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腎臓が寿命を決める

 

腎臓は寿命を決める 

 

NHK総合テレビの「NHKスペシャル」シリーズ人体 第1集「腎臓が寿命を決める」を記事にしたものです。
 
腎臓は、今世界中の科学者たちが一番注目をしている臓器であり、日夜研究が続けられていて、「腎臓が私たちの寿命を決めている」といっても過言ではないといいます。
 
昔から伝わっていることわざで、特に重要な事がらを「肝腎かなめ」といいます。
 
「肝腎」の肝は「肝臓」、腎は「腎臓」のことですが、すごいですね、昔の人は肝臓や腎臓が健康の維持に特に重要であることが分かっていたのですね。
 
番組の最後に山中教授いわく「腎臓は大量の血液を管理する臓器であるがゆえに、血流に乗ってくる薬にさらされるため一番悪影響を受ける臓器です。なので、余計な薬は飲むのは極力避けましょう。医師の処方に従って薬を飲むことが最も重要です。」とのことでした。
 
最先端治療の科学は、これまでヴェールに包まれていた腎臓の驚くべき姿を次々と明らかにしています。
 
実は腎臓は人体の司令塔の役割を果たしているそうです。
 
血液を使って常に全身の臓器にメッセージを伝える物質を放出しているのです。
 
逆に全身の臓器からメッセージ物質を受けて、そのメッセージを読み解いて内容に応じて対処しているのです。
 
腎臓の働きを生かすことで、様々な病気の治療に革新が起きているそうです。

 

「目 次」

 

 1. 腎臓は血中の酸素をコントロールしている

 

 2. 腎臓が血圧を下げる働き

 

 3. 腎臓は全身のネットワークの要(かなめ)

 

 4. 腎臓が寿命を決める 長寿のカギを握る物質を発見

 

 5. 全ての病気で腎臓を監視することが重要

 

 6. 日本人は腎臓が弱い(研究結果)

 

 7. たんぱく質の摂り過ぎは腎臓に負担がかかる

 

 

腎臓は血中の酸素をコントロールしている

 

骨の構造
 
平地で生活している人の体内の酸素量は96%を切ることはないといわれています。
 
しかし、高い山や高原地帯では酸素が薄く、体内の酸素量が80%台になることもあります。
 
80%台では体内は酸欠状態、でもわずか2週間程度その環境で生活をしていると腎臓の働きで体に十分な酸素が行き渡るようになります。
 
これは高地順応と呼ばれていますが、そのメカニズムが解明されました。
 
体が酸欠状態になると、腎臓は他の臓器に「酸素が欲しい」というメッセージを伝える物質エポ(EPO)を放出することが分かりました。
 
このエポ(EPO)は、血流にのって全身に送られますが、エポ(EPO)を受け取るのは血液を作る働きがある骨の骨髄です。
 
腎臓は骨髄に赤血球の増産を伝える
骨髄は、エポ(EPO)を受け取ると全身に酸素を運ぶ赤血球の増産が始め、血中の赤血球が増えると全身の筋肉により多くの酸素が届くようになります。
 
腎臓は私たちの普段の生活の中で常にメッセージ物質を出し続けて全身の酸素濃度をコントロールしているのです。

 

 

腎臓が血圧を下げる働き

 

人体 腎臓は血圧をコントロール 

 

腎臓は血圧を監視しコントロールしていることが分かりました。
 
腎臓が血圧をコントロールするために放出しているメッセージ物質が「レニン」です。
 
メッセージ物質のレニンが放出されると、全身の血管に変化が起こって、血圧が上がりますが、
 
腎臓はレニンの量を常に変化させ血圧を絶妙にコントロールしているのです。
 
高血圧の患者の多くは腎臓がレニンを過剰に出し過ぎていることが分かりました。
 
ドイツのライプチヒ心臓センターでは、レニンの分泌を制限する外科手術「腎デナベーション手術」行われています。
 
手術は、血管の内側から熱を加え神経の一部を焼き切ることで、レニンの過剰な分泌を抑制することができます。
 
この治療は、重度の高血圧を一気に治す画期的な治療として世界中から注目されています。

 

 

腎臓は全身のネットワークの要(かなめ)

 

各臓器のネットワーク 

 

腎臓は、単に尿を作る臓器ではありません。
 
1つの腎臓の糸球体の大きさは僅か2ミリ、その数は100万個もあり、老廃物を含んだ血液をろ過して原尿を作る働きをしています。
 
この原尿の量は1日180リットルもありますが、実際に尿として体外に排出されるのは1%程度で残りの約99%は再吸収されて血液に戻されています。
 
原尿から尿を作る段階で驚くべき働きがあることが分かりました。
 
腎臓は体に必要な成分と量を調節
原尿には、老廃物と体に必要な成分が混ざった状態ですが、腎臓はこの混合されている原尿から必要な物質と不必要な物質を絶妙に分類しているのです。
 
腎臓は、最終的な尿を作る働きと、体に必要な成分だけ血液に戻す成分調節をしていることが解明されました。
 
原尿の成分調節には、各栄養素ごとに取り込むポンプが異なり、それぞれ量を微調整しながら体内に戻す量をコントロールしてます。
 
例えば体内に塩分が不足していれば、ポンプは塩分を多く吸収します。
 
ポンプは無数に存在し血液に戻す栄養素の量を絶妙に変化させてコントロールしているのです。
 
腎臓は各臓器からのメッセージで量を判断
驚くべきことは、腎臓は血液に戻す栄養素の量を、各臓器から送られてくるメッセージを読み解いて決定しているのです。
 
こうして、腎臓は片時も休むことなく血液を管理し続けています。
 
腎臓が、全身のネットワークの要といわれている所以です。
 
例えば、心臓から「苦しい」というメッセージを受けると腎臓は塩分を排出して血圧を下げ、心臓を楽にしてあげるのです。

 

   

 

腎臓が寿命を決める 長寿のカギを握る物質を発見

 

長寿に関係している物質が解明されました。
 
その物質は「リン」です。
 
リンは肉や豆などに含まれる重要な栄養素です。
 
リンは、腎臓が調節する血液の成分の一つですが、血中のリンの濃度が高い動物は、寿命が短く、リンが少なく適度に調節されていれば長寿であることが分かりました。
 
リンが不足すると逆に様々な病気にかかりますが、血中のリンが多すぎると老化を加速させてしまうのです。
 
リンが老化を加速させるメカニズムはまだ解明されていませんが、血液中のリンが増えると血管の内側で石灰化という現象が進み、全身の動脈硬化が進むことが解明されています。
 
腎臓は骨からのメッセージでリンを調整
このリンの量を絶妙にコントロールしている腎臓ですが、腎臓は骨からのメッセージを聞いてリンの量をコントロールしているのです。
 
骨は体内のリンの貯蔵庫としてその量を常に監視していますが、骨からリンは充足しているというメッセージを受け取ると血液に取り入れるリンのポンプを停止して尿から排出して体内にリンが増えすぎるのを防ぎます。
 
この腎臓の複雑で精緻な仕組みが私たちの寿命をも決めていたのです。

 

 

全ての病気で腎臓を監視することが重要

 

今、世界の医療現場で腎臓の状態を常に監視することの大切さが叫ばれ始めています。
 
急性腎障害は腎臓の機能が急激に落ちて多臓器不全を引き起こし命にも関わる深刻な状態です。
 
入院患者の2割が急性腎障害に
これまで正確な患者数が把握されていませんでしたが、先進国の入院患者の5人に1人が急性腎障害になっていたという報告がされました。
 
ヨーロッパだけでも腎臓障害で1年間に20万人もの救えるはずの命が失われているといいます。
 
一体なぜ腎臓以外の病気の患者まで腎障害を起こすのでしょうか。
 
それは体内のネットワークの要である腎臓ならではの理由があります。
 
腎臓以外の病気であってもその影響が波及してくるのです。
 
例えば心不全になると腎臓に流れてくる血液が急激に減少します。
 
すると、常に大量の血液を必要とする腎臓は大きなダメージを受けてしまいます。
 
多臓器不全は腎臓の悪化が引き金
また、腎臓は他の臓器とも深くかかわっている臓器の要であるため、腎臓以外が悪くなると腎臓に悪影響が出ることになります。
 
医学界では、腎臓と他の臓器の関係を「心腎連関」、「肝腎連関」などと呼び他の臓器との重要な関係を示すキーワードとなりつつあります。
 
ネットワークの要である腎臓がダウンすれば、全身の他の臓器に影響が及びます。
 
この状態で起こるのが多臓器不全であり数日で容態が悪化し命を落とすことにもつながります。
 
これまで、単に多臓器不全と言われて亡くなった多くのケースで腎臓が引き金になっていた可能性があるといわれています。
 
大量の血液が流れる腎臓は人体で最も多く薬にさらされる場所であり、弱った腎臓に薬が最後の一撃を加えていることが分かってきました。
 
また、腎臓の複雑で精緻な仕組が薬からのダメージを受けやすい宿命も背負っているといえます。
 
病気の治療において常に腎臓を意識することが本当の意味で命を守ることに繋がると多くの医師が考え始めています。
 

 

日本人は腎臓が弱い(研究結果)

 

減塩で腎臓を守りましょう 

 

この様に腎臓は、寿命を決めるほどの重要な臓器ですが、日本とオーストラリアの研究チームの発表によると、日本人は血液中に含まれる老廃物を濾過(ろか)して尿をつくる「ネフロン」が少ない人種であることが分かったそうです。
 

 

理由として、日本人は欧米人に比べて体格と腎臓がともに小さく、更に塩分の多い食事で腎臓に負担がかかっていると結論づけています。
 
この研究でのネフロンの日本人の推計数は、健康人9名の平均値64万個、高血圧患者9名名の平均値39万個、慢性腎臓病患者9名の平均値27万個で、欧米人の平均90万個と比べて大幅に少なかったそうです。
 
研究グループは、日本人腎臓が弱く「塩分とりすぎ」と「肥満に注意」する必要があると警鐘を鳴らしいてます。

 

厚生労働省の発表
2017年9月21日に厚生労働省が発表した「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、2016年の成人の一日あたりの塩分平均摂取量は「男性10.8g」、「女性9.2g」でした。
 
塩分摂取量は男女ともに年々減少しているものの、厚生労働省が「2015年版日本人の食事摂取基準」で定めている一日あたりの塩分摂取18歳以上の「男性は8.0g未満」、「女性は7.0g未満」よりも多い結果となっています。
 
世界保健機関(WHO)は、すべての成人の減塩目標を5gとしていますので、日本人の塩分摂取はこの基準に照らせば約2倍となり、かなり多いと言わざるを得ません。
 
腎臓を守るためにも、日本人はもっと減塩生活を心がける必要があるといえます。

 

「言葉解説(Wikipedia):ネフロン」
ネフロン(nephron)とは腎単位といい、腎臓の基本的な機能単位で腎小体とそれに続く1本の尿細管のことをいう。人間の場合は左右の腎臓合わせて200万個ほど存在し、各ネフロンで濾過、再吸収、分泌、濃縮が行われ、原尿が作られていく。腎臓の皮質部分に位置している。

 

 

たんぱく質の摂り過ぎは腎臓に負担がかかる

 
腎臓の負担を軽くするため肉類は脂質の低い部位を選びましょう 
 
たんぱく質のとり過ぎは腎臓に負担をかけてしまいます。
 
健康な人であれば、良質なたんぱく質を普通に食べることは問題ありませんが、腎機能が弱っている人は、たんぱく質を制限する必要があります。
 
たんぱく質は体内で消化・吸収する際に尿素やクレアチニンなどの老廃物を多く発生しますが、これらの老廃物をろ過するために腎臓に負担をかけてしまいます。
 
腎臓病の方は、たんぱく質の摂取制限が必要となります。
 
行き過ぎた肉食は胃腸などの消化器にも大きな負担がかかりますので、出来る限り肉の選び方にも注意しましょう。
 
例えば、牛肉や豚肉であればバラ肉やロース肉よりヒレ肉やもも肉がおすすめです。
 
また、鶏肉の場合は手羽よりも、むね肉やささみ肉は脂質が少なくおすすめです。
 
調理法も、ゆでたり、網焼きや蒸し焼きにすると、脂質を低くすることができます。
 
 

次回のNHKスペシャル」シリーズ人体
 
第 2 集 「“脂肪と筋肉”の会話がメタボを治す」の放送日は、

2017年11月5日(日) 21時から (49分)

 

ぜひご覧ください。


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