「エンテロタイプ」
エンテロタイプ(enterotype)
エンテロタイプとは腸内フローラのパターンのことです。
エンテロは「腸」、タイプは「型」ですので、腸内細菌の構成に種類があることになります。
人の腸内フローラの構成は、性別や人種に関係なく食生活に密接に結びついていることが明らかになっています。
そして、このエンテロタイプは肥満や生活習病、アレルギー、腸疾患などの発症に関連している事が解明されています。
短期的な食事ではエンテロタイプの変化には至らず、長期的な食事の内容が腸内細菌に影響を与えてエンテロタイプの構成を形成します。
エンテロタイプは、「ルミノコッカスタイプ」、「バクテロイデスタイプ」、「プレボテラタイプ」の3種類に分類されています。
「ルミノコッカスタイプ」
「ルミノコッカスタイプ」とはグラム陽性菌でフィルミクテス門の多くを占めるルミノコッカス属が多いグループです。
日本人やスウェーデン人は8割以上がこの「ルミノコッカスタイプ」といわれています。
腸内にルミノコッカス属が増加するとバクテロイデス属が減ることが解明されています。このルミノコッカス属が増えると糖質の吸収と脂肪の蓄積が促進され脂肪組織から炎症サイトカインが分泌されて、脳梗塞や心筋梗塞、腎臓病などが生じやすくなるとする研究結果があります。
「バクテロイデスタイプ」
「バクテロイデスタイプ」とは腸内フローラにバクテロイデス属が優位なグループです。バクテロイデス属はグラム陰性の嫌気性細菌で米国人や中国人に多く見られます。
低炭水化物、高脂肪、高タンパクの食事を習慣的に摂取するとバクテロイデス属が増加することが知られています。
「プレボテラタイプ」
「プレボテラタイプ」とはプレボテラ属が優位なグループで食物繊維を長期間にわたって摂取するとこのタイプの傾向になります。難消化性の食物繊維の摂取が多いアジア人、中南米やアフリカの人々に多くみられるタイプです。プレボテラ属は口腔内細菌に多くみられる嫌気性グラム陰性菌です。このタイプでは、歯周病や深頸部の感染症、誤嚥性肺炎に関連性があり、口腔ケア、歯磨きなどにより歯周病を予防することが大切です。
腸内の細菌のタイプをあらわすことば「エンテロタイプ」についてご紹介しました。この3タイプを大まかなにとらえてもよいのではないでしょうか。
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