ワルシャワ医科大学小児科と兵庫医科大学小児科学の共同研究により、夜泣きや長泣きの原因である乳児疝痛に腸内細菌のロイテリ菌に改善効果があることが分かったと報告しました。
ロイテリ菌の効果によって夜泣きや長泣きが4分の1に減少することが分かり、乳児の母親に朗報です。
疝痛のある乳児の糞便には大腸菌が多く、ビフィズス菌や乳酸桿菌が少ないことが判明し乳児疝痛は腸内フローラに深く関与していたと発表しました。
乳児疝痛とは
「夜泣き長泣きの原因は腸内細菌がアンバランス」
健康な乳児が何時間も泣きやまず、原因が分からない場合乳児疝痛の可能性があります。
主に夕食の時間帯から寝る時間にかけて起こる夜泣きは、母親や家族の寝不足で疲労やストレスとなって苦痛を訴える人が多くなっています。
余りにも泣き止まないために乳児の体を揺すりすぎると内出血などを起こして揺さぶられっ子症候群の危険性もあります。
国際小児科学会では、乳児疝痛の可能性の症状として、健康な月齢3ヶ月前後の乳児が「1日合計3時間以上」「週に3日以上」「3週間以上継続して」号泣する状態で「3の法則」として知られています。新生児全体の約26％が乳児疝痛に該当すると想定されています。
生後3ヶ月程度で自然とおさまることが多いため「3ヶ月コリック」とも呼ばれていますが、個人差があって3歳くらいまで続くこともあります。
乳児疝痛は、病気ではなく、激しい腹痛を伴うため乳児が激しく泣き続けるのが特徴です。日本では昔から「泣く子は育つ」と言われてきたので、小児科医も原因をあまり問題視してきませんでした。
乳児疝痛は、以前からアレルギーや腸管の何らかの異常などが考えられていましたが、原因は解明されていませんでした。
米国の研究で、夜泣きや長泣きの原因は乳児期の腸内細菌のアンバランスが原因の1つである事を証明しました。
この研究では、夜泣きのある乳児を持つ90人母親を2つのグループに分けて、一方の乳児には胃腸の薬、もう一方の乳児には人由来のロイテリ菌を与えて比較したところ、約1週間でロイテリ菌を与えた乳児に夜泣きに改善効果が現れました。
引き続き乳児に人由来のロイテリ菌を２８日間に与えたところ、95%の乳児の夜泣きの時間を4分の1に減らす結果となったと報告しています。
一方で薬を飲ませた乳児は7%しか改善しなかったそうです。
夜泣き長泣きに改善効果があるロイテリ菌とは
「母乳にはロイテリ菌が含まれている」
ロイテリ菌は、スウェーデンのバイオガイアが保有する菌株で、南米ペルーの高地に住んでいる健康な母親から分離、培養されました。
世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)が定めるプロバイオティクス(人体に有益な働きをする生菌)の条件を全て満たした菌として知られています。
プロバイオティクスとは、人体に有益な作用をする善玉菌で胃腸の働きを促進させたりコントロールするなどとても重要な働きをしている細菌のことです。
ロイテリ菌の働きとして次のような有益な効果が確認されています。
１．腸内の悪玉菌の増殖を抑制して腸内細菌のバランスを改善して維持する。
２．ピロリ菌の増殖や活性化を抑制する。
３．歯周病や歯肉炎、う蝕を抑制する。
４．機能性腹痛の激しい痛みを改善する。
５．乳児の逆流性食道炎を減少させて胃から腸への移動をスムーズにする。
ロイテリ菌どんな成分
「ロイテリ菌は乳酸桿菌」
ロイテリ菌の正式名称は「ラクトバチルス属ロイテリ種ロイテリ菌」で乳酸菌に属しています。
ほ乳類の母乳に含まれている細菌で乳児が母親から母乳を飲むことでロイテリ菌を腸内に蓄えていると言われています。
しかし、近年の食品添加物や強いストレスなどの影響によって母乳に含まれているロイテリ菌が減少していると専門家が指摘しています。
ロイテリ菌の安全性、副作用
ロイテリ菌は、WHOとFAOの定めるプロバイオティクスの条件を満たしており、約85の国と地域の医療機関で臨床採用され薬局・薬店でも販売されています。
乳児にも与えやすい液体タイプの本サプリメントは、米国FDAの安全認証である「GRAS」認証を取得し安全性と有効性が高く評価されて乳児用プロバイオティクスサプリメントとして液体タイプが販売されています。
ただし、敗血症を患っている乳児は飲むことを禁止しています。
安全を確認する試験が繰り返し行われ、ロイテリ菌は健康な乳児には全く副作用はなく安全との結果が得られています。
チャイルドヘルスはどの様に飲みますか
「ロイテリ菌のチャイルドヘルスベビー」
スウェーデンのバイオテクノロジー企業バイオガイアが保有する菌株で日本ではバイオガイアジャパン（株）が「チャイルドヘルスベビー」の商品名で販売しています。
「チャイルドヘルスベビー」を飲むにあたって副作用などの心配はありません。
１．乳幼児から高齢者まで年齢に関係なく効果は期待できます。
２．使用量は年齢に関係なく毎日1回5滴を飲んでいただきます。
３．母乳由来のロイテリ菌は、もともと母乳に含まれている乳酸菌ですので1日に5滴以上飲んでも副作用などの心配はありません。
４．飲んだ後に水やお茶などの飲料を飲んでも効果が弱くなるといったことはありません。
５．乳児の予防接種については、ロイテリ菌は母親の母乳に含まれている細菌ですので、チャイルドヘルスベビーを飲んでいても問題ありません。
「記事参照元」
https://www.atpress.ne.jp/news/106627
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