ストレスは過敏性腸症候群を起こす
過敏性腸症候群はストレスが大きな原因であることが分かっています。
通勤電車で突然、お腹に「さしこむ」ような激痛が発生してトイレに行けず脂汗をかくほどの苦しい経験をした方も多いのではないでしょうか。
最近ストレスや緊張などによって腹痛や下痢、便秘でお腹の調子が悪くなる過敏性腸症候群で悩んでいる女性が増えています。
女性の社会進出が増えている中で仕事のストレスによって胃腸の調子が悪くなる40代の女性が増えているのです。
厚生労働省が実施した「平成25年国民生活基礎調査」では働き盛りの男女の約6割りが日常生活で悩みやストレスを抱えていると回答しています。
過敏性腸症候群を患っている方やその予備軍が多いことが推測出来ます。
胃腸の状態が悪くなる原因
胃腸の調子が悪くなる原因として以下の項目があげられます。
◎ストレスや睡眠不足、過労
◎運動不足
◎アンバランスな食事
◎暴飲暴食
◎細菌感染
◎薬の常用
◎老化による機能低下
特にビジネスパーソンに多い過敏性腸症候群は上記の内で「ストレスや過労、寝不足」が原因と考えられています。
腸の不調の約4割りが「ストレスや過労、寝不足」が原因という調査結果もあります。
過敏性腸症候群
ストレスによって大腸のぜん動運動の働きに障害が起こり下痢や便秘になる病気です。
大事な会議やプレゼンテーションなどを控えて極度の緊張状態が続くと起こりやすくなります。
人はストレスを受けると心や体に様々な症状が起こります。
ストレスが原因の主な症状
精神的なイライラ
ストレスを感じると些細な事にもイライラして怒りっぽくなります。
他人に当たりやすく悪口を言ってしまい人間関係も崩れてしまいます。
また自分の事をせめて落ち込んでしまうこともあります。
肌荒れ
ストレスは自律神経が乱れるため精神面だけではなく体全体に異常が起こることがあります。
胃腸の不調は誰でも体験していると思いますが、お肌が荒れて、痒み、吹き出物、湿疹が出る方もいます。
またストレスによる免疫力の低下によって帯状疱疹やヘルペスができる方もいます。
お肌は健康のバロメータといわれています。
胃腸の不調
ストレスが続くと胃酸の分泌が多く過剰になります。
過剰な胃酸は胃壁を荒らして痛みが出て食欲がなくなります。
食事をしなければ胃酸によって更に胃壁を荒らす悪循環に陥ります。
逆にストレスによって暴飲暴食になる方もいます。
食べる事はストレスの発散になります。過剰に分泌された胃酸を薄める効果もあります。
しかし食べ過ぎを繰り返すとストレスによって満腹感を感じにくくなって最後にはストレスによる食べ過ぎで太りやすくなります。
また胃や腸にも負担をかけるため体の不調が起こります。
ストレスによって腸が悪化する理由
脳と腸とは密接に関わっている事から脳腸相関と言われています。
脳と腸は神経やホルモンでつながり常にやり取りをしています。
脳で感知したストレスは腸に伝わって排便作用を促しているぜん動運動に変化が起こりやすくなります。
このぜん動運動の変化が原因となって便秘や下痢が起こることがわかっています。
この様に下痢や便秘を繰り返し起こすことで腸内フローラが変化して善玉菌が生息しにくい環境になり悪玉菌が優位の腸内フローラとなって腸内のバランスが崩れてしまいます。
しかし腸内フローラを改善することで症状を和らげることが可能です。
腸内フローラを改善する食事
腸内フローラがアンバランスな状態が続くと更に重い病気にかかります。
例えば潰瘍性大腸炎や大腸がんなどです。
また悪玉菌が優位になると代謝異常を起こして肥満や動脈硬化、糖尿病などのリスクも高まることがマウスを使った実験で明らかになっています。
善玉菌にはストレス耐性に関与している腸内細菌や癒しやリラックスを促進するホルモンであるセロトニンの分泌に深く関わっている腸内細菌が存在していることがわかっています。
腸内フローラは誰でもすぐに取り組めて改善することが出来ます。具体的には、2週間程度で腸内環境は変化するといわれています。
腸内フローラを改善する食べ物
ストレスの多い現代社会においては、腸内環境を改善して少しでもリラックスすることが大切です。
今日からでも取り組めます。腸内環境を改善しましょう。
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