就活、履歴書の書き方

 

就活、履歴書の書き方

 

就活において、履歴書を書くことが最初の一歩ですから、履歴書の書き方を学ぶことは就活のスタートの成否を左右します。

 

ここでは、履歴書を実際に書くときの留意点をお話しします。最大限のケースを述べますので、記入欄のないものもあります。不要の部分は適宜省略して下さい。

 

《用紙の選び方》

 

コンビニなどにおいてあるのは、新卒者用の履歴書がほとんどです。大きな文房具店で転職者用のものを買ってください。

 

A4サイズのものがよいと思いますが、デザインにも気を配りましょう。

 

また、不要な記入欄や余白のないものを選びましょう。企業によっては専用の履歴書があったり、指定の様式があるので注意しましょう。

 

《何を使って書くか》

 

パソコンは使わず、手書きにしましょう。黒かブルーブラックの万年筆、細書きサインペン、ボールペンを使って楷書で丁寧に書きます。

 

書き間違えた場合、修正はNGですから、慎重に書きましょう。

 

濃い鉛筆(Bあるいは2B)でうすく書いておいて、それをなぞるのもいいかもしれません。急がば回れです。

 

《日付》

 

元号で書きます。「H」などと略さずに、「平成」と書きましょう。

 

履歴書を持参する日、あるいは投函する日を書きます。

 

《氏名》

 

大きめの文字でバランスを考えてゆったり書きましょう。「ふりがな」も忘れずに記入しましょう。

 

《写真》

 

履歴書でもっとも大切なのが写真です。

アメリカの心理学者マレービアン博士によれば、人が他人から受け取る情報の93パーセントが「顔の表情」と「声の質・大きさ・テンポ」によるもので、残りの7パーセントが「話す内容」だそうです。

(竹内一郎『人は見た目が9割』新潮新書)

 

履歴書では、写真が93パーセントとはならないでしょうが、8割くらいの力はあると思います。

 

キチンとした服装(男性ならばネクタイ・スーツ、女性もスーツ)、髪型(茶髪、長髪は不利(男性))で、プロのカメラマンに(写真館で)撮影してもらいましょう。

 

口はしっかりしめ、作り笑いは禁物です。数千円の費用が必要ですが、これで就職できれば安いものです。

 

はがれないようにしっかりと貼り付けるのが基本ですが、念のため、裏側にフェルトペンで氏名を書いておきましょう。

 

《生年月日》

 

日付と同様、略さず「平成」を使って書きましょう。

 

《現住所》

 

都道府県名からはじめて、アパートやマンションの部屋番号まで書きましょう。町名番地も省略せずに「3丁目5番24号」などのように記入します。

 

「郵便番号」や「ふりがな」も忘れずにかきましょう。番地などの算用数字にはつけません。電話番号も市外局番から書きます。

 

FAX兼用であることや、留守電機能がある場合には、そのことも書いておきましょう。

 

《連絡先》

 

一人暮らしで留守にする事が多いなら、実家の電話番号を書いておくのもいいですが、その際には家族に電話があった場合の対応の仕方をしっかりと伝えておきましょう。

 

一般的には、携帯電話の番号を書いておくようですが、すぐに出られないことが多いのならば、番号非通知でも受信できるように設定し、留守番サービスなどを利用できるようにしておいたり、メールアドレスを書いておくのもよいでしょう。

 

在職中の職場の番号を書くのは絶対にやめましょう。

 

《学歴》

 

履歴書によって、最終学歴だけ記入するようになっているものと、学歴すべてを記入するようになっているものがあります。

 

最終学歴のみを記入する場合、卒業年月、△△大学××学部□□学科卒業と記入し、希望している職種と関連があれば卒業論文の題名を書けば、自己PRになります。

 

全学歴を書く場合、小学校と中学校は卒業年月だけでよいが、高校以後は入学年月も記入します。年号はすべて元号で略さず書きます。

 

《職歴》

 

「学歴」欄と「職歴」が一緒になっている履歴書の場合、学歴の下に1行あけて「職歴」と記入します。

 

会社名は省略せずに書きましょう。

 

たとえば、「(株)○○」とせず、「株式会社○○」とします。

 

社名から推測できる場合は必要ないが、業種も記入しましょう。

 

社名だけでなく、配属部署や職種・仕事の内容、希望職種に関連した仕事の内容を簡潔に記入するとよいでしょう。

 

アルバイトについてはケースバイケースですが、希望職種に関連したものは書きましょう。

 

また、アルバイトであっても社会保険に加入する場合がありますが、そのアルバイトは記入しておきましょう。

 

アルバイト以外の職歴がない場合は、「○○社 入社(アルバイトとして)」という具合に記入します。

 

退職理由は、自分都合の場合「一身上の都合により退職」でよいが、リストラならば「会社都合により退職」、倒産ならば「倒産により退職」と記入しましょう。

 

《免許・資格》

 

取得順に、略さず正式名で記入します。取得年は、元号で略さず書きましょう。

 

持っている資格をすべて書く必要はなく、趣味や希望職種と無関係なものは省略しましょう。

 

もし、記入するのであれば、その資格を取得した理由(職業と関連した合理的なもの)を答えられるようにしておきましょう。

 

希望職種に関係のあるものは、取得見込み、あるいは勉強中のものでも積極的に記入しましょう。

 

《退職理由》

 

自分の持っているスキルや能力をもっと発揮できる職種に就きたいと考えて、というような理由がよいでしょう。

 

会社での人間関係や会社への忠誠心、仕事に対する責任感が欠如していると思わせるような理由を書いてはいけません。

 

この欄のない履歴書の場合には、志望動機の中で述べるとか、職務経歴書で言及しましょう。

 

《志望理由》

 

重要な項目です。

 

なぜこの会社に入りたいのか、なぜこの仕事をやってみたいのか、を具体的に書きましょう。

 

漠然とした、ただ「やる気があります」では問題になりません。

 

具体的に書くには、志望企業とその業界、できればライバル企業をじゅうぶんに研究し、志望企業の特長や魅力を軸に考えましょう。

 

自分のキャリアがその特長を伸ばすために役に立つはずという方向で書けばよいでしょう。

 

研究には、書籍(会社四季報など)やインターネット(会社のホームページなど)を利用します。

 

分析が深まれば、面接時には、ここに書ききれなかったことも言えて、好印象を与えることができ、ライバルに一歩先んじることができるでしょう。

 

《希望職種》

 

求人情報に記載のとおりに記入します。

 

必須の項目ですから、記入欄のない履歴書を使う場合には、本人希望欄に記入しましょう。

 

《希望勤務地》

 

勤務地がいくつかある場合でも「貴社の規定にしたがいます」と記入するのが無難です。

 

どうしても、譲れない希望がある場合でも、「県内を希望しますが、こだわりません」とか、「○○沿線を希望しますが、こだわりません」などと記入し、面接時に正当な理由を言えるようにしておきましょう。

 

必須の項目ではありませんので、記入欄のない履歴書では記入の必要はありません。

 

《退職時の給与》

 

残業代を含まない額面給与の金額を書きます。万単位で記入するようになっていても、小数点を使って、千円単位まで記入しましょう。

 

記入欄がなければ記入不要の項目です。

 

《希望給与額》

 

「貴社の規定にしたがいます」と記入しましょう。

 

自分の中に○○円以下なら就職しない、という断固たる決心がある場合、採用通知を見てから実際に入社するかどうか決めればよいのですから、ここには具体的な希望額を書くべきではありません。

 

記入欄がなければ記入はしなくてよい項目です。

 

《出社可能日》

 

具体的な日付を書く代わりに、「採用決定次第」「即日出社可能」「内定の1か月後」などという書き方もあります。

 

在職中の人は必ず書かねばならないので、もし記入欄がなければ、本人希望欄などに記入しましょう。

 

《健康状態》

 

持病などかあっても業務に支障をきたさず、勤めることができる状態ならば、「良好」と書いてよいでしょう。

 

問題がまったくないのならば「きわめて良好」と書きます。

 

《趣味・スポーツ・特技》

 

趣味は「読書」「音楽鑑賞」などと記入すればよいのですが、スペースがあれば、「特にモーツァルトが好きです」などと書けば、人柄がうかがえてよいでしょう。

 

「競輪」「競馬」「パチンコ」などのギャンブルは記入しないようにしましょう。

 

スポーツは「テニス」「野球」などと記入し、スペースがあれば「地元のチームに入っています」などと書いた方がいいでしょう。

 

 

特技は、仕事に役立ちそうな雰囲気をさらりと出せれば最高です。また、珍しい特技や趣味、将来の夢なども記入しておけば、面接官が突っ込んで質問したくなりますので、話が弾むきっかけにもなり、自分の人間性や性格をアピールすることができます。

 

《本人希望欄(通信欄)》

 

「希望職種」の記入欄がなければここに記入しましょう。

 

連絡についてなど、応募企業に伝えたいことがあれば記入します。入社後の抱負や目標などを記入するのもよいかもしれません。

 

《通勤時間》

 

最寄り駅から勤務地までの所要時間を記入します。

 

徒歩の時間や乗り換えの待ち合わせの時間は含めず計算します。

 

勤務地が複数ある場合は、求人情報に記載の応募企業の所在地までの時間を書きます。

 

《扶養家族(配偶者を除く)》

 

配偶者以外の扶養家族を記入します。いなければ、「0」とします。

 

《配偶者・配偶者の扶養義務》

 

配偶者の年収が130万円以上あれば、扶養義務は「無」になります。

 

履歴書の内容は面接の際に質問されますから、できあがったものは必ずコピーを取っておきましょう。

 

書類審査で何度もダメだった場合、誰かに見てもらうことをオススメします。

 

親戚や知人に人事担当の方がおられれば、その方にお願いしてみましょう。おられなければ、ハローワークの職員などに見てもらいましょう。