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食後血糖値の急上昇には注意が必要 

 

「血糖値スパイク」、「グルコーススパイク」と呼ばれる食後の血糖値が異常な高値を示す人が増えています。
 
「スパイク」とは瞬間的に針のように高い数値を示すことをいいます。
 
「血糖値スパイク」の人は、ある日突然脳卒中や心筋梗塞を起こし最悪の場合死に至ることもあります。
 
日本人の三大疾病は「がん、心臓病、脳卒中」ですが、心臓病と脳卒中は動脈硬化や血栓が原因の血管事故です。毎年血管事故で30万人の方が亡くなっています。
 
「血糖値スパイク」は血管事故につながる疾患で、その数は40歳代から50歳代を中心に1400万人ともいわています。
 
因みに厚生労働省の平成24年「国民健康・栄養調査」では糖尿病が強く疑われる人が約950万人、糖尿病予備群が約1,100万人と推計されています。
 
「血糖値スパイク」の特徴は、健康診断の血液検査では血糖値が正常値であり血糖値の異常が表面化しないため気付かないうちに血管の動脈硬化や血栓がすすみ、ある日突然死に襲われるケースもあります。
 
「血糖値スパイク」は空腹時血糖値を測定する健康診断では異常が表面化せず、食後の短時間だけ極端に血糖値が上昇する特徴があります。
 

高血糖が動脈硬化を起こすメカニズム

 
血糖値が急激に上昇すると活性酸素が過剰に発生して血管の内皮細胞を傷つけます。
 
この傷口から酸化LDL(活性酸素と結合したLDLコレステロール)が入り込むと免疫細胞が異物であると判断し白血球の単球が血管内壁に入り込み貪食細胞のマクロファージに変質します。
 
マクロファージは酸化LDLを貪食したのちに死滅して泡沫細胞になり血管内皮に蓄積してアテローム(粥腫)を形成してコブをつくりアテローム動脈硬化症にすすみます。
 
心臓の冠動脈で起これば心筋梗塞に、脳の血管で起きれば脳梗塞を引き起こし突然死のリスクが高まります。

 

   

突然死のリスクを高める「血糖値スパイク」

 

現代社会はコンピュータ社会を背景としたテクノストレス、対人ストレス、そして時間に追われるストレス、通勤ストレスなどストレスを生み出す環境で満ち溢れています。
 
人はストレスを感じるとコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンの分泌が促進されます。
 
これらホルモンが過剰に分泌されると血糖値を上昇させるほか、インスリン抵抗性を高めてインスリンの効きが悪くなることが解明されています。

 

血糖値が常に高い状態が続く糖尿病では心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まることが知られていますが、食後の短時間だけ血糖値が急上昇するケースでも突然死のリスクが高まることが分かったのです。

 

本人には気づきにくい血糖値スパイク

 

正常な人では食事によって摂取したブドウ糖は、すい臓から分泌されるインスリンの働きによって筋肉細胞に取り込まれてエネルギーとして消費されます。
 
余ったブドウ糖はグリコーゲンに変えられて肝臓に蓄積されますので血液中のブドウ糖は適正に調整されています。
 
しかし、遺伝的な体質や生活習慣の乱れが原因でインスリンの効きが悪くなると食事で増えたブドウ糖を処理することが出来なくなり一時的に血糖値が非常に高い状態になります。
 
「血糖値スパイク」に該当する人は、糖尿病の患者ほどにはインスリンの分泌能力が低下していないため、食後何時間か経過すると血糖値は適正レベルに落ち着くため健康診断では見つかりにくいのです。
 

   

働き盛りの世代で「グルコーススパイク」の危険度が高い

 

「血糖値スパイク」が起きているかどうかを検査するには「75gブドウ糖負荷試験」があります。
 
この検査は30分ごとにブドウ糖が入った液体を4回飲んで2時間後までの血糖値の変化を調べる検査です。
 
人間ドックの検査項目に採用されている場合もありますし検査を希望すれば受診できる病院もあります。
 
検査を受けたほうが良いと考えられる基準として健康診断で空腹時血糖値が100以上、若しくはHbA1c5.6%以上の方、また近い家族に糖尿病の人がいる方は受けてみることが望ましいとされています。
 
人間ドックや病院での検査を受ける以外にも簡易的なチェックも可能です。

 

九州大学大学院の二宮利治教授の「血糖値スパイク」危険度チェック

 

「グルコーススパイク」危険度チェック

 

「血糖値スパイク」の危険度が高いと判定された場合

 

注意することは糖分を一度に多く摂取しないことです。
 
糖分は腸からブドウ糖として吸収されますので糖分が腸に届く「量」と「スピード」を抑えることで「血糖値スパイク」を予防することができます。
 
たとえば、ごはんやラーメンなどの炭水化物を一気に食べるような食事は「血糖値スパイク」が起きやすくなります。
 
食事の時に最初に食物繊維が豊富な野菜を食べる方法も血糖値の急激な上昇を抑えられるので効果的です。
 
また、野菜の次に肉を食べると、肉に含まれる動物性のたんぱく質や脂質は消化に時間がかかるため胃の働きが緩やかに吸収が遅くなります。
 
そして、最後にご飯や麺などの炭水化物を食べれば腸に到達する時間も長くかかるため血糖値の急上昇「血糖値スパイク」を予防することができます。
 

血糖値スパイクを予防する食べ方(食べる順番)

 

 

食べる順番は最初にサラダ   食べる順番の2番目はお肉などのたんぱく質   食べる順番の最後は炭水化物
 最初に食物繊維   →    2番目に脂質     →   最後に炭水化物

 

1.最初に野菜などの食物繊維を食べる。
 
2.次ににステーキや唐揚げなどの肉類を食べる。
 
3.最後にごはんやパンなどの炭水化物を食べる。
 
糖分となる炭水化物を最後に食べることで腸に到達する時間をかせいで急激な血糖値の上昇を抑えることができます。
 
食事は朝食、昼食、夕食の3食食べることが大切です。例えば、朝食を抜いた場合には昼食や夕食の血糖値が急激に上昇することになります。
 
3食規則正しく食べることで、すい臓から分泌されるインスリンも正常に働きます。食事を抜くとインスリンの働きも悪くなることが分かっています。
 

血糖値スパイクを予防する運動

 
食後に休まず体を動かすことで消化吸収を遅らせることができます。食べた後に早めに散歩などで体を動かせば血糖値スパイクを予防できるのです。
 
決して激しい運動ではありません。食後に小まめに動くことで血糖値スパイクを予防することができるのです。自宅やオフィスなどでも食べた後小まめに動きましょう。
 
食後の血糖値の変動を調べたい方は自宅でも簡易に血糖値が計ることができる装置があります。血糖値は計らなければわかりません。自分の血糖値の変動を知って血糖値スパイクを予防しましょう。


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