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病院で血管の検査を受ける 

 

血管の検査は様々な種類がありますが、基本的には血管の硬さや血液の流れをみて動脈硬化の程度、合併症などを診断します。
 
心筋梗塞や脳梗塞は、心臓や脳に直接の原因があるのではなく殆どが血管に原因があって引き起こされる疾患です。
 
血管の柔軟性が失われて硬く、狭く、厚くなる動脈硬化症は、ある日突然異変が生じて生死に関わる重篤な状態になり突然死を招く恐ろしい疾患です。
 
血管は「沈黙の臓器」といわれている通り本人が気づかないうちに動脈硬化が進行して症状が現れた時は既に手遅れという事態が多くみられます。
 
加齢とともに動脈硬化が進行するのは自然の摂理ですが高血圧や高血糖、脂質異常症などの生活習慣病が動脈硬化を進めてしまいます。
 
血管は全身に張り巡らされているため動脈硬化症は全身の病気であるともいえます。
 
血管の疾患に関する診療科は、多岐にわたり「循環器内科」「心臓血管外科」「腎臓内科」「脳神経外科」「内分泌代謝科」「眼科」などが対象ですが事前に医療機関に確認をしましょう。
 
もし体の状態に通常ではなく異常と感じたときは、躊躇せずに救急車を呼びましょう。
 
通常は受診する時は総合病院の循環器内科となりますが、最近では血管専門の「血管病センター」「脳血管センター」「心臓血管センター」などが増えています。
 
血液検査や尿検査は体の異常を見つけ出す「スクリーニング検査」を行って疾患の疑いがあれば精密検査を実施することになります。
 
動脈硬化の進行度の確認や治療方針を決定するために動脈硬化の程度を診断する検査機器がありますが、検査には「直接的な検査」と「間接的な検査」があります。

 

   

スクリーニング検査

 

血管は症状があらわれにくい 

 

血管は体で最大の臓器といわれていますが、沈黙の臓器でもあります。糖尿病と同様で自覚症状が現れた時は手遅れといわれています。
 
高血圧や高血糖、脂質異常症などの生活習慣病は動脈硬化の危険因子です。
 
企業などで年に1回実施されている健康診断で血圧や血糖値、脂質に異常があって要検査などの検査結果が出た場合には「スクリーニング検査」を受診しましょう。
 
スクリーニング検査は特に自覚症状はないが、高血糖や高血圧などの動脈硬化の危険因子を持っている方に行われている検査です。手遅れにならないために行われている検査です。
 
スクリーニング検査には、「血圧検査」「血液検査」「尿検査」「胸部エックス線撮影」「心電図」「眼底検査」などがあります。

 

血管の厚さや狭さを調べる検査

 

頸動脈エコー検査

 

頸動脈エコー検査でプラークの有無を調べる 

 

「頸動脈エコー検査」では首の頸動脈の状態を調べることができます。
 
心臓から脳へは4本の動脈が確保されていますが、このうち前の左右2本の動脈が頸動脈です。
 
頸動脈は太い血管でありますが、皮膚に近いところを通っているので他の部分に比べて調べやすい特徴があります。
 
頸動脈に超音波を当てることで、血管の厚み、狭さ、プラークの有無を調べることができます。
 
頸動脈にプラークが出来ていると剥がれて脳へ飛んで脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。
 
頸動脈は、他の血管に比べて加齢による老化を反映しやすい血管です。
 
また、頸動脈はアテローム動脈硬化の好発部位で全身の血管の動脈硬化の進行の指標になります。
 
よって頸動脈に動脈硬化があると心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすいと診断されます。
 
高血圧や高血糖、脂質異常症の方は、この頸動脈エコー検査を受信してみましょう。
 
定期的に検査を受けることで血管事故を起こすリスクを回避することに繋がります。

 

「検査方法」
ベットに横になり、首にゼリー状の液体を塗り超音波器具をあてて画像を映し出します。所要時間は20から30分程度。
 
「正常値」
血管壁の内膜と中膜の厚さが1.0mm以下。

 

CT検査とMRI検査

 

CT検査とMRI検査も「頸動脈エコー検査」と同様に動脈硬化の代表的な精密検査で血管の厚さ、狭さを調べる検査です。これらを調べることで動脈硬化が進行状態や詰まる可能性などについて検査します。
 
CT検査とMRI検査は断層撮影画像を得る検査法です。画像撮影の原理に大きな違いがあり、受診者や券さ項目の違いにより、何れかを選択することになります。
 

CT検査

 

脳のCT検査では脳梗塞や石灰化、虚血性などが診断できる 

 

CT検査ではエックス線が使われます。
 
体の周りを360度回転しながらエックス線を照射して体を輪切りにした断面画像を撮影します。
 
画像は、エックス線の吸収が大きい骨や外傷、血腫、脳出血、石灰化などの症状の発見に適しています。
 
検査時間が短く簡単な反面で放射線の被曝があり子どもや妊婦は検査ができません。また、造影剤の副作用もあります。
 
特に肺や気管支などの胸部、肝臓、腎臓などの検査に適しています。

 

マルチスライスCT検査

 
検査台に仰向けに寝てガントリーと呼ばれるドーナッツ状の装置の中を少しずつ移動しながら撮影をする検査で、従来のCT検査の精度を飛躍的に向上させた検査装置です。
 
マルチスライスCT検査は、1回転で複数枚の断層画像を撮影することが可能なので動きの激しい心臓などの部位も短時間で詳細な立体画像を診ることができます。
 
従来の血管の中にカテーテルを通して調べる血管造影検査や血管内視鏡検査では体への負担が大きく検査入院を要しましたが、マルチスライスCT検査では日帰りの外来検査で診断を下すことが可能です。
 
ただ、マルチスライスCT検査のデメリットとして現在のところCT検査よりも被ばく量が大きく発がん性の問題が危惧されています。

 

MRI検査

 

脳のMRI検査では脳細胞の代謝異常を発見できる 

 

MRI検査はエックス線を使わずに強力な磁石による外部磁場と電磁波を組み合わせて画像を撮影します。
 
MRI検査は病巣部分の形状だけでなく代謝産物の濃度の分布などを画像で知ることができます。
 
脳梗塞の前兆として脳細胞の新陳代謝に異常が起こりますが、この代謝異常を確認する事ができるので早期発見が可能です。
 

血管の機能や硬さを調べる検査

 

血管の硬さの検査

 

手と足の動脈硬化の程度を数値として知ることができる検査です。血管の老化の程度や早期血管障害を検出します。
 
「心臓足首血管指数(CAVI)」「脈波伝播速度(PWV)」「血管年齢検査」「足関節上腕血圧比(ABI)」「血流依存性血管拡張反応検査(FMD)」などがあります。

 

心臓足首血管指数(CAVI)

 

心臓足首血管指数は、動脈の硬さを調べる装置です。動脈は心臓から体のすみずみに血液を送るポンプの働きもしています。
 
血圧が変化したときの血管の膨らみ具合を診ることで動脈の硬さを判断することができます。以前の脈波伝導速度での評価では測定時の血圧に影響され再現性が低い問題がありましたが、心臓足首血管指数は血圧の影響を受けずに血管の硬さを診断することができる装置です。
 
動脈硬化が進行すると心臓足首血管指数が高くなります。
 
基準値の目安は8.0未満ですが、数値が9.0を超えると約50%の人に脳動脈か心臓の動脈に動脈硬化が起こっていると考えられています。

 

脈波伝播速度(PWV)

 

心臓から送り出された血液によって生じる拍動を脈波といいますが、この脈波が手足に伝わる速度を計測して動脈の硬化度を割り出す検査です。
 
動脈硬化が進んでいると、脈波が血管の弾力性によって吸収されにくいため伝播速度が速くなり、PWV値が高くなります。
 
例えば、金属と柔らかいゴムの伝播速度を比較した場合金属の方が早く伝わります。血管も同様に動脈硬化が進むにつれて脈波伝播速度が速くなります。
 
次の足関節上腕血圧比(ABI)検査と一緒に検査することが多い検査です。
 
「検査方法」
ベットに横になり、両足、両腕に圧力カーフを巻き、血圧計と同様に圧力がかかり自動的に測定されます。検査時間は10から15分程度。
 
「正常値」
PWV値:1400p/秒以下

 

足関節上腕血圧比(ABI)

 

足関節上腕血圧比は、下肢の動脈の狭窄や閉塞を調べる検査です。
 
ベッドに仰向けに寝て両腕と両足首の血圧と脈波を測定します。
 
検査装置の画面に左右の上腕と左右の足首の脈波が映し出されます。検査時間は約5分と短時間です。
 
血管が詰まりかけている閉そく性動脈硬化症の早期発見に効果を発揮します。
 
「心臓足首血管指数(CAVI)」と「足関節上腕血圧比(ABI)」は同時に測定します。
 
足首と上腕の血圧を測定してその比率を算出して評価します。
 
健康な人では、1.00から1.29の範囲です。
 
計算値が低い場合は心臓から足に向かっている血管の内径が狭くなっていることが疑われ、計算値が高い場合は血管壁が硬くなっていることが疑われます。
 
数値が0.9以下になると、脚の血管が詰まってしまう「閉塞性動脈硬化症」の疑いがあります。

 

「検査方法」
ベットに横になり、両足、両腕に圧力カーフを巻き、血圧計と同様に圧力がかかり自動的に測定されます。検査時間は5から10分程度。
 
「正常値」
1.00から1.29の範囲

 

血流依存性血管拡張反応検査(FMD)

 

内皮細胞が分泌するNO(一酸化窒素)の量を血管拡張の程度から測定することで、内皮細胞の機能を判定します。血管の拡張が少ない場合は血管を拡張させる働きがあるNOが少ないことが示され内皮細胞が衰えていることが疑われます。
正常値の目安はFMD値6%以上です。5%未満になると血管内皮機能障害となり、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高まります。
男性は50歳を過ぎるころ、女性は50代半ば頃からFMD値が6%を切るようになる傾向がありますので、食事や運動、生活習慣を見直す必要があります。
 
「検査方法」
腕に圧力カフを巻いて圧力をかけ一時的に腕の血流を抑制し、その後カフを緩め、血流の再開による血管拡張の程度が自動的に測定されます。所要時間は10から15分程度。
 
「正常値」
6%以上

 

血管を診断する精密検査

 

血管の状態を診断する様々な医療機器が開発されている 

 

心臓や血管の形態や機能を直接的に観察する検査です。血管内に内視鏡を挿入し直接観察する検査もあります。
 
「血管造形検査」「血管内超音波検査(IVUS)」「血管内視鏡検査」「血管シンチグラフィー」「カテーテル検査」などがあります。


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