腸内フローラ 「短鎖脂肪酸」

「短鎖脂肪酸」

 

短鎖脂肪酸(Short-chain fatty acid)
 
脂肪酸の一部で、炭素数6以下が短鎖脂肪酸に分類されます。
 
具体的には酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸などです。
 
短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維を代謝するときに産生されます。
 
この短鎖脂肪酸は腸内環境を弱酸性にするので、善玉菌の活動が活性になり、悪玉菌の活動が抑えられるため、悪玉菌が産生する有毒な物質やガスが抑えられます。
 
更に一次胆汁酸を発がん物質の二次胆汁酸に変換しにくい環境になります。
 
腸内環境が弱酸性になればカルシウムやマグネシウムなどの重要なミネラルが水溶性に変化し、体内にスムーズに吸収されやすくなります。
 
このように、健康維持に欠かせない役割を果たしていますが、人の腸内では、酢酸、プロピオン酸、酪酸の3種が代表的な短鎖脂肪酸です。
 
潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や抗生物質の影響により特定の悪玉菌が急増するクロストリジウム・ディフィシル感染症の患者の腸内の細菌の構成は、酪酸産生菌の数が減っているケースが多いことが解明されています。
 
日本では、まだ臨床試験中ながら、健康な人の糞便を患者の腸内に直接移植する糞便移植治療で改善効果がでています。
 
腸内に短鎖脂肪を産生するには、食物繊維やオリゴ糖を摂取することが重要です。

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