大阪大学などの研究グループは、潰瘍性大腸炎などの腸の炎症を抑えるたんぱく質Lypd8を発見したと発表しました。
潰瘍性大腸炎は、慢性的な腸の炎症で下痢や腹痛などを伴い、重度になると腸の炎症部分を切除することもあります。
潰瘍性大腸炎の発症のメカニズムはまだ詳しくは解明されていません。
根治する治療法が確立されておらず日本での発症者数は14万人以上ともいわれ国の難病指定の疾患に認定されています。
欧米などの先進国でも患者数が増加傾向で、根治に向けた最新の治療法として健康な人の便を移植する「便移植療法」が効果を発揮しており注目されています。
便移植療法は、日本では慶応大学、順天堂大学、藤田保健衛生大学などの大学付属病院で臨床検査が実施されおり改善効果がでています。
今回の大阪大学を中心とした同研究グループは、腸の炎症を抑えるたんぱく質Lypd8を無くしたマウスを作製して観察したところLypd8を無くしたマウスでは腸の粘液層に腸内細菌が多数侵入して重篤な腸炎を発症することを突きとめたと報告しています。
「Lypd8」は、高度に糖鎖に結合してつなぎ止めているたんぱく質で大腸内に分泌され特に鞭毛を持つ有害な腸内細菌に結合して運動性を抑え細菌の粘液層への侵入を防御していることもわかったと報告しています。
腸の粘液層は、腸管バリアとして働き有害菌の侵入を防いでいると考えられていましたが、今回の研究はそれを裏付ける研究結果になりました。
腸の粘液層では、IgA抗体が粘膜バリアとして重要な働きをしています。
腸内細菌は粘液層に入ることで腸内に止まることができます。人にとって有益な細菌も有害な細菌も粘液層に入り込んでより長く生き続けようとします。
しかし、この粘液層に簡単入る事はできず、IgA抗体が厳格に選別し認められた腸内細菌だけが粘液層に引き入れられてとどまることができます。
今回の研究グループでは「たんぱく質Lypd8の補充療法などの粘膜バリア増強による新たな治療法の開発が期待される」としています。
また、体内のIgA抗体を活性化することで腸内環境を改善し潰瘍性大腸炎などの炎症性の腸炎を予防改善することができると考えられます。
筆者も数年前に健康診断で便の潜血反応があり、大腸内視鏡検査によって潰瘍性大腸炎と診断され、食事に気を付けることで症状がおさまっています。
現在は、担当医と相談をして年に1回の大腸内視鏡検査を受け経過観察を行っています。
特にネバネバした食品は、腸管粘膜を強化する働きがあると言われています。
私が、欠かさず毎日食べている食品は納豆とメカブです。
腸を整えて改善するネバネバ食品
１．イモ類では、山芋、里芋など
２．野菜類では、オクラ、明日葉、モロヘイヤなど
３．海藻では、昆布、ワカメ、メカブ、モズクなど
４．きのこ類では、なめこ
５．発酵食品では、納豆
ネバネバの成分は、「ムチン」「アルギン酸」「フコダイン」「ペクチン」などで、いろいろな種類の単糖が集まった多糖で長さや糖の種類によってネバネバ感も違います。
これらの食品は、食物繊維でも水溶性食物繊維で、急激な血糖値の上昇を抑える作用もあります。
腸内環境を整えるこれらの食品を意識して食べましょう。
「記事参照元」
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