熱中症の危険要因と程度 予防と対策


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熱中症の種類・タイプ

 

熱中症の種類とタイプ 

 

日本の夏の猛暑日や熱帯夜の日数は増加傾向にあり熱中症の死亡者が増加しています。
 
2010年には熱中症による死者が2007年の923名の約2倍の1745名を記録しました。
 
日本の夏が確実に暑くなっていることがあげられますが、そのひとつの原因が都心のヒートアイランド現象で、近隣の内陸地域の日中の最高気温はかつて経験をしていない高温状態を更新し続けています。
 
また、日本の場合急速に進む高齢化で高齢者の孤独化が熱中症の発生数や死亡者数の増加の原因となっています。
 
高齢者はもともと熱中症弱者であり、高温環境の部屋で日常生活中に数日かけて発症して重症化します。
 
熱中症とは、高温の環境が原因となって発症する熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の総称です。
 
日本の熱中症死亡者の約8割が65歳以上の高齢者で、そのうちの45%が家で発生しています。
 
熱中症には、迅速な対処が不可欠となりますので、熱中症のタイプを知っておきましょう。
 
熱中症には、いくつかのタイプがありますので、慎重に対処しましょう。

   

熱中症の種類、タイプ 熱失神と対処法

 
炎天下に長時間立って直射日光を受けていると体温を下げるために皮膚の血管が拡張することと、立位姿勢の持続によって下半身に血液が貯留するため脳への血流が減少して一過性の失神発作を起こします。
立ちくらみが起こり、顔面蒼白、めまいなどの後に熱失神を起こします。
 
その他の症状として、数秒間の失神、脈拍が速くなる、血圧が下がる、呼吸が速くなる、脱水症状が起こるなどがあります。
 

熱失神の対処法

 
熱失神の特徴は、自分では熱失神だと気が付かずに突然倒れます。周囲が慌てて対応することが多い熱中症です。
 
学校の朝礼などで、少し体調が悪くても我慢して立ち続けることで、起こることが多く、めまいや疲れを感じたら、我慢しないで日陰や冷房が効いたところに移動して水分補給をしましょう。
 
熱失神は一時的なもので、すぐに意識が戻りますので涼しいところで休ませて、回復して水分補給が可能であれば少しずつあげましょう。
 
水分を自分で摂取できない場合や、少しでも意識障害がある場合には、すぐに救急車を呼びましょう。

 

熱中症の種類、タイプ 熱けいれんと対処法

 

高温の環境で長時間の運動や作業を行い、多くの汗をかいたときに疲労した筋肉に生じる痛みを伴ったけいれんで足の筋肉や腹筋におこることがあります。
 
水分補給において、塩分の濃度が低い水を摂取することで血中の塩分濃度が低下して筋肉への刺激が強くなってけいれんにつながります。
 
運動時や作業時のけいれんは暑さや脱水とは無関係に起こりますが、高温環境で運動時や作業時に起こった場合は、熱けいれんとして対処しましょう。
 
主な症状として、足や腕、腹部の筋肉が痛みを伴ったけいれんを起こします。けいれんは数分で収まることもあれば、数時間続くこともあります。
 
その他の症状として、頭痛、吐き気、おう吐などがあります。
 

熱けいれんの対処法

 
熱けいれんは、血中の塩分濃度が低下して起こっているので塩分と糖分を含んだスポーツドリンク、または1Lの水に塩9gと砂糖を少し加えた水溶液を少しずつ飲ませてください。
 
けいれんが起きている部位の筋肉をストレッチしたり軽くマッサージするのも効果的です。

 

熱中症の種類、タイプ 熱疲労と対処法

 

熱疲労は熱けいれんよりも重症で放置すると更に重度な熱射病に進展しますので素早い対応が求められます。
 
高温環境下で長時間の運動や作業を行うと、大量の発汗のため水分と塩分が減少して、脱水症状を起こすことで脳や臓器への血流が不足して循環不全となり熱疲労を起こします。
熱疲労の症状は、頭痛、めまい、吐き気、おう吐、脱力感、倦怠感などです。
 
体温の上昇を伴うこともありますが、40℃を超えることはありません。
 

熱疲労と対処法

 
軽い熱疲労では命に関わることはありませんが、回復していない状態で高温環境下での運動や作業を継続すると脱水が積み重なって熱射病に至ることもありますので注意が必要です。
 
意識や呼吸の状態を確認し意識を失っていたり言動がおかしい場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
 
意識や呼吸がしっかりしていたら、体を冷やしましょう。スポーツドリンクや食塩水を飲める状態であれば飲ませましょう。回復した場合でも、病院で診察を受けましょう。

 

   

熱中症の種類、タイプ 熱射病

 

脱水症状と血液の循環不全が進行すると、体温を下げるための皮膚血管拡張作用と発汗が抑制されて熱の放射量が減少し、体内の熱蓄積量が増加して体温が更に上昇する悪循環となります。この状態を体温調整機能不全といいます。

 

体温が40℃以上に上昇するため脳の機能が障害して意識障害を起こしている状態を熱射病といいます。
 
運動時の熱射病は発汗が続いている場合もあるので、注意が必要です。
 
主な症状として、意識障害や過呼吸などが現れますが、更に悪化すると血液が固まって、脳や肺、肝臓や腎臓などの全身の臓器に障害が起こって多臓器不全となり死に至るケースもあります。
 
体温が40℃以下であっても、反応が鈍かったり、言動がおかしかったり、日時や場所が分からない場合などの軽度と思われる場合でも注意が必要です。
 
熱射病の症状として、頭痛や過呼吸、おう吐、下痢、千鳥足歩行、頻脈、血圧低下などがみられます。
 
熱射病は、一旦発症すると最新医療でも救命できない多臓器不全などの合併症を引き起こして死に至る確率が高くなります。熱疲労から熱射病への進展を予防することが大変重要です。

 

熱中症 重度な熱疲労や熱射病の対処法

 

熱疲労や熱射病 

 

運動中や作業中にふらついたり、倒れたりした場合には、熱疲労や熱射病が疑われます。
 
すぐに日陰に移動して頭を高くして臥床させて、呼びかけて反応を確認し素早く対処することが大切です。
 
例えば、反応がなかったり、視線が定まらない場合には、熱射病が疑われます。すぐに救急車を呼ぶとともに、全身を冷却するために全身に水をかけ続け、扇風機やバスタオルなどで強力に風を送りましょう。

 

体を冷やしましょう。またスポーツドリンクを摂取できるようであれば少しずつ飲ませるなどの対処をして救急車の到着を待ちましょう。
 

体を冷やして対処

 

ぬれタオルでマッサージ

 
衣服をできる限り脱がせて体に水かぬるま湯をかけて、その上から冷水につけたタオルで、手や足の心臓から遠い部位から体の中心に向かってマッサージをします。マッサージ中も他の人はタオルや服などであおいで風を送り体を冷やします。

 

氷などで冷やす

 

氷のうやアイスパックなどで太い動脈が通っているわきの下や足の付け根などにあてて血液を冷やしましょう。

 

水を体にかけて風を送る

 

水道水があれば体全体にかけましょう。また水を口に含んで体全体に霧吹きで吹きかけましょう。タオルや服などであおいで吹きかけた水を蒸発させることで体の熱をうばうことができます。


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