

周囲の環境、地球の環境を意識して、水を汚さず、周りを汚さない様に心を配りましょう。

水質汚染を減らそうとする自覚が大切

水質汚染対策はみんなの自覚が必要

水質汚染対策はひと手間かかります。

また自分だけが対策しても微々たることだと思っていませんか。

将来の子供たちのためにも、ご紹介した水質汚染対策に取り組みましょう。

より多くの人が水質汚染対策に取り組めば必ず効果があらわれます。

いつまでも、きれいな水や森林を残しましょう。

地球の環境と水