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運動を習慣化すれば血管も健康になる

 

毛細血管は酸素と栄養を全身に運ぶ 

 

人の体は約60兆個もの細胞で構成されています。
 
この一つ一つ全ての細胞は血液が循環して運んでくる栄養や酸素を取り入れて不要になった老廃物を排泄しています。
 
この血液の循環システムが衰えれば体調不良などが生じることは誰でも容易に想像することができます。
 
血液を送るポンプの役割をしているのが心臓です。しかし心臓だけでは血液を滞りなく体のすみずみに届けることはできません。
 
血液の循環に大きく貢献しているのは筋肉です。
 
人の立つ、歩く、握る、噛む、話すなどの行動は全て筋肉を使った行動です。
 
これらの全ての行動は血管を強化して血液の循環を高めることに関係しています。
 
老化とともに体の機能が衰えることは自然の摂理でありますが、体を動かすことで循環機能を改善できれば健康寿命の延伸、そして若返りを期待することができるのです。
 
人の毎日の活動は血液の循環を促進することで様々な健康効果が得られます。
 

運動は血圧と血糖値を下げる

 
運動することで筋肉の収縮が繰り繰り返されると心臓から送り出される血液が増加し筋肉の細胞から血圧降下作用を持つ生理活性物質の「ブラジキニン」が分泌されると血管の内壁が活性化してNO(一酸化窒素)が分泌されます。NOには血管を広げて血流を促す作用があります。
 
また「ブラジキニン」は血中のブドウ糖を筋肉細胞に吸収しやすくしてエネルギーとして消費させるため血糖値の上昇を抑制する働きも期待されます。
 
更に運動によってもう1つのエネルギー源である脂質代謝も促され脂質異常症も改善されます。
 
運動は血管の老化の予防だけではなく、動脈硬化の症状を改善する働きもあります。
 
運動によって血管内壁から分泌されるNO(一酸化窒素)が動脈硬化のコブを安定させる作用があります。
 

運動は血管を再生する

 
血管は加齢とともに減少します。
 
運動を継続することで皮膚の体温を調節するために皮膚に血液を送ったり、筋肉に酸素や栄養素を運ぶために血管が刺激されて新たな血管の生成が促され新しい毛細血管がつくられていきます。
 
詰まった血管を迂回する新たな血管が生成されることもあります。
 
このように新しい血管にスムーズに血液が流れることで血圧の低下につながります。
 

運動により血管内皮が丈夫に

 
運動によって血流が促進されると酸素や栄養素の供給も増加します。
 
例え、血管内皮が傷ついても素早く修復されて、内皮細胞からのNOの分泌も増加して、柔軟性に富んだ広がりやすい血管に若返り、よみがえります。
 
 
以上のように運動には様々な効果が期待されますので、運動を習慣化しましょう。
 
各行動の血液の循環効果を解説します。

 

直立すれば血液循環が良くなる

 

手足などの体の末端の毛細血管が大切 
出典「NHKエンタープライズ 毛細血管」

 

加齢とともに立って直立することさえ辛くなってきます。
 
立って直立不動の姿勢をとるだけでも支えてバランスをとる全身の様々な筋肉が働いています。
 
体を支えるために下肢の筋肉が働きますが直立不動を保つためには腹筋と背筋が胴体を前後から支え頭部を安定させるために首の筋肉も働いています。
 
このように直立不動の姿勢でも筋肉が働き血液の循環を高めてくれるのです。
 
イスに座る時間が長いと寿命が縮むことが大規模な疫学研究で明らかになっています。
 
長時間イスに座り続けると血流が悪化して下肢のむくみの原因になります。また、血管の働きを弱めてしまいますので注意が必要です。
 
イスに座る時間が長い人ほど寿命が短い 

 

インターバル速歩を習慣化しましょう

 

適度な運動が毛細血管の若返りに大切 

 

歩くことは血液循環の向上に深く関わっています。
 
体全体の筋肉の約7割りが下半身にあります。
 
この下半身の筋肉群が動くことで大量の血液が循環します。
 
信州大学と松本市の研究でインターバル速歩を習慣的に続けると血液の循環が高まり10歳も若返ると報告しています。
 
インターバル速歩とは早歩きと普通歩きを交互に繰り返す歩き方です。
 
3分間少し息が上がる程度の早歩きをした直後に普通歩き3分間行いましょう。
 
一日に3セットを行い、インターバル速歩を習慣化すれば血液の循環が良くなって健康な体に生まれ変わります。

 

筋肉は2つの異なる性質の繊維が混在して束になっていますが、この2種類の筋繊維は「速筋」と「遅筋」と呼ばれています。
 
「速筋」は瞬発力を発揮するときに素早く収縮して働きますが、疲労物質の乳酸がたまりやすい性質があります。一方で「遅筋」は収縮は遅い筋繊維ですが持久性に優れており乳酸をためにくい性質をもっています。
 
普通歩きで「遅筋」が鍛えられて、早歩きで「速筋」を鍛えることができるので交互に効率よく運動することができます。
 
また、速歩では普通歩きでは使わない大腿四頭筋や大腰筋を使います。加齢とともに筋肉は衰えますので筋肉を維持することを意識しましょう。
 
運動することで血管の状態を健康に保つことができます。誰でも手軽に取り組めるインターバル速歩を習慣化しましょう。
 
アメリカの研究では歩くスピードが遅くなると認知症のリスクが高まることも解明されています。
 
また、高血圧の高齢者に歩く速さの訓練をしたところ高血圧の改善が見られたそうです。

   

ふくらはぎを刺激して血流を改善

 

血管は加齢とともに柔軟性が失われ血管壁が厚く硬くなる動脈硬化が進みます。
 
動脈硬化が進行すると血管が血液を送り出す血液循環の作用が低下するため、これを補おうとして血圧が高くなります。
 
この血液循環に大きく影響しているのが、ふくらはぎです。ふくらはぎには毛細血管が集中しています。
 
つま先を伸ばしたり、引いたりを繰り返すことでふくらはぎのマッサージ効果が得られます。
 
ふくらはぎは「第2の心臓」といわれている通り血液を下半身から心臓に戻すポンプ役を果たしています。これをミルキングアクション(乳しぼり作用)といいます。
 
この一連の動作はミルキングアクションによって血管が収縮時には血液が上に押し上げられ弛緩時には弁が閉じて血液の逆流を防ぎます。
 
下半身の血液を重力に逆らって上半身にある心臓へ送り届けなければなりません。
 
特にふくらはぎの静脈には竹の節のように所々に弁がついており血液が逆流しない逆流防止構造になっています。
 
ふくらはぎは腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋が静脈を挟んでいますが、この2つの筋肉が収縮することで静脈が刺激されて血液を押し上げる働きになります。
 
ミルキングアクションによって末端からの血液の循環を促進させられると血流が改善されて血圧を下げに繋がり血管を保護することになります。

 

ふくらはぎを刺激する運動法

 

仰向けに横になり体の力を抜いてリラックスします。
 
まず両足のつま先をピンと伸ばしふくらはぎの筋肉を収縮させます。
 
次につま先を手前に引いてふくらはぎの筋肉を伸ばして伸長させましょう。
 
この2つの動作を毎日10セット行うことでふくらはぎの静脈が効率よく働き血流が改善します。
 
ふくらはぎの筋肉を意識して行いましょう。
 
朝、目が覚めた時に布団の中でも行えるので習慣化しやすい血流改善法といえます。
 
特に冬は温かい布団からいきなり出ると冷えきった部屋の温度で血管が急に収縮して血管事故を引き起こすリスクが高まります。
 
布団から出る前にふくらはぎの運動をすることで血液の循環を高めてから起きましょう。

 

血管をマッサージしてアテローム動脈硬化を予防

 

血管マッサージを行うことで血液の流れが促進され血圧を下げる効果が期待されます。
 
血管は老化とともに弾力性が失われて硬くなり血管内壁に老廃物などがたまりやすくなります。内腔も狭くなるため血流が滞り心臓の負担が大きくなります。
 
血圧が高くなると血管壁が傷つきやすくなりアテローム動脈硬化のリスクも高まります。
 
手足が冷たい人は血液の循環がよくないと考えられます。血液循環がスムーズに行われていないと手足などの体の末端に十分な血液が届いていません。
 
そこで手足のマッサージをすることで血管が拡張して血流が改善し血圧を下げる事が期待されます。
 
腕や足には太い血管である大動脈が通っていて、そこから枝分かれをして細い小動脈へとつながり骨や筋肉の間を通っています。
 
腕や足のマッサージをすることで小動脈が刺激されて血管内皮細胞よりNO(一酸化窒素)が生成されて血管が拡張して血流が改善するので血圧も下がります。

 

血管マッサージ法

 

片方の手でもう一方の腕をつかみ、手のひらを滑らせずに皮膚と骨、筋肉と骨をずらすようなイメージで上下、左右、前後に動かしましょう。
 
つかむ場所をずらしながら腕全体のマッサージをしましょう。反対の腕も同じように行いましょう。
 
また、両足についても同様のイメージで行いますが、足は太いので両方の手で挟んで足の付け根から足首まで行いましょう。
 
少しの時間があればどこでも気軽にできますので、血管のセルフケアとして習慣化しましょう。

 

握力を維持して血液循環を促進

 

握力を維持することは血液循環を促進させるために重要 

 

握力と早期死亡、脳卒中、心臓発作に相関性あるという研究が発表されています。
 
この研究は17ヵ国35歳から70歳14万人の成人を対象に行われ調査し握力が5kg減少すると死亡するリスクが16%も高くなり、心臓病で死亡するリスクが17%、脳卒中になるリスクが9%、心臓発作を起こすリスクが7%上昇するという結果でした。
 
読者の方ですでにお気付きの方もいると思いますが、以上の全ての疾患は血管が関連しています。
 
なぜか説明すると、筋肉は構造的にお互いに重なり刺激しあって伝達しています。
 
例えば、握力が弱くなれば重なっている前腕部分の筋肉群の伝達力が減少し刺激の伝達が低下し、このことが全身の筋肉に影響を及ぼし血液の循環も低下するため血液や血管に関係する疾患につながります。
 
研究者たちは「血圧を測定するよりは握力測定の方が早期死亡のリスクを確実である」と口を揃えています。

 

噛む力は脳の血流を促進

 

食べ物を良く噛んで食べることが血圧や血糖値を抑えることにつながる 

 

一口30回噛む

 
肥満の方、高齢者の方、膝が痛くて運動することができない方にも良い方法があります。
 
それは、食事の時に一口で30回噛むことです。
 
普段食べているご飯やパン、麺などの炭水化物を少し減らすだけで、他の食べ物は減らさなくても大丈夫、咀嚼の回数を一口30回以上噛むことです。
 
この30回噛むことを毎食時に継続することで非常に高い割合で減量に成功し、血圧やコレステロール、血糖値を改善された結果が得られています。
 
肥満の原因は食べ過ぎですが、脳の満腹中枢に信号が伝わるのに15分程度かかります。
実際に十分食べても満腹感を感じるのは15分後ですので、早食いをすると食べすぎにつながります。
 
ゆっくりと30回噛んで食べることで食事中に満腹感を感じるので、食べ過ぎずにすみます。
 

チューイングガムを噛む

 
入れ歯になると認知症のリスクが高まるといわれています。
 
噛む力が強くなると脳の血液循環が増大します。
 
神奈川歯科大学の研究でガムを噛むことで脳の血液の循環が増大して集中力や記憶能力が高まることがMRI 惣地を使った研究で明らかになっています。
 
また、噛む力である咀嚼力が弱くなると認知症のリスクが高まることも解明されています。
 
脳と口は隣接していますので強く咀嚼できれば脳内の血流が良くなることを想像することができます。


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