尿で分かる健康状態


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女性の尿もれの原因

 
女性の尿もれの原因 
 
調査によると、何らかの尿トラブルを抱えている人が全国に800万人もいると報告されています。 
 
尿トラブルの代表的な症状は、何気ない拍子に尿が漏れる「尿もれ」と尿の頻度、回数が多い「頻尿」です。 
 
「尿意が急に起こり我慢できない」
 
「トイレの回数が多く就寝中も何度もトイレに行く」
 
「つい尿がもれてしまう」
 
などの尿トラブルで悩んでいるかたが多く、40歳以上の人の8人に1人という統計データがあります。

 

排尿に関係している筋肉群

 

排尿や尿を我慢するときに関係している筋肉群の働きを知っておきましょう。
 
腎臓でろ過された尿は膀胱にたまりますが、この膀胱は「排尿筋」でおおわれています。
 
尿をためるときには緩み、排尿するときに縮みます。
 
そして膀胱から尿が漏れないように働いている筋肉が「尿道括約筋」です。
 
膀胱に近い「内尿道括約筋」と「外尿道括約筋」があります。
 
通常の時は「排尿筋」は緩み「尿道括約筋」は漏れないように閉まっています。
 
排尿の時には、この「排尿筋」と「尿道括約筋」が緩んで尿が排出されます。
 
更にもうひとつ骨盤内の臓器を支えている筋肉群が「骨盤底筋」です。
 
骨盤底筋は臓器を支える以外にも尿道や膣、そして肛門をしめる働きをしています。
 
男性と女性では、泌尿器の構造の違いや出産の有無などの違いがあるため「尿もれ」や「頻尿」の原因も異なります。
 
尿トラブルを抱えていると行動が制約されるため活動範囲が狭くなるほか、自分の好きなことが自由に出来なくなってしまいます。

 

尿もれは4タイプに分類

 

尿もれは4タイプ 

 

「腹圧尿失禁」

 

腹部に突然力が入った時などに失禁します。
 
骨盤底筋の筋力が切れたり傷んだりして弱くなり尿道をうまく締められなくなって尿もれを起こすタイプです。
 
下腹に力が入ったときに尿もれをすることはありませんか。
 
咳やくしゃみ、一歩踏み込む、急に体を動かすなどの動作で腹部に力が入った瞬間に尿もれを起こします。尿もれの70%がこの腹圧性尿失禁といわれています。
 
骨盤底筋が弱くなる以外にも、女性ホルモンの分泌が低下して骨盤底筋がゆるむことも原因になっています。
 
妊娠の後期には胎児の重みや胎児の頭部の刺激で骨盤底が下にたわみ腹圧性尿失禁が起こりやすくなります。この重みによる腹圧性尿失禁は一時的なものといわれていて、出産後に治ることが多いのですが、重症の場合に慢性化して産後も尿もれが続きます。
 
もう一つの原因として、出産の時に骨盤底筋に負担がかかって靭帯や筋肉が伸びたり、傷ついたり、切れたりして弱くなって尿もれの原因になります。

 

骨盤底筋は恥骨からお尻の仙骨にかけてのハンモック状の形状の筋肉で骨盤内部の内蔵を支えている筋肉です。

 

「切迫性尿失禁」

 

尿意を感じてトイレに行きたくなり間に合わず失禁をしてします。
 
トイレには行ったもののトイレのドアを閉めた途端に尿もれ、また下着をおろし終わる前に尿漏もれしてしまうことがあります。

 

早めにトイレに行こうと思っていても、いつも直前になるまで気がつかず着替えが必要なほど失禁してしまうこともあります。トイレの回数が多くなり、夜中に何度もトイレに行くようになります。

 

排尿は脳の指令によってされるものであり「切迫性尿失禁」では脳が指示を出す前に膀胱が収縮して尿道を押し上げるため尿もれとなります。
 
更年期以降は女性ホルモンの不足によって膀胱が過敏性になり、特に原因がなくても膀胱が勝手に収縮するため尿もれを起こします。

 

膀胱が過剰に収縮する過活動膀胱による「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」の両方の症状がみられる方もいます。
 
腹圧性尿失禁が改善されれば、切迫性尿失禁の症状も改善されることが多いようです。

 

「溢流性(いつりゅう)性尿失禁」

 
尿意を感じないにもかかわらず尿が少しずつもれてしまうタイプの尿もれです。 
 
湯水を入れ過ぎたお風呂から水が少しずつ溢れるように、膀胱から尿が溢れて出てしまいます。
 
溢流性尿失禁は、排尿障害があって尿が出にくくなる疾患です。膀胱や尿道などに障害があって尿の流れに支障をきたしています。
 
膀胱にたまった尿を出そうとしてもトイレに行っても出ないにもかかわらず尿が少しずつ下着にもれてしまいます。
 
溢流性尿失禁は、男性に多く前立腺肥大症による下部尿路閉塞が原因のひとつになっていますので女性には少ない傾向があります。
 
また糖尿病、脳血管障害で膀胱が収縮しなくなった場合にも起こります。

 

「機能性尿失禁」

 

排尿の機能には特に問題はなく、身体的な不自由によってトイレに間に合わず失禁してしまうタイプです。
 
脳卒中の後遺症や骨折、関節リウマチなどによって運動機能が低下して手足が動かなくて失禁する場合と判断力の低下、認知症などによってトイレを認識できないなどがあります。

   

夜間頻尿の特徴

 

夜間頻尿の特徴 

 

尿トラブルで代表的な症状が夜間頻尿です。
 
就寝後に1回以上トイレに行くことを夜間頻尿とよんでいます。 
 
夜間頻尿では、眠りが浅くなり熟睡できない傾向になるため仕事や家事など日常生活に支障をきたしてしまいます。
 
原因としては「多尿症」や「胱の容量の減少」などが考えられます。
 
「多尿症」とは字のごとく尿が多く作られるために回数が増えてしまいます。水分の摂りすぎでなければ糖尿病や高血圧、腎臓病などの疾患の可能性があります。
 
「膀胱の容量の減少」は、膀胱に蓄尿できる量が減少して溜められなくなるものです。
 
原因として考えられるのは、過活動膀胱や膀胱炎などにより膀胱が過敏になっている場合や脳や神経の疾患によって膀胱の調節ができなくなっている場合、また、男性の場合では前立腺肥大による排尿障害が考えられます。

 

女性の尿トラブル

 

女性が尿トラブルを起こす時期は妊娠後期と出産後です。
 
女性に多い失禁のタイプは腹圧性尿失禁で下腹部に少しの力が入るだけで失禁をしてしまう尿トラブルです。
 
下腹部に力が入る行動として咳やくしゃみ、笑う、座るなどの行動の時に失禁したてしまいます。
 
妊娠後期は、お腹の胎児が大きく育って胎児の頭部が子宮の前方に位置している膀胱を圧迫、刺激するために尿もれや頻尿が多くなります。
 
出産後に尿トラブルが多くなる原因は、出産の時に骨盤を支えている筋肉である骨盤底筋の筋線維が切れると尿もれの原因になります。
 
また、肥満によって筋肉や線維が切断されたり緩んだりすることもあります。女性ホルモンの低下によっても筋肉が衰えて同じような症状が起こります。

 

骨盤底筋のゆるみによる失禁

 

妊娠の後期や出産後の尿もれは、軽度であれば半年ほどで改善しますが、重度で慢性化した場合は注意が必要です。
 
出産後の骨盤底筋のゆるみを放置すると加齢に伴って排尿や排便のトラブルの原因になります。
 
骨盤底筋は恥骨からお尻の仙骨にかけての筋肉ですが、ハンモック状で骨盤内の臓器を支えている重要な筋肉です。
 
この骨盤底筋が弱くなると臓器が下方に垂れて膣からはみ出す「骨盤臓器脱」を引き起こします。
 
骨盤臓器脱の初期症状として、下腹部や膣の周辺に圧迫感や違和感を覚えるようになります。また膣から臓器が出っ張りを感じることもあります。

 

 
この骨盤臓器脱になると様々な症状や疾患につながります。
 
1.尿が出にくくなる。
 
2.尿もれをする。
 
3.残尿感や便意があるのに圧迫されているため便が出ない。
 
4.圧迫によって排便障害も起こる。
 
更に重症化すると腎臓の機能も低下して腎不全を起こすこともあります。
 

 

肥満や便秘、加齢やなどでも骨盤底筋が緩む

 

出産以外でも骨盤底筋が緩んで弱くなる原因があります。
 
その原因とは、肥満や便秘、運動不足、そして加齢です。
 
肥満の方の場合、体内の脂肪によって骨盤内の臓器が圧迫されるため、その影響を受けて骨盤底筋にも圧力がかかって緩んで弱くなります。
 
便秘の場合も直腸が膨らんで骨盤内の臓器を圧迫するために骨盤底筋にとも圧力がかかります。
肥満や便秘では骨盤底筋に圧力がかかり、ゴムが伸びた状態になっています。
 
運動不足や加齢では女性ホルモンの低下でも骨盤底筋が弱くなってしまいます。
 

骨盤底筋を鍛えて「尿もれ」解消法

 
「骨盤底筋」を鍛えることで尿もれ、頻尿を改善、解消することができます。
 
「骨盤底筋」も「尿道括約筋」と同じで尿道を開閉する働きをしています。 
 
この3つの筋肉によって排尿がコントロールされていますが、これらの筋肉の働きが弱くなることで尿もれや頻尿が起こやすくなります。
 
筋肉には自分の意思で動かすことのできる随意筋肉と自分の意思で動かすことができない不随意筋肉があります。
 
「排尿筋」と「尿道括約筋」は不随意筋肉で、「骨盤底筋」は随意筋肉です。
 
「骨盤底筋」を意識してトレーニングすることで排尿トラブルを改善、解消することにつながります。

 

骨盤底筋をトレーニングして尿もれを解消しましょう。高い効果が得られています。

 

肛門を締めて尿失禁を改善/骨盤底筋強化トレーニング


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