老人性認知症の予防進行対策


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長寿者はテロメアが長く、慢性炎症が低いことが判明

 

長寿者はテロメアが長い 

 

長生きをする人とそうでない人の違いは何でしょうか?
 
大規模な研究で長寿に関係している2つの要因が明らかになりました。
 
2つの要因とは、「テロメアの長さ」と「慢性炎症の低さ」でした。
 
長寿に「テロメアの長さ」と「慢性炎症の低さ」が関係することを突き止めたのは、慶應義塾大学医学部「百寿総合研究センター」と英国のニューカッスル大学の研究チームで、この研究では100歳以上の684名を含んだ高齢者1,554名の日本人を対象に追跡調査が実施されました。
 
「テロメア長」と「慢性炎症の程度」の他にも、肝機能、腎機能、造血能なども分析されましたが、「テロメアの長さ」と「慢性炎症の低さ」の2つに長寿者の特徴が確認できたとしています。

 

長寿者のテロメアは長かった

 

長寿者のテロメアは長かった 

 

今回の研究で血液中の白血球のテロメア長を測定した結果、百寿者やその直系子孫ではテロメアがより長く保たれ実際の年齢が80歳代でも60歳代に匹敵する長さを保っていたと報告しています。
 
長寿家系では染色体の末端にあるテロメアが短くなりにくいことが解明されています。
 
テロメアは遺伝子としての働きはあませんが、DNAを保護していると考えられており分裂を繰り返すたびに短くなって最後は分裂がストップします。これが老化と考えられています。
 
このテロメアは細胞が受ける活性酸素の攻撃でも短くなることがわかっています。
 
今回の研究では100歳以上の長寿者では一般の人よりもテロメアが長く、105歳、110歳と高齢の人ほど長いという結果が出ています。100歳以上の家系ではテロメアが短くなりにくいことがわかったのです。
 
テロメアが短くなりりくいことは細胞の老化しにくいと考えられており、その理由の解明についてはこれからです。

   

慢性炎症が低いと認知機能と自立が維持されていた

 

慢性炎症が低いと認知機能と自立が維持 

 

慢性炎症についての研究では、百寿者とその直系子孫では、炎症マーカーが低く抑えられており、特に慢性炎症が低いグループでは、認知機能と生活の自立がより長期間維持されていたと報告しています。
 
慢性炎症とは、自覚症状が無く進行する血管や臓器の炎症です。将来的に様々な疾患を引き起こす原因になると考えられています。
 
例えば、メタボになると脂肪細胞から悪玉ホルモンであるアディポサイトカインなどの炎症物質が分泌されて動脈硬化や糖尿病、高血圧、脂質異常症などを発症させて悪化させます。また、アルツハイマー疾患やがんなどにもこの悪玉ホルモンが関係していることが指摘されています。
 
この炎症物質が多く分泌されることで慢性炎症の原因になます。今回の研究で慢性炎症の程度が低いほど自立度や認知度が良好に保たれており、慢性炎症の程度が低いほど健康で長生きできることが示されました。
 
日本は世界一の長寿国ですが平均寿命と健康寿命(介護を受けず自立した生活が出来る年齢)の差が約10年あります。
 
この約10年間は要介護の状態であるため国の医療費は毎年1兆円増えています。
 
更に団塊の世代が75歳の後期高齢者になる2025年には認知症患者が700万人になると厚生労働省は推計しています。
 
健康寿命を引き上げて平均寿命に近づけることが国の医療費の増大に歯止めをかけることにつながると考えられますが、今回の研究には健康寿命を延伸させるためのヒントがありそうです。

 

「参照元記事」

百寿者の秘訣:健康寿命を延ばす二つの要因を発見
 

「言葉解説:テロメア」

 

テロメアは細胞内の染色体末端にある塩基配列からなる構造物で染色体の複製に伴う損傷を防ぎ安定性を維持するとともに保護をする働きをしています。
 
このテロメアは細胞が分裂するたびに短くなっていく特徴があり、人の細胞では50〜60回しか分裂できないといわれています。
 
このようなテロメアの特徴から「老化時計」「細胞分裂の回数券切符」などとも呼ばれています。
 
テロメアは染色体を保護していると考えられていて、分裂を繰り返すたびに末端のテロメアが短くなり、最後には染色体を保護できなくなるため細胞死が起こると考えられています。
 
この分裂の繰り返しが細胞老化に関与し体の老化との関連が示唆されています。
 
また、疫学調査から老化はがんの危険因子であることは知られていますが、テロメアの長さが短いほど様々ながんに罹患しやすいことが解明されています。
 
がんの他にもテロメアの短縮が、動脈硬化疾患や糖尿病、心不全などの病状の悪化要因になっていることが報告されています。
 
更に、最近の研究では老化以外に活性酸素による酸化ストレスによってもテロメア長が短縮している可能性が示唆されています。
 
一方で、細胞にはテロメラーゼと呼ばれる酵素が存在しており、がん細胞や生殖細胞ではテロメラーゼが過剰に活性化してテロメアの制御を妨害、テロメアの短縮を防ぐため細胞分裂が無限に繰り返されていることがわかっています。
 
このテロメラーゼの働きを阻害する物質が発見されれば、がん細胞の増殖を止める抗がん剤になると考えられています。
 
テロメラーゼにはテロメア長の短縮を阻害する作用があることから、テロメラーゼが過剰に活性することは細胞のがん化のリスクが高まりますが、適度に活性化することで老化を遠ざけて長寿を期待することができると推測されています。

 

「言葉解説:炎症と炎症マーカー」

 

炎症とは生体の細胞や組織の障害・壊死に対して生体成分が排除に働いた結果起こる生体防御反応です。
 
炎症の兆候としては、発赤・熱発・疼痛・腫脹・機能不全があげられますが形態学的には細胞の変性・壊死・血管反応・炎症細胞の浸潤などがあます。
 
炎症マーカーは炎症の有無や重傷度を反映し炎症の診断や経過観察に役立つ臨床検査の総称です。
 

 

慢性炎症を抑える食べ物


 
慢性炎症を抑えためには、メタボを解消することが重要です。

 
食べ物では慢性炎症の原因物質である活性酸素を抑制する食べ物が有効であると報告されています。

 
具体的には、下記のサイトでポリフェノールを多く含む食品群のご紹介をしています。
 

ポリフェノールを多く含くむ納豆、味噌、赤ワイン、チョコ
 
また、新鮮な青魚に多く含まれているオメガ 3脂肪酸なども慢性炎症を抑える効果が報告されています。
 
当サイトの「血管を若返らせる食べ物」でもご紹介をしています。

 

それでも日本は男女ともに健康寿命は世界一

 

ワシントン大学などの研究チームは、日本は男女ともに「健康寿命」が世界で最も長いという調査結果を発表しました。
 
世界188か国のデータを分析した結果、2013年の日本の健康寿命は男性71・11歳、女性75・56歳で、男女ともに世界一だったと報告しています。
 

世界の健康寿命のベスト5

 

男性

1位日本、2位シンガポール、3位アンドラ、4位アイスランド、5位イスラエル

 

女性

1位日本、2位アンドラ、3位シンガポール、4位フランス、5位キプロス

 

「参照元記事」
日本人の「健康寿命」、男女とも世界でトップ 


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