腸内フローラ 納豆菌は劣悪な環境下でも生き延びる

納豆菌の有益作用 熱にも酸にも強い発酵食品

 

 

 

私たちの腸内には、天文学的な数の「腸内細菌」が生息しているといわれています。

 

最近の研究からこの腸内細菌が私たちの健康や病気、そして性格にも関与していることが解明されてきました。

 

最新の遺伝子検査により、これまで分からなかった新たな細菌の発見や働きなどがわかってきました。

 

腸内細菌は数千種類もあることがわかってきましたが、腸内細菌の種類によって食べるエサが異なっており、私たちの食べ物に偏食があると特定の種類の細菌が増加して活性化してしまいます。

 

腸内細菌は、有機物や有毒物質などの様々な物質を産生して、その物質が人の体に様々な影響を及ぼしています。

 

肉類が中心の高タンパク高脂肪の欧米食は、悪玉菌の大好物で腸内環境が弱アルカリ性になり、善玉菌の活性が失われて数も減少してしまいます。

 

 

 

注目される納豆菌の強さ

 

納豆菌は、ワラに住みついている細菌で枯草菌の仲間です。

 

日本では、特に納豆菌と呼ばれますが、海外では枯草菌に分類されています。

 

ワラには、様々な細菌が数多く住みついていますが、1本のワラに納豆菌だけでも1000万個も付着しているといわれています。

 

納豆菌の強さは胞子を形成

 

納豆菌の胞子は適当な温度と水分と栄養のある環境下では発芽し増殖します。

 

ところが、増殖に適した環境が失われると、子孫を残すために胞子を形成します。

 

納豆菌の胞子は熱に強い特性があります。

 

胞子を形成するので過酷な環境でも生きのびることができますので、腸まで届いて有益な働きをしてくれます。

 

多くの細菌は、100℃の熱で殺菌すると死滅しますが、納豆菌の胞子はその状況下でも生きのびることができます。

 

納豆菌の一番の特徴は、胞子を形成することです。胞子から発芽して増殖をします。この胞子は+100℃から−100℃の熱耐性かあり、他の細菌と比べても環境の変化に強い細菌です。

 

更に。納豆菌の胞子はph1.0の強酸性からph10.0の強アルカリ性の環境下でも生存できる強靭さを備えています。

 

 
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納豆菌で腸内環境が良好に

 

通常の細菌は、熱や酸に弱く、口から入った乳酸菌は、まず胃酸の働きで死滅します。

 

また、胆汁酸も分泌され、殆どの細菌は生きたまま大腸に届きません。

 

しかし、前述の様に納豆菌は熱にも酸にも強い特性をもっていますので、生きたまま腸に届きます。

 

腸まで届いた納豆菌は、乳酸菌やビフィズス菌を増やして腸内環境を弱酸性にして悪玉菌の増殖や活性化を抑える働きがあります。

 

 納豆菌の抗菌、滅菌作用

 

また、納豆菌は整腸作用が高く、腐敗菌を抑える作用があります。

 

納豆菌は、腸内の有害細菌やウイルスに対して、これらの活動を抑え込むことが報告がされています。

 

2003年にサーズ流行しましたが、我が国を含む東アジア地域にはほとんど発症せずに患者がほとんど出ませんでした。

 

最近の研究で、日本人の子どもの腸内フローラにはビフィズス菌が多いことが解明されています。

 

日本では、昔から発酵食品の納豆やお味噌やしょうゆ、お漬物などが伝統的に食べられてきました。

 

腸内フローラが私たち日本人をサーズから守ってくれたと考えられます。

 

 
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納豆菌は血糖値を抑えて、ダイエットにも

 

納豆菌は腸内で1週間程度生存するため、腸内を弱酸性にして善玉菌の活性化を促進させる作用があります。

 

また、もう1つ大きな特徴として納豆菌はブドウ糖を代謝するため、血糖値を抑える作用とダイエット効果が期待されています。

 

納豆菌にはビタミンKを生成

 

納豆菌には、ビタミンKを生成する作用があります。

 

ビタミンKは、骨タンパク質の働きや骨形成を促進する機能があることから、特定保健用食品として許可されています。

 

納豆の1パックには500億個の納豆菌

 

1パック(50g)の納豆には、約500億個の納豆菌が含まれているといわれています。

 

納豆は表面が白色の膜で覆われていますが、この白い部分に多くの納豆菌が生息しているようです。

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